「月の光」の挿入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:19 UTC 版)
サビ前のブレイクに挿入された「月の光」は、デモの段階で既に入っていたものである。谷村は、このブレイクに対して賛否両論が巻き起こる事を予想していた。「月の光」を挿入した意図について谷村は「サビ前にハッとさせる、時間が止まったような演出をしたいと考え、そこで「月の光」の一節を入れようと考えました。ギャップを出せる曲、静かで幻想的で美しいメロディ、更に言えばジャズとクラシックの橋渡し的な響きを持った曲「月の光」でした。もちろん私がこの曲が大好きな事も大きな理由です。曲の本編と「月の光」のキーが違う事もハッとさせる要因のひとつです」と述べ、このブレイクについて荻原梓は「それまでの勢いをあえて殺すようにして突如現れる『月の光』の衝撃は、J-POP史上他に類を見ない構成である」と評価した。 「月の光」は1番と2番で計2回登場するが、1度目に比べて2度目は少しだけ音量を上げ、強く歪ませて音を割っている。それにより、2度目の方がその存在をよりはっきりと近くに感じるように出来ている。この点について荻原は、「『追いかけても追いかけても逃げてゆく夢』を歌っていながら、実はちょっとだけ近付いている作りになっている」と考察している。ただ実際には、Aメロの後ろでも「月の光」はずっと鳴っている。また、Dメロ後の落ちサビの駆け上がるピアノのフレーズは、「月の光」の途中から左手の激しくアルペジオを弾く部分をオマージュしたものである。 この「月の光」の挿入はSNS上でも話題となり、2017年8月14日付のBillboard JAPAN HOT 100のTwitterのつぶやき数で7位を獲得するなど、チャートにも影響を与えた。
※この「「月の光」の挿入」の解説は、「逃げ水 (曲)」の解説の一部です。
「「月の光」の挿入」を含む「逃げ水 (曲)」の記事については、「逃げ水 (曲)」の概要を参照ください。
- 「月の光」の挿入のページへのリンク