「チェッリーニ自伝」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 02:28 UTC 版)
「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の記事における「「チェッリーニ自伝」」の解説
チェッリーニは58歳になって自叙伝(原書名「La vita di Benvenuto Cellini(イタリア語版)」)を書いている。1550年・58年に発刊されたヴァザーリの『芸術家列伝』に刺激を受けたのではないかと推測される。書き上げたあと当時の文芸界のベネデット・ヴァルキに自著の校正を求めているが、ヴァルキは「彼の会話体による純な文体は、削除や訂正をしない方が好ましい」とし手直しを断っている。13歳の筆記者に口述した、綴りや文法に拘泥しない型破りの文体で語られたのは、単なる一芸術家の奔放な生き方だけではなく16世紀イタリア風俗の生気あふれる叙述であった。 対抗改革後のイタリアでは出版される当てがなく、18世紀になってガリレオ派の流れをくむ百科全書派の学者コッキによって草稿が発見され、1728年に公刊された。40年後にバレッティによって再刊された版でフランス人にも知られるようになり、ルソーやスタンダールに熱烈に支持され、ベルリオーズはオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」を作曲している。ドイツでは1803年にゲーテが、自身のイタリア紀行を経て、解説と注を行ったドイツ語訳を刊行し、ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』をはじめとするルネサンス研究の先駆けをなした。
※この「「チェッリーニ自伝」」の解説は、「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の解説の一部です。
「「チェッリーニ自伝」」を含む「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の記事については、「ベンヴェヌート・チェッリーニ」の概要を参照ください。
- 「チェッリーニ自伝」のページへのリンク