川口淳一郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 22:27 UTC 版)
宇宙政策・ 主張
2011年、政府の平成24年(2012年)度予算に関する閣議決定で、宇宙関連予算では利用に重点を置いた方針がとられたことについて、利用に徹する姿勢から新たな技術を拓くことは期待できず、(他国から)新たな技術開発やイノベーションが現れるのを待つだけに陥る危険があると訴え、日本が閉塞する大きな原因の一端であると述べた[3]。2015年に政府が策定した宇宙基本計画で出口戦略が強調された際も、川口は、出口戦略はセレンディピティという科学や技術の本質に逆行するもので[4]、出口が見えるような短期的な視点で生産性を追うだけでは、革新的な技術は生まれないと指摘した[5]。
人物
宇宙工学分野を目指したきっかけは、「アポロ計画の月探査やバイキング探査機の火星探査の見事なミッションに感銘を受けたため」だと語っている。趣味は「非常に遅くじっくり泳ぐこと」、信条は「どんなに足下を固めても、高いところに上らなければ水平線は見えて来ない」である[6]。
2011年には、中山秀征、杉浦太陽、佐々木健介らと共にベスト・ファーザー賞を受賞した。
略歴
- 1955年 - 青森県弘前市にて誕生。
- 1974年 - 青森県立弘前高等学校卒業
- 1978年 - 京都大学工学部卒業
- 1983年
- 1988年 - 宇宙科学研究所助教授
- 2000年 - 宇宙科学研究所教授
- 2011年 - 宇宙航空研究開発機構シニアフェロー
- 2012年 - 内閣官房宇宙開発戦略本部事務局局長
受賞歴
- 1987年 - 計測自動制御学会技術賞
- 1991年 - 日経BP賞
- 1993年 - NASA Group Achievement Award
- 2004年 - 日本航空宇宙学会技術賞
- 2006年 - National Space Society Space Pioneer Award
- 2006年 - 日本航空宇宙学会技術賞
- 2007年 - 科学技術分野文部科学大臣表彰
- 2010年
- 弘前市民栄誉賞[7]
- NEC C&C財団25周年記念賞
- 東奥賞
- 財界賞特別賞
- 日本イノベーター大賞
- 2011年 - ベスト・ファーザー イエローリボン賞
- 2012年 - 宇宙功労賞
- ^ 「枠を超え、壁を突破する加点法のリーダーシップとは」『川口淳一郎さんインタビュー - 日本の人事部 LEADERS(リーダーズ)』アイ・キュー。
- ^ 「教育職職員一覧」『ISAS | 川口 淳一郎 / 教育職 職員一覧』宇宙航空研究開発機構。
- ^ 「はやぶさ後継機に関する予算の状況について」宇宙航空研究開発機構
- ^ 「インタビュー:なぜ、宇宙へ? JAXAシニアフェロー・川口淳一郎さん」朝日新聞、2014年12月6日
- ^ 川口淳一郎、小山謙太郎聞き手「技術なければ戦えない」『朝日新聞グローブ』167号、朝日新聞社、2015年9月20日、G-7面。
- ^ 川口 淳一郎 (who's who)
- ^ “市民栄誉賞”. 弘前市. 2022年7月30日閲覧。
- 1 川口淳一郎とは
- 2 川口淳一郎の概要
- 3 宇宙政策・ 主張
- 4 著書
- 5 関連項目
固有名詞の分類
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