『嫌味な女たちの書』
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「ジューナ・バーンズ」の記事における「『嫌味な女たちの書』」の解説
バーンズの呼び売り本『嫌味な女たちの書』(1915年)には8編の「韻律詩」と5つの素描が収められている。その詩は19世紀後半のデカダンスの影響が強く、イラストレーションのスタイルはオーブリー・ビアズリーのものに似ている。舞台はニューヨーク市であり、主題はすべて女性である。すなわち、キャバレーの歌手、ニューヨーク市地下鉄から窓に見える女性、そして最後の詩では死体保管公示所にある二体の自殺遺体である。この本は女性の肉体と性を、多くの読者をじつに嫌味な印象を与える言葉で記述しているが、バーンズの作品の多くと同様に、作者の立場は曖昧である。なかには、女性に対する文化的態度を暴露し、風刺で攻撃しているとしてこの詩を読む批評家もいる。 バーンズ自身は『嫌味な女たちの書』を当惑させるものとして見なすに至った。表題を「白痴的」と言い、その履歴書から除外し、本を焼却すらした。しかし、著作権は一度も登録されなかったので、彼女は再発行を阻止することができず、そしてバーンズの、重刷の最も多い作品のひとつとなった。
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