向斜
【英】: syncline
褶曲構造{しゅうきょくこうぞう}の一部で、地層が下方に撓曲{とうきょく}し層序的に上位の地層がその中核に出ている部分(図参照)。 垂直的に最も低い点を結んでできる線を底、両側の斜面に当たる部分を翼あるいは脚、両側の脚を二等分する面を向斜軸面、向斜軸面と各層の交線を向斜軸という。 ![]() |

向斜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/31 05:40 UTC 版)
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向斜(こうしゃ、英語: syncline[1])は、構造地質学において、新しい地層が中心側に来ているような褶曲構造である。右の図において、SYNCLINEとある地形の谷になっている部分が向斜である。これに対して、ANTICLINEとなっている地形の山になっている部分は背斜と呼ばれる。
複向斜(ふくこうしゃ)は、小さな褶曲がいくつも重ねあわされた大きな向斜のことである[2]。向斜は通常、谷状の構造になっており、シンフォーム状向斜と呼ばれるが、地層が反転して褶曲された場合には、山状の構造になっている向斜も見られ、アンチフォーム状向斜と呼ばれる。
地質図においては、岩石地層の順序が次第に新しい順序に並んでおり、褶曲の中央に一番新しい地層があって、その点の反対側に同じ岩石地層が逆の順序で並ぶ。褶曲の形が円形あるいは楕円形になっている場合、その構造は構造盆地となる。有名な向斜として、アメリカ合衆国ワイオミング州のパウダー川盆地がある。褶曲は、造山運動に伴う圧縮の結果として地殻変動によって形成される。
よく露出した向斜として、アメリカ合衆国メリーランド州西部において、州間高速道路68号線が通るサイドリング・ヒルにあり、ロックウェル・フォーメーションとその上にパースレーン砂岩が露出している。
高所に造られた向斜の壮大な例として、ヨーロッパ最高地点にある、フランス南東部、アルプス山脈麓にあるサウが挙げられる。
ギャラリー
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ユタ州プロボキャニオンの雪景色をした向斜
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テキサス州フォートデイビスの切通しに現れた向斜
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カリフォルニア州バーストウ近くのレインボー盆地の向斜
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キャリコゴーストタウンにある向斜、柔軟性のある褶曲が下部に、脆弱なものが上部になっている
脚注
- ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、83頁。ISBN 4-8181-8401-2。
- ^ Synclinorium. (2008). In Encyclopædia Britannica. Retrieved May 03, 2008, from Encyclopædia Britannica Online: http://www.britannica.com/EBchecked/topic/578375/synclinorium
関連項目
「向斜」の例文・使い方・用例・文例
向斜と同じ種類の言葉
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