「頼朝スギ」の倒木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:54 UTC 版)
「智満寺の十本スギ」の記事における「「頼朝スギ」の倒木」の解説
2012年(平成24年)9月2日の朝、「頼朝スギ」が根元から折損した。「頼朝スギ」は智満寺の薬師堂西側に生育し、境内から眺めることが唯一可能なスギであった。直接の原因は豪雨の影響によるものであったが、20年ほど前から根元部分から空洞化が進行し、衰弱が見受けられたという。数年前から大枝を伐採して木のバランスを取るなど、倒れないための対策を講じていたものの、自重に耐えかねて根元部分から折れ、南側の急斜面の沢に倒木した。 倒木後の「頼朝スギ」は推定総重量が50トンにも達し、大阪の業者によって伐り出し作業が行われた。智満寺の住職は「倒木の一部で仏像を彫るなどして、頼朝スギを残したい」と発願し、友人である宇治平等院の住職に相談した。その結果、京都の仏師江里康慧が推薦され、弥勒菩薩座像の制作が決定した。 江里は弥勒菩薩座像の制作に際して、「杉は目が粗く彫刻に向かないが、樹齢が長いものは目がつまりノミが入れ易い、精神性と生命観が宿る仏像を完成させたい」と語り、智満寺の住職も「弥勒菩薩は未来を表すので頼朝杉が仏の姿に変えて未来を守ってもらいたい」と語っている。座像の制作は2013年初頭に始まり、約2年半かけて製作されるという。
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