「衝突の冬」から派生した「核の冬」理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/18 04:06 UTC 版)
「K-T境界」の記事における「「衝突の冬」から派生した「核の冬」理論」の解説
アルバレスらの論文を読んだアメリカの天文学者カール・セーガンは、「隕石衝突の爆発によって舞い上がった塵が地表の暗黒化と寒冷化を起こすのであれば、核戦争による核爆発でも同様のことが起こるのではないか」と言う点に着目して研究を開始した。いわゆる核の冬理論である。この理論は世界的な反響を呼び、国際学術連合環境科学委員会の主導で1985年から2年間、30カ国300人の科学者を動員して検討が行われた。その検討結果では、冷戦下でアメリカやソ連が保有していた核弾頭全部(TNT換算104メガトン相当)が爆発した場合、爆発で舞い上がった塵や大規模火災で生成された煤の影響で地上に到達する太陽光の著しい減少と厳しい寒冷化が起こるとされた。 地上に届く太陽光は爆発の20日後で正常時の20%以下、60日経っても正常時の60%。 北半球中緯度地方の夏至の気温は平均で10-20℃低下。局所的には35℃ほど低下。 オゾン層は壊滅的に破壊される。 農業はほぼ全滅 ここで計算の元となった全核弾頭の爆発エネルギーは、K-T境界で落下した隕石の持つエネルギー(TNT換算108メガトン以上)の約1万分の1である。 「核の冬」も参照
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