『ツクール』シリーズの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 08:16 UTC 版)
「同人ゲーム」の記事における「『ツクール』シリーズの登場」の解説
黎明期のパーソナルコンピューターはプログラミングによってソフトウェアを自作出来る、もしくはそれを学ぶ意思のあるマニア向けの道具であったが、パーソナルコンピューター市場拡大に伴い、市販ゲームを遊ぶだけのユーザーも増えてきた。しかしその中にも、できればゲームを作ってみたいと思う者は少なくなかった。 その需要に応える形で、アスキーが1988年にツクールシリーズの元祖『アドベンチャーツクール』、1990年に『RPGツクール』の第一作を発表。さらに1995年からは、アスキーは「アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテスト」を開き、グランプリ賞金1000万円を掲げ、ツクールシリーズを利用したゲームを広く募集した。また、『チャイムズクエスト』というRPGツクールで制作した、松尾芭蕉と河合曾良を主役とした同人RPG『蕉風』がソフトベンダーTAKERUで市販された。 もっともツクールシリーズはゲーム制作のハードルを下げはしたが、シリーズ初期作で可能だったのは「ツクールに予め用意されている素材を配置していくことで、ツクールに最初から用意されていたシステムの範囲内でのゲームを制作できる」というだけのもので、制作には限界があった。それでも需要は根強く存在した。後には、ツクラーと呼ばれる熱心なユーザーの希望の声に応えるように、制作者自身が用意した素材を自由に取り込めるツクールやその素材を制作するためのツクール、オリジナルのスクリプトを導入することでより自由にゲームのシステムを構成することができるツクールなどが発売され、制作可能な領域は徐々に広がっていった。そして、簡易さと自由度の両立を図りながら、2015年現在もツクールシリーズの新作は出続けている。
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