「ハヤシ」の語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:28 UTC 版)
ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス (Hashed beef with Rice) やハッシュド・アンド・ライス (Hashed and rice) などといった名前が、「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それが訛って「ハヤシライス」となったと言われている。言語学者の楳垣実が1944年の自著『日本外来語の研究』の中で、明治時代によく使われていた古語(および古語の影響の残る方言)で「こまかく切る」という意味を持つ「はやす」という動詞を取り上げ、英語のハッシュド (Hashed) がハッシやハイシなどと訛ったうえで、「はやす」との意味の類推から「はやし肉」などといった語が生まれたことによってハヤシライスになったのであろう、と述べている。この傍証として、1908年発行の『海軍割烹術参考書』にドライハヤシとしてハッシュドポテトの調理法が書かれており、当時はHashedをハヤシと表記した例が認められる。 なお、英語で「ハッシュ」 (Hash) と言った場合、ハッシュドポテト系の料理を指す場合と、肉汁のスープ(デミグラスソース)で煮込む料理を指す場合とがある(#発祥も参照)。ルポライターの澁川祐子もこの2つが明治年間に混同され、最終的に米飯に合う煮込み料理としてのハッシュだけがハヤシと呼ばれ、普及していったのではないかと述べている。 その後、大正年間から昭和年間にかけての料理書では「ハヤシライス」の名称が頻出するようになり、「ハッシュドビーフ」の名称は使用されなくなっていったとしている。
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