『完全なる和解』とは? わかりやすく解説

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『完全なる和解』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:04 UTC 版)

マリー・ド・メディシスの生涯」の記事における「『完全なる和解』」の解説

『完全なる和解』には、多頭ヒュドラ致命傷与え擬人化された「神の法」と、それを見つめる「摂理」が画面前景描かれている。瀕死ヒュドラは、ルイ13世寵臣1621年病死したリュイヌ公シャルル・ダルベールに擬せられている。フランス軍最高司令官マリー対立していたダルベールの死は、マリールイ13世の関係改善寄与するではないか思われたが、マリー最大の敵であったコンデがすぐにダルベールの地位継いだ歴史的事実汎化し、寓意象徴用いて慎重かつ曖昧に描き出すというルーベンス技術は、とくに和平和解絵画表現する際に極めて有効な技法だった。自身寵臣で、マリーパリ追放時に殺害されアンクル侯爵コンチーノ・コンチーニ名誉挽回願っていたマリーは、コンチーニ死に関係していたダルベールへの個人的反感を描かそうとした可能性もある。しかしながら、後に騒動の種が生じることを嫌ったルーベンス具体的な描写避け寓意画としてこの作品描き上げたあくまでも芸術家として王道選んだルーベンスは、政治的主張作品盛り込むではなく美徳悪徳駆逐し平和裏和解訪れ情景としてこの作品描いたのである。 ダルベールはルイ13世マリー激しく対立する原因となった人物であると見なされていた。そのため神々の怒りを買い、地獄落とされたダルベールを激しく非難する作品だと解釈することは、さほど難しいことではない。『和解』ではルイ13世アポロン擬せられて描かれている。アポロンヒュドラ死に関心で、その死が当然のことあるかのように描かれている。ヒュドラに死を与え役割アマゾネスのような姿の女戦士任されている。なお、現在の作品にはその痕跡残っていないが、『和解』の初期下絵にはかつての寵臣忘れ去り女戦士と共に平然とヒュドラ虐殺していたルイ13世描かれている。

※この「『完全なる和解』」の解説は、「マリー・ド・メディシスの生涯」の解説の一部です。
「『完全なる和解』」を含む「マリー・ド・メディシスの生涯」の記事については、「マリー・ド・メディシスの生涯」の概要を参照ください。

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