都営バス杉並支所 沿革

都営バス杉並支所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 14:52 UTC 版)

沿革

  • 1966年(昭和41年)11月30日:堀ノ内営業所を杉並電車営業所跡地に移転、杉並自動車営業所とする。
  • 1972年(昭和47年)7月2日:王78系統を志村営業所に移管。
  • 1977年(昭和52年)12月16日:東75系統が新宿駅までに短縮されて宿75系統となる。中77系統は短縮、高79系統が廃止となる。
  • 1979年(昭和54年)11月23日:宿75系統、市02系統が廃止となる。
  • 1982年(昭和57年)
    • 3月29日:志村営業所閉鎖と同時に王78系統が杉並に復帰。
    • 12月26日:中77系統が廃止。
  • 1984年(昭和59年)2月16日:宿91系統の大森操車所 - 野沢銀座間が廃止(短縮)。該当区間は東急バス・森91系統単独となる(東急も新代田駅以北は廃止)。
  • 1993年(平成5年)3月31日:都05系統に参入、深川営業所との共管とする。
  • 2000年(平成12年)12月12日:都03・05系統を深川営業所へ移管。同時に早稲田営業所杉並支所に降格。青梅支所も早稲田営業所管轄となる。
  • 2003年(平成15年)4月1日:はとバス委託化。渋66系統を新宿支所へ移管。
  • 2005年(平成17年)4月1日:品97系統を品川営業所より移管となる。
  • 2006年(平成18年)4月1日:渋66系統を新宿支所より再移管。
  • 2008年(平成20年)4月1日:品97系統を港南支所との共管とする。
  • 2009年(平成21年)4月1日:小滝橋営業所杉並支所に変更。新江62系統を練馬支所より移管。
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日:宿91系統の新代田駅 - 駒沢陸橋間が廃止(短縮)。
    • 10月1日:新江62系統を廃止。
  • 2014年(平成26年)4月1日:高71系統を小滝橋営業所より移管。

堀ノ内営業所として発足

東京乗合自動車、堀之内営業所(1936年、撮影:石川光陽

杉並支所の直接の前身は、環七通りの「堀ノ内」停留所の西側に隣接していて、現在の「都営堀の内三丁目アパート」が所在する地に存在した堀ノ内営業所である。1932年(昭和7年)に「青バス」の名称で親しまれた東京乗合自動車によって開設された。東京乗合自動車は当時すでに東京市内(東京都心)に多くの路線を持ち好成績を上げていた。その中で堀ノ内営業所は、青梅街道を経由して、東中野・代田橋などの郊外と、青梅街道の起点である新宿、さらに都心方面とを結ぶバス路線を運営していた。やがて1938年(昭和13年)に東京乗合自動車は、日本初の地下鉄(現在の東京メトロ銀座線)を運営していた東京地下鉄道に買収されるが、運行形態に特段の変動は生じなかった。

しかし日中戦争太平洋戦争が始まり戦時統制が厳しくなると、「青バス」は決定的な転機を迎えた。政府は1938年(昭和13年)陸上交通事業調整法を制定し、日本各地に乱立していた交通事業者の整理に一挙乗り出した。この中で東京市内にあっては、旧東京市内(東京15区)のバスはすべて東京市に統合、旧東京市内以外のバスは地域を4ブロックに分けて各ブロックごとに、東京横浜電鉄(現:東急、いわゆる「大東急」)、武蔵野鉄道(現:西武鉄道)、東武鉄道、京成電気軌道(現:京成電鉄)がそれぞれ統合主体とされた。これに従えば本来、堀ノ内営業所の営業エリアは東京横浜電鉄が統合主体となるブロックに属することになり、青梅街道沿線を除けば、現在杉並区や中野区を営業エリアとしているバス会社は大東急の一部であった京王バスとその大東急の傘下にあった関東バスであるが、旧市内へ連絡する路線を持っていた堀ノ内営業所は「青バス」ごと東京市に統合されることとなった。これが現在の都営バスの一部となった起こりであるが、こうした歴史的経緯から戦後より現在に至るまで、青梅街道沿線では都営バスが営業権を持っているとされる。

戦後に都営バス堀ノ内営業所として発足してからは、1949年(昭和24年)に堀ノ内自動車営業所青梅支所青梅市に置かれ、阿佐ケ谷駅から青梅街道をひたすら西進して青梅支所まで至る301系統(現:梅70系統)が開設している。都営バスが青梅街道沿線の営業権を保有していたからこそこうした長距離路線が開設できたこととなるが、後に梅70系統は経路短縮により23区内へ乗り入れなくなり、青梅支所管内は末期の八王子支所と同様に都営バスとしては孤立した営業エリアとなっている。

堀ノ内営業所の移転

1963年(昭和38年)、都電唯一の狭軌線だった14系統(新宿駅前 - 荻窪駅前)が廃止された。青梅街道に面した杉並電車営業所の敷地は遊休地となり、手狭になりつつあった堀ノ内営業所はより広い電車車庫跡地へ移転することになる。1966年11月30日に堀ノ内営業所は杉並電車営業所跡地に移転し、杉並自動車営業所と改称した。

このころの杉並営業所は、荻窪の四面道以東の青梅街道を軸に新宿や都心を結ぶ路線を多数運行していた。そのうちの1つが304系統であり、1968年の都電撤去で新設された511系統を担当する基礎となる。両系統は1970年に統合され、現在の都03系統へとつながっていく。

環七通りを基軸に

ただ、青梅街道には都電14系統の代替となる地下鉄丸ノ内線が開通しており、交通局は杉並営業所の新たな方向性を練らなければならなくなっていた。折から環七通りの整備が進んでいたことから、交通局では高円寺陸橋に近い場所に立地する杉並営業所を核に、山手線西側の環七通り全域へと路線を伸ばす計画を立て、堀ノ内移転直前の1966年、66系統(現在の王78系統:新宿駅西口 - 王子駅線。一時的に志村営業所へ移管)が開業した。翌1967年には、5系統(後の宿73→宿91系統)を延長して高円寺以南の環七通りを縦走する138系統(後の宿91系統)を東京急行電鉄(現:東急バス)と相互乗り入れで、新宿駅西口 - 若林駅前 - 大森駅山王口 - 大森操車所も開業した。

また、高円寺陸橋から大原陸橋の間では既存の130系統や131系統(現在の渋66系統)、中77系統代田橋 - 中野駅 - 江古田駅などの共同運行相手の関東バス京王帝都電鉄(現:京王バス東)、東京急行電鉄(現:東急バス)まで巻き込んだ激しい乗客獲得合戦に発展した。1972年には66系統とほぼ似たルートで国際興業バス(現在の赤31系統:高円寺駅 - 赤羽駅。関東バスと共管)も参戦してきた。しかし、大原陸橋を中心とした環七通りの渋滞が悪化し定時運行の確保が難しくなっていくと、路線の廃止や共同運行先の撤退が相次ぐようになる。

路線再編と都市新バス

1977年の路線再編は杉並営業所でも行われ、東75系統を新宿駅で運行を打ち切ったほか、中77系統は中野駅で分断された。中野駅から北側が関東バスの運行となったほか、高79系統は不採算を理由に全線廃止された。1979年の再編ではさらに追い討ちをかけるように、東75の系統番号変更による(旧)宿75系統[注釈 1] が廃止されたほか、南阿佐ヶ谷駅より西側の路線が全て廃止されたことで事実上撤退となった。さらに1982年には中77系統が廃止されたほか、1984年には宿91系統が野沢銀座まで短縮の上、野沢銀座から南側が東急バスの単独運行となった。

その一方で、志村営業所へ移管されていた王78系統は、1982年の志村営業所閉鎖によって杉並営業所へ再移管された。

(旧)宿75系統が廃止になった後も、銀71系統は山手線を東西に貫く幹線として需要があり、1988年、都営バス3番目の都市新バス路線に選ばれて都03系統と姿を変えた。しかし、東京ビッグサイトの完成により東京国際見本市会場が閉鎖され乗客が激減。道路の渋滞で日比谷以西は地下鉄への流出が止まらなくなり、2000年(平成12年)の都営地下鉄大江戸線開業時に行われた再編で四谷駅までに短縮され、深川営業所へ移管された(後述)。

はとバス委託へ

2003年4月1日より、都営バスでは初となるはとバスへの民間委託が開始された。


注釈

  1. ^ 宿75系統(2代目)は新宿支所の担当で関連は全くない。
  2. ^ 東急の森91系統を大橋営業所が担当していたころは、大橋 - 上馬の出入庫ダイヤが存在した
  3. ^ 内部では中型系と呼ぶ
  4. ^ こちらはもともと新宿駅西口始発であったため、東75系統から(旧)宿75系統へ文字を変えただけであった。(旧)宿75系統は、1977年12月から1979年11月22日までの運行。

出典

  1. ^ [1] 京王バス・西東京バス バスナビ.com
  2. ^ 東京都乗合自動車の運行系統の名称及び区間、昭和54年11月22日 交通局告示第11号
  3. ^ 東京都交通局80年史、Page351
  4. ^ 東京都交通局80年史、Page350
  5. ^ 都営バスの路線変更等について - 東京都交通局 2013年3月1日
  6. ^ 現;新代田駅前





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