「パラドックス的」性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:05 UTC 版)
「リンドラー座標」の記事における「「パラドックス的」性質」の解説
x 座標がより小さな定数であるリンドラー観測者は、より大きな加速度で加速して追随していることに注意されたい。ニュートン力学的では、同じ距離を保つ観測者は同一の加速度をもっていなければならないので、この事実には驚くかもしれない。しかし、相対論的物理学では、外力により棒を(長軸に並行に)加速するとき、後端点は先端点よりも強く加速しなければ最終的には破壊されてしまう。これはローレンツ収縮(英語版)から言えることである。棒が加速するにつれ、速度は増加し長さは減少していく。棒は短くなっていくので、後端は先端よりも強く加速する必要がある。別の言い方をすると、後端は同じだけの速度変化をより短い時間で行わなければならないということである。この事を微分方程式にすると、ある距離で後端の加速度は発散し、リンドラー地平面が生じることがわかる。 この現象は、よく知られた「パラドックス」、ベルの宇宙船パラドックス(英語版)の基礎となっている。しかし、これは相対論的力学の単純な帰結である。このことを示す一つの方法は、加速度ベクトルとは対応する世界線の曲率(英語版)であると考えることである。ここで、「リンドラー観測者の世界線はユークリッド空間でいう同心円の相似物」であるから、「内側のレーンのスピードスケーターほど外側のレーンよりも(単位弧長あたり)速く曲がる」というよく知られた事実のローレンツ幾何版だと喩えることができる。
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