PC-9821シリーズ 主な機種

PC-9821シリーズ

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主な機種

デスクトップ型

98MATE A

PC-9821Ap2のマザーボード
  • PC-9821Ae/As/Ap(98MATE A / 1993年1月) 80486SX 25 MHz / 80486DX 33 MHz / 80486DX2 66 MHz : 通称「A-MATE」 初代MATE Aはメモリ上限が標準では14.6MB[注 35]、フロントベイはPC-9801FA/FS/FX同様のSCSI仕様のファイルスロット、98ローカルバス(MLバス)を搭載。ただし、ハードディスク内蔵モデルの標準搭載HDDはSCSIではなくIDE相当に変更された。FA/FS/FX同様に専用SCSIインターフェースさえ増設すれば従来のSCSIタイプのHDDも内蔵は可能。
  • PC-9821Af(98MATE A / 1993年7月) Pentium 60 MHz : 前後に備えた大型ファンで巨大なCPUヒートシンクを強制空冷する風洞状のスペースを内部に備え、筐体が他のMATE Aより一回り大きい。NEC独自規格によるPC-9801-61系SIMMを止めて、標準規格であるJEDEC準拠の汎用SIMMに対応することでPC-9821で初めて14.6MBの壁を越えた機種だが、プリンタ端子は従来通り送信のみ対応で増設FDDコネクタを標準搭載するなど、過渡的な仕様となっている。
  • PC-9821As2/Ap2(98MATE A / 1993年11月) 80486SX 33 MHz / 80486DX2 66 MHz : 二代目MATE A。CPUソケットSocket 3を搭載しており、セカンドキャッシュの追加搭載[注 36] に対応し、更にPentium ODPに換装することもできるが、ライトバックキャッシュに対応していない。ちなみに、初期ロットではセカンドキャッシュとPentium ODPの併用時に不具合が発生するもの[注 37] や、内蔵カレンダーの越年処理に不具合が発生するもの[注 38][注 39] が存在したことで知られる。
  • PC-9821An(98MATE A / 1994年5月) Pentium 90 MHz : MATE A最上位機であり、Afとは異なり他のMATE Aと同サイズの筐体をもつ。メモリ上限は127.6MB。なお、初期出荷分は除算に不具合のあるいわゆるバグ付きPentium搭載であった。BIOSにフラッシュメモリを採用しており、プラグアンドプレイに対応するアップデータがNECから発売された。また、同アップデータで504MB超のIDE-HDDを搭載することも可能となる。CPUのスペック上ではMATE A中最も性能の高い機種ということになるが、MLバスの仕様をはじめ80486の搭載を前提に設計されていたMATE AにPentiumを搭載しているため、メモリウェイトやブリッジ変換などいくつかの足かせがかけられている。したがって、トータルの性能においては、それ程飛躍的に向上しているわけではない。
  • PC-9821As3/Ap3(98MATE A / 1994年10月) Write Back Enhanced 80486DX2 66 MHz / 80486DX4 100 MHz : 三代目にしてMATE Aの最終シリーズ。Ap3は3.3V駆動専用のSocket 6搭載で、BIOSレベルでライトバックキャッシュにも対応しているが、標準ではPentium ODPをサポートしない。また、As3はSocket 3搭載だが3.3/5V両対応で、Ap3がサポートしないPentium ODPの他、ODPではない486DX4もそのまま搭載可能である。いずれもセカンドキャッシュの追加搭載[注 40] に対応するが、増設キャッシュモジュールはAs2/Ap2とも後述するXs/Xpとも異なる専用品を必要とする。MATE XのXs/Xpがベースであるため、PEGCはVRAMのアクセスモードの一部などを削った簡略化版となり、オンボードビデオにローカルバス接続のVision 864(VRAM 2MB実装)を搭載する。セカンドキャッシュもXp/Xs同様に追加搭載可能であるが、As2/Ap2およびXs/Xpとは異なる専用設計のモジュールを使用する。フロントベイはファイルベイ(IDE)で、オプションパーツと交換することでファイルスロット(SCSI/FDD)にもなる。

98MATE B・98MATE X・98MATE VALUESTAR・VALUESTAR

  • PC-9821Be/Bs/Bp(98MATE B / 1993年11月) 80486SX / 80486DX / 80486DX2 : 通称「B-MATE」 。同時期開発のPC-9801FELLOW2世代目モデルと基本設計が共通で、PEGCは非搭載だが、代わりにグラフィックアクセラレータを内蔵。フロントベイはIDE仕様のファイルベイ、拡張スロットはCバスのみでFM音源・PCM音源はオプション。
  • PC-9821Bf (98MATE B / 1994年1月)Pentium 60 MHz : コンセプトは他のB-MATEと同様だがFELLOWに対応したものではなく、動作クロックはやや劣るものの同時期のSV-98に近い[注 41]
  • PC-9821Xe/Xs/Xp/Xn(98MATE X / 1994年7月) 80486 / Pentium : 通称「X-MATE」の初代。PC-9801FELLOWの3世代目と共通点が多いが、新規にPEGCチップを起こしており、MATE Aのものと比較して極端に使用頻度が低かった機能を省略する事でコストダウンを実現した。また、サウンドはPC-9801-86相当に代えてWSS-PCM音源が標準搭載となっており、フロントベイはIDE仕様のファイルベイ。拡張スロットはCバスのみでPCIは非搭載。Xs/XpはMate Aの486系CPU搭載機と同様、セカンドキャッシュの追加搭載[注 42] に対応する。
    • XsとXpはPentiumODPを搭載する場合、専用のKタイプと呼ばれるものが必要であった。Xsは当時の価格対性能はそこそこだったものの、癖のある機種で、As2/Ap2の初期ロット品と同様に、セカンドキャッシュ増設+Pentium ODP搭載などの特定条件で起こる不具合が一部のロットで報告されている。
  • PC-9821Xa(98MATE X / 1994年7月) Pentium 90 MHz : 通称「初代(無印)Xa」 PCIバスを初搭載した。もっとも、まだPCI-PCIブリッジがなく、後に発売されたPCIカードでは対応機種から初代Xaが外されているものもある。
  • PC-9821Xf(98MATE X / 1994年12月) Pentium 60 MHz : Xaの下位モデルに相当し、チップセットが異なる。
  • PC-9821Xe10(98MATE X / 1995年5月) 486DX4 / PentiumODP : 当初本体のみのモデルが発売された。その後Xa7eとともに販売されたディスプレイセットモデルは、VALUESTARシリーズの祖先となる。PC-9801BX4のベースとなった機種。Cバスのみ。PentiumODP搭載モデルは83MHz動作である(BX4の同モデルは63MHz)。
  • PC-9821Xa10(98MATE X / 1995年10月) Pentium100MHz : PCIバスを搭載、前期Xaシリーズの中核となった機種。下位モデルにはXa7・7e・9、Xb10があり、上位モデルはXa12・13・16・20・200と続き、Windows 95時代を支えた。
    • 但し、Xaシリーズ後期の/W型番のものはチップセットがVLSI社製Super Core594「WildCat」からIntel 430HX「Triton II(Triton HXとも呼ばれる)」へ変更されてリセットスイッチを廃止し、電源はAT電源からATX電源へ変更、Intel 82557 100Base TX対応LANコントローラのオンボード搭載、内蔵グラフィックス回路をPCI状のボードにグラフィックアクセラレータとともに搭載(「このカードは抜かないで下さい」という注意書きあり)などその内容は完全に別物となっており、これはむしろ先行したMATE Rの初代機であるRa20/N12のSocket 7版と呼ぶべき機種である。
    • Xa7・9・10・12・13/K・16/KはチップセットとしてVLSI社製Super Core594「WildCat」を搭載しているが、Xa7eはWildcat搭載のものとIntel Triton(Intel 430FX-60・66のいずれか)のものが混在、またXb10はIntel 430FX-66を搭載している。
  • PC-9821V7(98MATE VALUESTAR / 1995年11月) : ディスプレイセットのWindows 95プリインストールマシンであるVALUESTARシリーズの第一号機。VALUESTARシリーズはMATE XシリーズのWindows特化モデルであり、古いデバイスでしか使われていなかったCバスの信号線の一部が結線されていない他、BIOSレベルでもPlug and Play対応に特化するなど、各部の仕様が簡略化されていた。
    • VALUESTARシリーズの後期に登場したMMX Pentium搭載機(V200など)には、外観から前期のモデルは通称「流星」、後期は「青札」と呼ばれて区別されるものがあり、4.3GB以上のHDDを認識可能かどうかなど性能に違いがある
      • VALUESTAR登場以前、ソフトウェアセットモデルなる機種があった。(Xa7e等)こちらの機種は、ロータスオーガナイザー、駅すぱあと、ゴーストライター、フォトマジック、トランプワールドなどがバンドルされていた。ワープロ、表計算ソフトはバンドルされていない。この機種にはディスプレイが標準で付属し、Cバスや、PCIバススロットの本数が基本となる機種より各-1となっていた。

98MATE R

  • PC-9821Ra20(98MATE R / 1996年5月) Pentium Pro 200 MHz : シリーズ初のATX電源内蔵機種。Pentium Pro搭載なのでこのグループはWindows NTプリインストールモデルしか存在しない。MATE Rだけではなく、以後のW型番のMATE Xの基本ともなった。同年12月に投入された2世代目では下位モデルとして180MHz版のRa18も追加された。チップセットはINTEL 440FX
  • PC-9821RaII23(98MATE R / 1997年5月) Pentium II 233 MHz : Ra20のSlot 1版。マザーボードの設計が多少異なるためITF/BIOSに必ずしも互換性は無いものの、チップセットやオンボードデバイスなどはRa20と全く同様の構成である。ただし、CPUの変更に伴い、Windows 95搭載モデルがラインナップに加わった。以降はこれと同等のマザーボードでCPUやドライブを換装しROMを修正しただけのマイナーチェンジ程度の「新製品」が続くことになる。
  • Ra266(98MATE R / 1997年8月) Pentium II 266 MHz : 若干CPUクロックが引き上げられ、最上位機のRvII26と同じになった。同年10月のPC98-NX登場時にモデルチェンジされており、型番(枝番)末尾に「R」が追加されている。この後期モデル以降、Windows NT搭載モデルが無くなりMS-DOS搭載モデルが加わった。さらに1998年7月にはWindows 98搭載モデルも追加された。ただし、MATE Rは仕様上ACPIに対応しておらずWindows 98のロゴを取得することができないため、プリインストールOSに関係なく「Designed for Microsoft Windows 95」のシールが付属している。
  • Ra300/333(98MATE R / 1998年10月) Celeron 300A/333 MHz : 初めてCeleron(Slot 1版)が採用され、久々にCPUクロックが引き上げられた。Pentium IIからCeleronへの変更だったため性能向上幅は限定的だったが、のちに正式にPC-98をサポートするCPUアクセラレータとしては最高クロック級の製品で対象機種とされた[13]。Ra333のみRa40登場後の1999年8月に17インチCRTセットモデルが追加されており、しばらくラインナップに残った。
  • Ra40(98MATE R / 1999年6月) Celeron 400 MHz : Socket 370版Celeronをソケット変換下駄を介してSlot 1に接続するようになり、CPUクロックは一気に400MHzに到達した。さらにMATE Rとしては初めてCRTセットモデルも登場するなど、PC-98を扱っていたPC情報誌ではささやかな話題となっていた。この頃までは発表時点での現行製品クラスのCPU・ドライブ類が採用されており、NECのPCラインナップ上はビジネス向け機種の柱のひとつとしてそれなりに位置付けられていた。ただし、前述のようにマザーボード自体は古い設計の流用であり、カタログスペックに比べて実性能に陰りが見えていたこともまた事実である[注 43]。価格も高かったが、前述のPC誌によれば当時のエプソンダイレクトのCeleron300Aクラスの格安AT互換機と比べてもベンチマークでやや劣る程度だったという。2000年1月には後期モデルにモデルチェンジされ、枝番の「C」の部分が「D」に変わっている。
  • PC-9821Ra43(98MATE R / 2000年5月) Celeron 433 MHz : PC-9821シリーズデスクトップモデル最終機種。シリーズ中で最高クロックのCPUを搭載するが、前述のようにその基本はRaII23から変わっていない[注 44]。また最終機種の宿命として、Ra43はシリーズの収束に特に拍車が掛かった機種でもある。それまでは常に下位機種や旧機種がラインナップに残されていたのに対し、Ra43発表後は比較的速やかにRa40が打ち切られている。一方でそのRa40と比較してもRa43は1年近く新しい割に性能向上幅はわずかであり、CPUに至っては本機の発表後まもなくIntelのページからラインナップ落ちするという有様だった。本機をもってスペック面からも他の現役製品に及ばないようになり、実質的にRa43は互換性のためだけの存在を宿命付けられた機種となった。結果的にこれが2003年のシリーズ生産終了まで残される形になった。21世紀を迎えた2001年11月には同梱CRTの変更に伴い、CRT付属モデルでのみモデルチェンジが行われている。これは型番(枝番)末尾の数字部分に「1」を追加するという、奇しくもPC-9801全盛期にしばしば見られたマイナーチェンジ時のネーミングと同じものになった。

98MULTI

  • PC-9821(98MULTI / 1992年11月) Intel 386SX 20 MHz : 初めて"PC-9821"の名を冠したモデル。業務用・法人用を想定したPC-98GSと似た機能を持つが、機能・価格が削減されており、筐体も小さく、ホビー指向としたものに相当する。筐体は小さめだが奥行きがあって正方形に近く、"ピザボックス型"を分厚くしたような省スペースパソコンである。これにデザインを合わせた付属CRTを乗せることで、一体型PCのような姿になる。PEGCによる640×480ドット256色表示、PC-9801-86相当音源(YM2608B)、PC-9801-55相当のSCSIホストアダプタとSCSI CD-ROMドライブを標準装備し、ノート用HDDパックを利用できた。FPUは増設可能。MS-Windows 3.0 MME(マルチメディア拡張版)で使用することを想定した意欲的な機種であったが、等速CD-ROMを始め、CPU速度、本体拡張性の乏しさなどにおいて、本格的にマルチメディア利用をするには基本性能が不十分であり、約半年後にモデルチェンジされた。
  • PC-9821Ce(98MULTi / 1993年5月) 80486SX 25 MHz : 初代機のデザインを引き継いだ、拡張スロットがCバスのみのCシリーズ初代機、CRT付属。CPU・メモリ・HDD容量が変わった以外のハードウェア構成や筐体形状は初代機と同一だが、ODPが装着可能になり、HDDモデルにはMS-Windows 3.1 が搭載されるようになった。このモデル以降、MULTiの i には小文字が使われている。PC-9821Afの直前に発売されており、この機種までは61SIMM採用で14.6MBの壁超えにも対応していない。形式号のCはPC-9801時代のCV、CSを受け継いだもので、9801から9821へシリーズ号が継承されたのはCシリーズのみ。
  • PC-9821Ce2/Cs2(98MULTi / 1994年1月) 80486SX 25(Ce2)/33(Cs2)MHz: Cシリーズの二代目にして98MULTiの三代目。Cs2はVRAM 1MBのCirrus Logic製GD5428が搭載されており、付属ディスプレイもこの機種のみマルチスキャンディスプレイである。一方のCe2では後にディスプレイにテレビ機能を付けたモデルも登場した。また両機種とも内蔵SCSIホストアダプタは廃止され、CD-ROMドライブは倍速でIDE接続になり、フォトCD・マルチセッションに対応した。HDDも3.5インチIDEになり、Cバスは3基に増えたが、FPU・ODPソケットは付いていない。

98MULTi Canbe

  • PC-9821Cx(98MULTi CanBe / 1994年10月) i486SX 33 MHz : 初代CanBeの一つ。Cb/Cx/Cfと同時発売された。本体、モニタ分離型で、Ce2、Cs2同様、3つの拡張スロット(Cバスのみ)を持つが、内1つはTVチューナー/キャプチャー装着済みであった。CPUは基板直付け(QFP)の486SX(33 MHz)を搭載する。Can Be(「何でも出来る」)のネーミング通り、倍速CD-ROM、内蔵グラフィックアクセラレータ、PC-9801-86下位互換FM音源、WSS(Windows Sound System) PCM音源(左右ステレオ発音可能)、内蔵FAX/モデム、専用TVチューナー/キャプチャー、内蔵アンプ機能、専用多機能リモコン、外付けスピーカー付属。OSはプリインストール済み(MS-DOS5.0A-H+Windows 3.1及び各種専用ソフトウェアと、統合ワープロ、表計算ソフト(Microsoft Works)をバンドル)と、PCとしては非力ながら多くの機能を詰め込まれていた。
  • PC-9821Cf(98MULTi CanBe / 1994年10月) Pentium 60 MHz : 初代CanBeの一つ。リモコン付属。TVチューナー対応。MS-DOS5.0A-H+Windows 3.1搭載。Cb/Cxと同様のソフトウェア構成と機能を持つ。外見的にはCxと全く同様であるものの当時まだ高価であったPentiumCPUを搭載し、初代CanBe中、最高級機種に当たる。
  • PC-9821Cx2(98MULTi CanBe / 1995年6月) Pentium75Mhz : 2代目Canbeの一つでありCb2と同時に販売された。前年に販売されたCx/Cfと同じデザインであるが、ベース機が初代MATE X(Xs/Xp・Xf)から2代目MATE X(Xa7/9/10・Xt13)に変更され、チップセットとしてそれらと共通のVLSI Supercore594(Wildcat)を搭載する。4倍速CD-ROMドライブを標準搭載し、内蔵HDD容量が420MBから850MBに引き上げられ、拡張スロットにTVチューナー/キャプチャーを装着、FAXモデム専用スロットにFAXモデムカードを搭載する。OSとしてMS-DOS 6.2+Windows 3.1のみをプリインストールして発売されたPC-9800シリーズ最後のモデルである。
  • PC-9821Cx3(98MULTi CanBe / 1995年11月) Pentium100MHz : 拡張FM音源搭載(20音) 内蔵CD-ROMドライブは4連装。OSはWindows 95を標準で搭載する。

余談だが、このCanBeシリーズは当初、蜂を模したマスコットキャラクター「キューハチ君」をあしらい、本体起動時にメモリチェックとMS-DOS起動の画面を隠すようにNECの画像ロゴが出るとともに、内蔵ハードディスクにインストール済みのWindows 3.1には独自のGUIランチャー「98ランチ」を備えていた。ちなみに、グラフィック起動モードと、テキスト起動モードがあり、グラフィック起動モードは、前述の「キューハチ君」のグラフィックが表示され、MS-DOSの特殊なドライバにより、MS-DOSや、CONFIG.SYSなどに記述されたドライバの組み込み時のテキストが画面の下の方に目立たないように表示されるようになっていた。そのため、ユーザーはMS-DOSの画面に気付かないうちに、ウィンドウズ3.1の起動ロゴが表示されていた。それと、ウィンドウズを終了すると、通常はMS-DOSのプロンプトに戻るが、電源が切れるようになっていた。MS-DOSを利用するには、電源投入時にTABキーを押しているか(この場合は一時的な切り替え)、本体のセットアップメニューにより、テキスト起動モードに切り替える必要があった。

CEREB

  • PC-9821C200/C166(CEREB / 1997年1月) MMX Pentium : リモコン付属、DVD-ROMドライブを搭載するモデルあり
  • PC-9821C233(CEREB / 1997年1月) MMX Pentium 233 MHz: リモコン付属、DVD-ROMドライブおよびDVDデコーダボード、ビデオキャプチャ機能搭載

一体型

下記の他、PC-9821Cr13(98MULTi CanBe Jam / 通称「ミシン型CanBe」。TFT液晶モニタ一体型、CバスやPCIバスがなくPCカードスロットがある)、PC-9821F200・F166(98FINE、液晶モニタ一体型)が存在する。

  • PC-9821Cb(98MULTi CanBe / 1994年10月) 486SX33Mhz :初代CanBeの一つ。Cx、Cfと同様のソフトウェア構成と機能を持つ。CRT一体型であり、デザインと設置の簡易性に重点をおいているのが特徴。なおCバスは1スロットのみで専用TVチューナ/キャプチャー部分は専用になっている。(Cb2はCバスは2スロットあり内1つは専用TVチューナー/キャプチャーボードが装着されている。また、グレードによっては、TVチューナー/キャプチャーボードを外したモデルも存在する。)
    リモコン付属。TVチューナー対応。なお詳細はPC-9821Cxを参照。
  • PC-9821Es(98FINE / 1994年7月) 98Tシリーズの後継、液晶モニタ一体型

ラップトップ型

  • PC-9821Ts(1993年11月) 9821シリーズでは唯一のラップトップ型。PC-9801Tと同じく、キーボードは取り外しができた。またこの製品のみ「98○○○」という愛称を持っていない。

タワー型

下記の他、Xcシリーズ(98MATE X)およびVALUESTARの一部モデル(V200/M7など)がある。

  • PC-9821Xt(98MATE X / 1994年7月) Pentium 90 MHz : 「初代(無印)Xt」 同XaとともにPCIバスを初搭載。SCSIのみを装備し、内蔵IDEインターフェースは存在しない(シリーズ唯一)
  • PC-9821Xt13(98MATE X / 1995年7月) Pentium 133 MHz : VLSI社製SuperCore594チップセット搭載。Adaptec社製AHA-2940J SCSIコントローラをオンボード搭載[注 45]。標準搭載のグラフィックカードはMATROX社製 Millenium 4MB版である。上位モデルにXt16がある。
  • PC-9821St15(98Pro / 1995年11月) Pentium Pro 150 MHz:初のPentium Pro搭載機。Intel 450KX(Mars)チップセット(ノースブリッジのみ)搭載。Fast SCSIコントローラオンボード搭載
  • PC-9821St20(98Pro / 1996年3月) Pentium Pro 200 MHz : St15のCPU高速化バージョン。ただし、PCIバス回りに修正が加わっており、BIOSにも変更が散見される。
  • PC-9821Xv13/R16(98MATE X / 1996年1月) Pentium133MHz : MATE Xシリーズのタワー型PC。チップセットはWildcatで、PCIスロットは2本のまま。
  • PC-9821Xv13/W16(98MATE X / 1996年11月) Pentium133MHz : MATE Xシリーズのタワー型PC。チップセットは430HXとなり、PCIスロットも3本に増えた(上位モデルのXv20/W30 と同一マザーボード採用)。
  • PC-9821Ct16(98MULTi CanBe / 1996年6月) Pentium 166 MHz: CanBeのタワーモデル。CD-ROMドライブは4連装(同時に4枚までのCDが挿入できる)タイプで、Cバスはなく、代わりにPCIバスが搭載されている。
  • PC-9821Ct20(98MULTi CanBe / 1996年11月)Pentium 200 MHz: Ct16と比較し、CPUの高速化や標準搭載メモリの増加といった基本性能の底上げに加え、2本のPCIスロットの1本にAdaptec製Ultra SCSIカードを搭載し、光学ドライブとしてソニー製SCSI接続CD-Rドライブ(CDU-924S)が搭載されている。
  • PC-9821Rv20(98MATE R / 1996年11月) Pentium Pro 200 MHz : St20後継機。Intel 440FX(Natoma)チップセット搭載。オプションでデュアルCPU対応可能。割り込みの互換(シングルCPU)モードと拡張(デュアルCPU)モード切り替え可能。Adaptec社製AIC-7860 Ultra SCSIコントローラをオンボード搭載し、HDDも容量2GBのSCSIドライブを搭載する。標準搭載のグラフィックカードはMillenium 4MB版、光学ドライブはPDドライブである。
  • PC-9821Rs20(98MATE SERVER / 1996年11月) Pentium Pro 200 MHz : Rv20のサーバ特化バージョン。サウンド機能と互換割り込みモードが省略され、グラフィックもRa20と共通のTGUI9682XGi搭載カードに変更。Cバス版専用サーバーボード搭載。
  • PC-9821RvII26(98MATE R / 1997年5月) Pentium II 266 MHz : Rv20の後継機種。PDドライブ内蔵。CPUのデュアル搭載が可能だが、出荷状態ではコア電圧2.8V版Pentium IIにのみ対応する。やはりRv20と同様にUltra SCSIコントローラを標準搭載し、内蔵ハードディスクも2GBのUltra SCSI対応ドライブを搭載する。メモリアクセスはインターリーブに対応し、SIMM 4枚単位の増設が必要だがPC-9821シリーズの中でも特に高速。ソケット搭載CPUのクロックスピードではRa43の後塵を拝するが、機能や拡張性では同機を上回る。MATE Rシリーズおよびタワー型のシリーズ最上位機。
  • PC-9821RsII26(98MATE SERVER / 1997年5月) Pentium II 266 MHz : RvII26のサーバ特化版。仕様的にはRs20に準じるが、10クライアントライセンス付きWindows NT Server 4.0プリインストールで出荷されたため、HDDがRvII26の2GBから4GBに倍増されている。

98SERVER SV-98シリーズ

商品コンセプトとしてはSV-H98シリーズの後継にあたるPCサーバで、型番にPC-9821とは付かないものの、前述のようにPC-9821BfはSV-98初代機 (model 1) とほぼ共通の設計が利用されていた。このためBfと同じく、当初のSV-98はmodel 2の頃まで9821グラフィックを持たないシリーズだったが、後期の機種からは9821相当の画面モードも備えるようになった。さらに後継機としてPC-9821Rsシリーズにその商品コンセプトが受け継がれたという事情もあり、関連機種として本稿に記す。

SV-98シリーズではCPUの高性能化とPCIスロットのサポート(model 1を除く[14])に加え、サーバOSでのメモリ実装量の増大要求に応え各モデルで同時期のデスクトップ機を上回る最大実装メモリ量がサポートされ、model 1では最大79.6MB、model 2・model 1A・model 1A2では最大255.6MB、model 3では最大511.6MBの実装が可能となった[15][16][17]。また、model 3ではCPU増設ボードの追加によりPC-9800シリーズ(およびその派生機種)では初となるデュアルプロセッサ機能[注 46]が実現された。

ノート型

ノートパソコン用外付けFDD

A4型のNシリーズ、それ以下のサイズでサブノート型のLシリーズがある。中期以降の多くはWSS相当のPCM音源を搭載する他、Nシリーズの一部機種はFM音源も内蔵する。液晶ディスプレイについては廉価版はデュアルスキャンSTN、それ以外はTFTを採用していた。Windows 95登場以前の機種には、2FDD構成でなければ動作しない一部のMS-DOSソフトウェア(主にゲームソフト)に1FDD構成で対応するために、「RAMドライブ」と名付けられた機能が実装されていた。この機能は内蔵メモリから1.25MBを割り当てて、仮想的に1基のFDDとしてソフトウェアに認識させるもので、ドライバを必要としないよう、BIOSレベルでサポートされたものであった。ただし、あくまで仮想のFDDであり、記録された内容は電源が確保されている間だけ保護される。また、コピープロテクトを採用しているゲームソフトは起動用のディスクにプロテクトを掛けることが多く、起動ディスクをRAMドライブにコピーしてもプロテクトが機能して起動させることができない。したがって、プロテクトの掛けられていないデータディスクをRAMドライブにコピーし、FDDに起動ディスクをセットして起動させることになる。データディスクが複数枚あるソフトウェアで処理中にデータディスクの入れ替えを要求される場合は、RAMドライブは入れ替えることができないため、この機能をもってしても対応できなかった。そのため、一部のゲームソフトではノート専用版として、起動ディスクにはプロテクトを掛けず(RAMドライブにコピーして起動)、データディスクにプロテクトを掛けて(FDDにセットして置く)おき、プロテクトチェックの際は、データディスクをチェックすることで対応したものもあった。

Nシリーズ・Lavie

  • PC-9821Ne(98NOTE / 1993年) i486SX 33 MHz : 640×480ドット : 9821シリーズ初のノート型。TFT 4096色中256色表示液晶。本体の前面中央に独自のトラックボール「サムボール」が付いている。搭載メモリの上限が14.6Mで、PCカードスロットの規格が古く(PCMCIA2.0/JEIDVer.4.1)、PCカードコントローラーがIntel互換でない独自仕様の物であるため、使用できるカードに制限がある。9821シリーズだがサウンド機能は搭載していない。
  • PC-9821Ne2/Nd(98NOTE / 1994年) i486SX 33 MHz : 初代Neの後継機種で、NdはDSTN液晶タイプ。初代Neに存在した拡張バスが廃止された。さらにこれらの後継機種としてNe3/Nd2(i486DX2 50 MHz)が存在した。
  • PC-9821Ns/Np/Nf(98NOTE / 1994年) i486DX2 50 MHz(Ns)、iDX4 75 MHz(Np)、Pentium 75 MHz(Nf): Ne2/Ndの上位機種として登場。この3機種のみ液晶モニタ部を逆向きに取り付けることができる。拡張バスが198ピンに拡張され、ドッキングステーション(ファイルスロットorCD-ROM、汎用拡張バススロット1)に接続可能(110ピン変換コネクタ有)。
  • PC-9821Nm(98NOTE / 1995年) i486DX2 50 MHz : Ne3とほぼ同様の筐体であるが、液晶ディスプレイはモノクロ640×480ドットである。
  • PC-9821Na7/Nx(98NOTE / 1995年) Pentium 75 MHz/Am DX4 100 MHz : 800x600ドット/640×480ドット : タッチパッド搭載。ディスクは98NOTE伝統のパック形式(薄型)を採用。この機種よりサウンド機能を搭載。後にNa13/12/9が発売される。
  • PC-9821Nb10(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 100 MHz : 800x600ドット。購入後直後の初回起動時に使用するOSを Windows 95 と Windows 3.1+MS-DOS 6.2 のいずれかを選択する。選ばれなかった方はこの時点で削除され、以後復元することが出来ない。再セットアップに必要なディスク類はWindows 95のもののみ同梱されているが(ただし、再セットアップに必要な起動用フロッピーには何も書き込まれていない)、Windows 3.1+MS-DOS 6.2 を選択した場合はWindows 95の一式をNECに返送することでWindows 3.1+MS-DOS 6.2の再セットアップディスク類が送られるようになっていた。また、Windows 95の再セットアップに必要な起動用フロッピーは、Windows 95を選択して起動した際、1回だけ作成可能となっていた。ただし、付属のフロッピー以外には作成ができないようになっているが、作成したフロッピーのコピーや、コピーしたフロッピーからの起動は可能であった。
  • PC-9821Na15(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 150 MHz : 1024x768ドット。
  • PC-9821Nr15/13(98NOTE Lavie / 1996年) Pentium 150/133 MHz : 800x600ドット。後にMMX Pentium機も発売された。
  • PC-9821Nw150(98NOTE Lavie / 1997年) MMX Pentium 150 MHz:FDD・CD-ROMドライブ内蔵型のオールインワンタイプ。台数限定品としてディスプレイに格納可能なフラットパネルスピーカー搭載モデルも存在した。Nr233/266/300や初代LaVie NX(LVシリーズ)ではこの機種と同一の筐体を採用している。
    • PC-9821NxはPC-9801NX/C、PC98-NXとは関係はない。
    • 最終機はPC-9821Nr300 (MMX Pentium 300 MHz)

Lシリーズ・Aile

  • PC-9821Lt/Ld(98NOTE Light / 1995年) i486DX2 50 MHz(Lt)、i486SX 33 MHz(Ld): B5型 本体の右側奥に超小型トラックボールの「サムボール2」が搭載されている。外部接続型のFDDが付属する。極力余計な機能は省かれていて、サウンド等のマルチメディア機能は搭載されておらず、ビジネスモデル的色合いが強い。拡張機能に関しては、PCカードスロット以外の汎用拡張バスを持たず、それ以外にはメモリ増設スロットが用意されているのみである。背部にプリンタ・マウス・シリアルポートおよび外部VGA出力は備えるが、キーボード端子が省略された。FD互換RAMドライブも持たない。Lt・Ld共にアプリケーションモデルと呼ばれるソフトウェアプリインストールモデルとHDDモデルと呼ばれるソフトウェアのインストールされていないモデルの2グレードが存在し、前者は350MB(Ld/350A・Lt/350A)あるいは540MB(Lt/540A)のHDDと7.6MBのメモリを標準搭載し、後者は260MBのHDDと1.6MBのメモリを標準搭載する。また、全機種ともグラフィックコントローラとしてPEGCのみが実装されており、Ltは9.5インチTFT、LdはDSTNカラー液晶を標準搭載する。アプリケーションモデルではMS-DOS 6.2(5.0A-H)+Windows 3.1をHDDにプリインストールしてあり、さらに一太郎+Lotus 1-2-3がバンドルされていた。なお、再インストールディスクは別売であり、本体のみ購入時には、まず自力でフロッピーディスクにバックアップをとらねばならず、そのためのマニュアルも同梱されていた。
  • PC-9821Lt2(98NOTE Light / 1995年) i486DX2 50 MHz : B5型 Ltの後継モデル。グラフィックコントローラとしてPEGCに加えTrident社製Cyber9320を追加搭載し、「サムボール2」に代えてタッチパッド[注 47] を搭載する。HDD容量はアプリケーションモデルの上位が540MBから720MBに引き上げられ、HDDモデルも350MBとなった。また、メインメモリもHDDモデルについては増量が実施され、4MB(ユーザーメモリ容量は3.6MB)実装となった。またB5型ノートPCとして唯一、3.5インチFDDを内蔵できる。
  • PC-9821La7/La10(98NOTE Aile / 1995年) Pentium 75/100 MHz : B5型 タッチパッド搭載 Microsoft Word+Excel、あるいは一太郎+Lotus 1-2-3バンドルモデルのみ。LCDはLa7が8.4インチDSTNのみ、一方のLa10は当初のモデルではLtから引き続き9.5インチTFT液晶パネル採用で、いずれも640x480ドットだった。しかし後期モデルLa10/Sでは10.4インチ800x600ドットTFT液晶となった。
  • PC-9821Ls150/Ls12(98NOTE Aile / 1997年) MMX Pentium 150 MHz/Pentium 120 MHz : A4型 800x600ドット ポートバー、ドッキングベイ付属。FAXモデム標準装備。PCカードは下段のみZVポート対応。Ls150の/C2,/D2型番は4.3GB以上(32GB以下、ただし8GBを超える場合は標準では8GB扱い)のHDDも認識可能。Microsoft Word+Excel、あるいは一太郎+Lotus 1-2-3バンドルモデルのみ。
  • PC-9821La13(98NOTE Aile / 1997年) Pentium 133 MHz : B5型 800x600ドット ポートバー付属。PCカードは下段のみZVポート対応。

  1. ^ PC-9821シリーズの下位機種であるXe10と共通設計のマザーボードを採用したため。なお、Xe10とBX4の出荷時でのハードウェアの相違点は搭載CPUや実装メモリ量、それに搭載FDDの台数(BX4は2台、Xe10は1台を搭載する)程度でしかない。
  2. ^ Mate Local Busを略してMLバスとも呼称される。
  3. ^ Initial Test Firmware
  4. ^ この問題についてのNEC側の公式見解は、9821とは「標準(出荷時状態)でWindows 3.1において640×480ドット表示が可能なもの」を指すとしていた。この問題はその後、「PC-9801」として発売された「PC-9801BX4」は「PC-9821Xe10」とマザーボードを共用してコストダウンを図る目的でPEGCがそのまま搭載されていて、いずれの機種でも640×480ドット256色表示が可能であったため、さらに混乱が深まった。
  5. ^ デバイスの種類ごとに異なるコネクタが位置をずらして配置されている。
  6. ^ Pentium-90MHz搭載。ただし、CPUソケットはSocket 5よりピン数が少ない専用品である。
  7. ^ AnはBIOSアップデート(プラグ&プレイ サポートソフト)の適用でPnPに対応した。
  8. ^ PCMデータを従来のFIFO転送ではなく、DMA転送で再生する。
  9. ^ のちのCanBeシリーズには拡張バススロットを廃止したモデル(Cr13)やPCIバススロットのみを実装したモデル(Ctシリーズ)も登場し、発展形と言えるCEREBシリーズでもこの仕様が踏襲された。
  10. ^ サウンド機能のシステムからの切り離しはMATE Xシリーズなどと違って不可である。
  11. ^ 従来はFDD2基を重ねて搭載可能なレイアウトであったが、2基を横並び増設とすることでファイルベイの位置を引き上げ、その下に生じた空きスペースに標準搭載の内蔵HDDを固定するように変更された。ただし、MATE-XであってもXc型番のデスクトップモデルでは、その後も従来のFDD縦並び型の筐体が使われ続けた。
  12. ^ 従来は専用グラフィックとサウンド機能はマザーボードに直接搭載であった。ただし、従来のMATE-XでもXe10やXb10にはそれらとは形状の異なるサウンド専用スロットがあり、モデルによっては最初からサウンドボードがドータボードの形で搭載されていた。
  13. ^ もっとも、増設されたPCIスロット1本はPEGCとWindows用グラフィックコントローラをセットで搭載する(ビデオメモリを共有する)特殊な設計の専用グラフィックカードが占有し、これを抜くとマシンそのものが起動しなくなるため、実質的な拡張性そのものはスタンドアローンで使用する限りは従来のMATE Xなどと大差ない。
  14. ^ 同じCPUとOSを搭載するPC-9821St20/L16が定価850,000円に対し、この機種は定価398,000円で、同時期に販売されていた同クラスのPC/AT互換機と比較しても低廉な価格であった。
  15. ^ 逆に後発となったことで、PIIX3以前の未成熟UDMAや、ノースブリッジである430HXの初期ロットのエラッタであるECCが使用できないなどのトラブルが収束するのを見越してからチップセットを採用することができた。
  16. ^ Reliance Computer Corporation、後のServerWorks社で、2001年にBroadCom社に買収された。
  17. ^ 初期のPC98-NXシリーズは独自性を打ち出すあまり、USBキーボードを標準としオンボードのPS/2ポートを廃止するなどの見切り発車的なレガシーフリー・デザインとしたため、PC/AT互換機とPC-9821シリーズ双方のユーザーから非難され、後にPS/2ポート等のレガシーインターフェースを搭載をする方向転換を行うこととなった
  18. ^ ソケット370版Celeronを搭載するRa40/43については、ソケットとスロットの間のソケット変換下駄(Micro Star社製MS-6905)を用いてCPUを実装してあった。
  19. ^ MS-DOSプリインストールモデルではプラグアンドプレイ機能などについてWindows 9xプリインストールモデルとは細部の挙動が異なるITF/BIOS ROMが搭載されていた。これはかつてのWindows NTプリインストールモデルと同様である。
  20. ^ Windows 2000(PC-98に限らない)で一部のXP用ファンクションを代弁するフリーソフトが存在する。
  21. ^ 2007年9月現在、ロムウィン社98BASEシリーズ、エルミック・ウェスコム社iNHERITORシリーズなどが製造・販売されているが、iNHERITORシリーズについては2007年9月28日での受注終了が予告されている
  22. ^ 『電脳辞典 1990's』 p.361によれば、CROSS reFERence keyの略で、この場合、"X"で"Cross"を表している。Cross referenceは文書内での相互参照を意味のことである。別名「変換キー」であるが、当時は広く使われていたかな漢字変換ソフトウェアATOKでは変換動作はスペースキーに割り当てられていたため、その後は別の動作に割り当てられることが増えたとの説が、この文献では採られている。
  23. ^ 『電脳辞典 1990's』 p.331によれば、Negative cross reFERence keyの略であり、XFERの逆の意味である。同書 p.241では、事実上の無変換キーとして紹介されている。
  24. ^ キースキャンコードはPC/AT互換機用106キーボードとは異なり、PC-9800シリーズ汎用のものに準じるため、一部のゲームなど同コードを直接読み出すタイプのソフトウェアは正常動作しない。
  25. ^ PC/AT互換機は色々なメーカのドライブが使われていたが、98は長らくNEC純正機種が標準搭載されていた。ただし、MATE X以降やノートなどではSONYやシチズンなどのドライブが一部で採用されている。
  26. ^ ただし、1997年秋モデル以降のものを除く大多数の機種は4.3GB以上のHDDを接続するとBIOSレベルでハングアップする。PC/AT互換機との最大の違いは、2ポート4台の接続をPC/AT互換機で言う所の1ポート2台分のリソースで実現していた所である。
  27. ^ もっとも、PIO4のデータ転送レート上限にすら達しない性能のHDDが標準搭載されていた時代の話であり、NECはそれ以上を求めるユーザはPCIのUltraWide SCSIあるいはUltra SCSI対応のHDDを使用せよとの対応を取った(実際にも自社ブランドでPC-9821シリーズ対応BIOSを書き込まれたAdaptec製Ultra SCSI/UltraWide SCSI-I/Fカードをオプション提供した)ため、Ultra DMA-I/Fを提供することはなかった
  28. ^ ちなみにK6-2などの互換CPUの場合はこの問題は発生しない
  29. ^ もっとも、CPU載せ変えによるこれらの不具合は公式サポートされていないCPUをPC/AT互換機に搭載した場合でも発生する
  30. ^ これについてはWindows 2000ではPC/AT互換機と同様に改められ、増設フロッピーディスクドライブのドライブレターはハードディスクの後に割り当てられる仕様となった。また、Windows 98などでもインストール時のオプション設定でドライブレターをPC/AT互換機版と揃えることが可能である。
  31. ^ メガデモと称される有志作成のデモンストレーションではよりハードウェア構造の公開されていたGravis UltraSoundが圧倒的に支持されていた
  32. ^ PCM部の動作を86互換とWSS互換で必要に応じて自動的に切り替える仕様のサードパーティー製互換音源ボードも存在した。
  33. ^ 本来i430VXに標準搭載されているはずのUSBはサウスブリッジ側の機能であるためにPC-9800シリーズで利用することはできず、別途NEC製のUSBチップを搭載して実現されている[12]
  34. ^ ただし、ITFの容量が増大した末期の機種では、互換性維持のためにディスクBASICなどから呼び出されるルーチン群はそのまま搭載されたものの、BASICインタプリタそのものの搭載は廃止された。
  35. ^ メルコのハイパーメモリCPUにより79.6Mまで増設可だが、Windows NT/2000ではメーカー公式ドライバが対応しておらず、このハイパーメモリ領域は認識されない。
  36. ^ As2は非搭載、Ap2は128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設可。
  37. ^ メイン基板上へのタンタルコンデンサ追加による回路修正が行われた。
  38. ^ MS-DOSやWindows 3.x/9xについては修正ユーティリティ配布で対応されたが、その種の方法では修正不可のWindows NTユーザ向けには対策版ITFを書き込んだROMへの交換が実施された。
  39. ^ この問題とは別に、Ap2/As2では特にカレンダ時計 (RTC) 自体が故障しやすいという持病も知られる。これは部品配置の関係で特にカレンダIC周辺の信号線が腐食で破断しやすいことが原因であり、必ずしもICそのものの不具合では無い(これに対して越年問題はIC側のバグに近い仕様が原因である)。DOSやWindows 3.1/9xでは日付や時刻が異常でも動作はするため気付きにくいが、Windows NT/2000ではいつまで待ってもログインが完了しないという深刻な不具合が生じるため、NTユーザーは修理に出すしかなかった。この点でも上記の越年問題と混同される可能性がある。しかし越年問題とは全く原因の異なる故障であり、DOSやWindows 3.1/9xを使う場合であっても修正ユーティリティで対応できるものでは無い。なお単なるバッテリ切れでも同様のカレンダ異常を生じることがあるが、その場合は日付・時刻を再設定すれば治ることが少なくない。
  40. ^ 出荷時状態ではAs3は非搭載、Ap2は128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設搭載可。
  41. ^ B-MATEの内蔵グラフィックアクセラレータはいずれもCL-GD5428で同じだが、Windows 9xのリファレンスドライバはBfがSV-98と共通であり、Be/Bs/Bpとは別扱いになっている。
  42. ^ Xsは非搭載、Xpは128KB標準搭載で、両者共に256KBまで増設可。
  43. ^ オンボードIDEがPIOモード2止まりである点はもちろん、PCIチップセットがPentium Proの頃の旧世代品であるため必然的にメモリが当時すでにほとんど見られなくなっていたSIMMのままだった。またビジネス向けであるためグラフィックアクセラレータも旧製品から据え置かれたほか、この頃(1999年)にはほぼ一般化していたUSBすら標準では搭載されなかった。
  44. ^ ただし、RaII23はBIOSが古いため、そのままではRaII23にCeleron433MHzを載せてRa43相当にすることはできない。
  45. ^ ただし、標準搭載のHDDやCD-ROMドライブはIDEタイプでありSCSI-I/Fは使用されていない
  46. ^ ただしSV-98 model3のデュアルプロセッサは対称型マルチプロセッサ (SMP) に対応しておらず、非同期マルチプロセッサ (AMP) である。FreeBSD(98)やWindows 2000はAMPに対応しておらず、デュアルプロセッサ運用にはWindows NTのようなAMP対応OSが必要になる[18]
  47. ^ なお、この当時のタッチパッドは、現在主流の指先の微電流感知をする型とは異なり、パッドに掛かる圧力で作動する感圧式であり、タッチペンでの操作も可能であった。
  1. ^ 「特集・98とともに歩く, これからの10年」『Oh!PC』9/15号、ソフトバンク、1993年、137頁。 
  2. ^ PC-9800シリーズ受注終了のお知らせ”. NEC (2003年8月7日). 2003年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月1日閲覧。
  3. ^ a b SOFTBANK BOOKS、PC-98パワーアップ道場、ISBN 9784797305777
  4. ^ a b c d e 「特集 : 追う98、追われる98」『日経パソコン』1993年3月15日、130-145頁。 
  5. ^ SE編集部、『僕らのパソコン30年史 ニッポンパソコンクロニクル』、翔泳社、2012年、p206。[1]
  6. ^ a b 「第2特集 : 浸透する台湾パソコン」『日経パソコン』1995年3月13日、182-187頁。 
  7. ^ 修理対応期間について”. 121ware.com. 2010年10月7日閲覧。
  8. ^ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160729-1.pdf
  9. ^ 写真から「PC-9821 Xb10」と機種名が読み取れる。
  10. ^ 倶知安駅は北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅で、そもそもJR北海道の経営自体が困窮している。なお、倶知安駅は北海道新幹線の延伸開業時に函館本線も高架化されることになっているが、運行管理システムについては未定。
  11. ^ 「Products Showcase」『月刊アスキー』1988年9月号、アスキー、190頁。 
  12. ^ 小高輝真の「いまどきの98」 第1回”. Impress Watch (1997年1月30日). 2017年1月13日閲覧。
  13. ^ 対応情報 CPUアクセラレータ NEC PC-9821 - ウェイバックマシン(2005年11月24日アーカイブ分)
  14. ^ SV-98model1
  15. ^ SV-98model2
  16. ^ SV-98model1A/model3
  17. ^ SV-98model1A2
  18. ^ FreeBSD(98) SMP users”. 2018年3月22日閲覧。






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