バビル2世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/22 17:56 UTC 版)
バビル2世 | |
---|---|
ジャンル | 少年漫画・SF漫画 |
漫画:バビル2世 | |
作者 | 横山光輝 |
出版社 | 秋田書店 |
掲載誌 | 週刊少年チャンピオン |
レーベル | 少年チャンピオンコミックス |
発表号 | 1971年28号 - 1973年47号 |
巻数 | 全12巻 |
漫画:バビル2世外伝 恐怖の予言の巻 | |
作者 | 横山光輝 |
出版社 | 秋田書店 |
掲載誌 | 月刊少年チャンピオン |
発表号 | 1973年5月号 - (読み切り) |
漫画:その名は101 | |
作者 | 横山光輝 |
出版社 | 秋田書店 |
掲載誌 | 月刊少年チャンピオン |
レーベル | 少年チャンピオンコミックス |
発表期間 | 1977年 - 1979年 |
巻数 | 全5巻 |
漫画:バビル2世 ザ・リターナー | |
原作・原案など | 横山光輝(原作) |
作画 | 野口賢 |
出版社 | 秋田書店 |
掲載誌 | ヤングチャンピオン |
レーベル | ヤングチャンピオンコミックス |
発表号 | 2010年6号 - 2017年3号 |
巻数 | 全17巻 |
アニメ:バビル2世 | |
原作 | 横山光輝 |
キャラクターデザイン | 荒木伸吾 |
音楽 | 菊池俊輔 |
製作 | NET、東映 |
放送局 | NET系列 |
放送期間 | 1973年1月1日 - 1973年9月24日 |
話数 | 全39話 |
アニメ:バビル2世 | |
原作 | 横山光輝 |
監督 | 牛草健 |
キャラクターデザイン | 嶋津郁雄 |
アニメーション制作 | ベガエンタテイメント |
製作 | テレビ東京メディアネット、 円谷映像、ベガエンタテイメント |
放送局 | テレビ東京、他 |
放送期間 | 2001年10月5日 - 2001年12月28日 |
話数 | 全13話 |
OVA:バビル2世 | |
原作 | 横山光輝 |
監督 | まつもとよしひさ |
脚本 | 並木敏 |
キャラクターデザイン | 荒木伸吾、姫野美智 |
音楽 | 石田勝範、平野たかよし |
製作 | ティーアップ、J.C.STAFF |
発売日 | 1992年 |
話数 | 全4巻(各巻30分) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画、アニメ |
ポータル | 漫画、アニメ |
概要
『バビル2世』は『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に1971年7月5日号から1973年11月12日号まで連載された[1]。全121話であり、他に『別冊少年チャンピオン』1973年5月号掲載の読切1話がある[2]。超能力者であるバビル2世と、世界征服を企む超能力者のヨミとの死闘を描いたものであり、その内容から全4部作+読切1話で構成されているといわれている[2]。横山光輝のSF作品としては、超能力者を扱った『地球ナンバーV7』から2年超ぶりであった[1]。当時は劇画全盛で横山も全くSF作品を描かなかったが、本作のヒットで再びSF作品を描き続けることとなった[1]。
当初は10回連載の予定であり、バビル2世とヨミがヒマラヤで戦い、雪崩に呑み込まれて終了する予定であった[1]。ところが連載開始とともに人気が上昇したことから、長編連載に変更された[1]。
1972年12月18・25日号にはアニメ化決定と紹介された[3]。1973年1月1日よりNET(現:テレビ朝日)系列でテレビアニメが開始されて人気がさらに上昇し、アニメを見た女性ファンが『週刊少年チャンピオン』を買うことにより発行部数が増える現象が生じた[4]。アニメ人気により雑誌連載もカラー頁や増頁掲載が増え、1973年2月5日号はテレビ放映記念として80頁が掲載された[4]。
アニメ版も人気が過熱して当初予定より延長され、再放送も度々行われたことから、1979年には大阪を中心に「バビル2世ファンクラブ」が結成された[4]。
横山は自身の好きな作品と聞かれると、必ず『バビル2世』と答えていた[5]。
基本設定
はるか昔、地球に不時着して帰れなくなり住み着いた宇宙人・バビル。彼が残した遺産・バベルの塔と三つのしもべを受け継いだ超能力者・浩一が、世界征服を企む悪の超能力者・ヨミと戦う物語。
5000年前の出来事
5000年前、宇宙人・バビルは宇宙船の故障により地球に不時着した。彼はその科学力と自らの超能力によって時の権力者を動かして巨大なバベルの塔を建設させる。当初の目的は故郷に救助信号を送るためであった。しかし科学的知識に乏しい地球人は、一瞬のミスから完成直前の塔の大半を破壊してしまう。
故郷へ帰ることをあきらめて地球人と結婚したバビルは、破壊されたバベルの塔を子孫に託そうと決心する。彼は宇宙船の機器をもとに、いつの日か生まれるであろう自分と同じ体質を持つ子孫を探し出す装置と三つのしもべを作り上げた。この遺産を受け継ぐ人間が自分の2世になるのである。バビルは自分と同じ超能力をもった子孫にそれを託すことができるのを幸せだと考えた。
バベルの塔
超高性能コンピュータが管理しており、5000年間の地球上の様々な出来事を記録している。人工砂嵐を起こしてその所在を隠し、催眠ライト・レーザー砲・ミサイルなどで武装、侵入者は塔内に仕掛けられた数々の罠で撃退する。そして破壊されても自動修復する機能を持ち、バビル2世に超能力者としての教育を施す装置や傷ついたバビル2世を癒す治療装置も完備している。アニメ第1作のみ「バビルの塔」と呼ばれる。
『バビル2世 ザ・リターナー』では、オーバーテクノロジーの固まりであるコンピューター本体から情報を読み出し一部管理するのに、現代の既存のコンピューターなどの機材(アラブ系のペーパーカンパニーを利用して購入した)を利用しているとされている。
なお、第1作において声を担当した声優は数人おり、初期は井上真樹夫(第6話)なども演じていたが、中盤以降は山田俊司と矢田耕司[注釈 1]による、独特のカン高い声による「コンピュータ音声」に固定された。
注釈
- ^ 初期に矢田が演じた際は普通の淡々とした声音であったが、中盤以降のカン高い声はウルトラセブンで演じたゴーロン星人に近いものであった。
- ^ 『マジンガーZ』のパイルダー号のような小型ジェット機。本編ではバビル2世号、またはバビルカーと呼称。27話で墜落大破した後、自己修復能力でグレートマジンガーのブレーンコンドルに似た機首の尖った機体として再生している。
- ^ ただし部下を見殺しにする羽目になった場合には後味の悪い表情をする場合も多く、被害を抑えるためにバビル諸共攻撃せざるを得なくなった部下を攻撃せずに済んだ時には安心から油断を見せてしまったこともある。
- ^ 第6話でヨミの部下に化けた際、正体がばれてヨミに電撃を浴びせられた時は、原作同様に不定形生命体の姿になって捕まる描写はあったが、どのような形で囚われていたかは不明で、解放後は黒豹の姿でバビル2世と共に脱出している。
- ^ ただし4番の歌詞では「衝撃波」と歌われている。無料歌詞検索サイトUtaTenの歌詞を参照
- ^ しもべたちはアメリカ政府により基地に閉じ込められ、終盤、浩一により解放されるが、その際に基地の一部を破壊したのみで全く活躍していない。そのため超能力者どうしのバトルが中心の展開となっているが、これは編集部の要望によるものであった。また、ヨミも最終回に復活した姿で登場するが、浩一に撃たれ生死は不明となっている。
- ^ 実際には平井和正・石森章太郎の『幻魔大戦』が先行作品(発表は1967年)である。
- ^ 商業作品に限らなければ聖悠紀の『超人ロック』や関あきらの『スターシマック』が先行する。『バビル2世』の発表当時は両人ともプロデビュー前で、両作とも同人作品であるため一般的な知名度は低かったが、SF漫画ファンによる作品への評価は総じて高く、聖が東京に、関が大阪に拠点を置いていたことから、「西のシマック、東のロック」と称される人気作品であった。
- ^ a b 作詞者名はコロムビアレコードにおける表記に基づく。詳細は“正副主題歌の作詞家の表記(東映一・東映二・菊池俊輔)について”の項を参照のこと。
- ^ OPテロップでは「水木一郎」の単独表記であり、「コロムビアゆりかご会」はクレジットされていない。
- ^ LD『バビル2世』VOL.1と2の副音声には音声特典としてBGMが6ミリテープからノーカット収録されているが、VOL.1ジャケット掲載の「BGMリスト」には、コーラスありの主題歌が(TVサイズ・フルサイズとも)未収録であることに関して「主題歌録音時はボーカルのみでコーラスの予定が無く、コロムビアゆりかご会のバックコーラスは後日録られたことから、東映動画に残されているBGMのテープにはコーラスありのオープニングが存在しない」と断り書きされている[9]。
- ^ これについて、『テレビオリジナルBGMコレクション バビル2世』[11]には、実際に使用されたTVサイズ(コーラスありヴァージョン)ではなく、TV未使用のソロ・ヴァージョンが収録されていたことを踏まえ、“BGM集の復刻にあたって「TV用主題歌(いわゆるTVサイズのこと)」のコーラスありヴァージョンを収録する予定だったのだが、テープが発見できなかったため、代わりにコーラスなしヴァージョンのフルサイズを収録することになった”という事情がライナーノートに記されている[12]。なお、所在が不明であったコーラスありヴァージョンのTVサイズは、その後TVサイズ集の各種CDにて収録が実現している[13][14][15]。
- ^ 東映アニメーションの公式サイトでも“東映一”である[18]。
- ^ 1973年3月時点でのコロムビアレコードの、オムニバス・アルバム[28]やミニアルバム[29]での記載は、OP・EDとも作詞はまだ“東映二”のままであり、いつからEDの作詞が“菊池俊輔”表記に変更となったのか、正確な時期ははっきりしない。
出典
- ^ a b c d e 「図説」、横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第1巻、復刊ドットコム、2019年3月20日発行、347頁。
- ^ a b c 「図説」、横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第2巻、復刊ドットコム、2019年5月24日発行、348頁。
- ^ a b 「図説」、横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第5巻、復刊ドットコム、2019年11月20日発行、363頁。
- ^ a b c 「図説」、横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第6巻、復刊ドットコム、2020年1月24日発行、363頁。
- ^ a b c d 「図説」、横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第8巻、復刊ドットコム、2020年1月24日発行、345頁。
- ^ 横山光輝『バビル2世《オリジナル版》』第7巻、復刊ドットコム、2020年3月20日発行、370頁。
- ^ 『横山光輝グッズコレクション』(講談社刊・2002年8月発行)参照。
- ^ “デビュー50周年水木一郎 アニキのオタケビ半生”. zakzak夕刊フジ. 産経デジタル (2018年10月30日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ 2枚組LD『バビル2世 VOL.1』東映ビデオ株式会社、LSTD01146、1994年7月21日、見開きジャケット左ページ。
- ^ CD『EVER GREEN SERIES アニメーションヒーロー バビル2世』日本コロムビア、COCC-10143、1992年8月21日、track-17「バビル2世(レコードサイズ、コーラスなし)」。
- ^ a b 30cmLP『テレビオリジナルBGMコレクション バビル2世』日本コロムビア、CX-7029、1981年8月25日(2003年9月25日にANIMEX1200シリーズ[24]『テレビオリジナルBGMコレクション バビル2世』COCC-72024として復刻CD化)。
- ^ CD『EVER GREEN SERIES アニメーションヒーロー バビル2世』日本コロムビア、COCC-10143、1992年8月21日、ブックレットp14。
- ^ CD『TVサイズ!テレビまんが主題歌のあゆみ 2』日本コロムビア、COCX-31668、2001年12月21日。
- ^ CD『TVサイズ!スーパーヒーロー主題歌集』日本コロムビア、COCX-31708、2002年1月19日。
- ^ CD『TVサイズ!東映アニメーション主題歌集1』日本コロムビア、COCX-33831、2006年7月26日。
- ^ 2枚組CD『水木一郎 BEST&BEST(ICHIRO MIZUKI Best&Best)』日本コロムビア、COCC-12811→12、1995年8月19日。
- ^ 甦る!東映アニメアンソロジー05『デビルマン&バビル2世』毎日コミュニケーションズ、2005年6月20日、ISBN 4-8399-1812-0、2、50-51頁「オープニング&エンディング」。
- ^ “東映アニメーション 作品ラインナップ「バビル2世」主題歌/挿入歌”. 東映アニメーション. 東映アニメーション. 2023年10月21日閲覧。
- ^ シングルレコード『テレビ漫画 バビル2世から バビル2世/正義の超能力少年』日本コロムビア、SCS-512、1973年1月。
- ^ 徳間書店刊『アニメージュ増刊 ロマンアルバム(27) バビル2世』1979年12月30日発行、86-87頁。
- ^ ソノシート『ソノラマエース・パピイシリーズ バビル2世』朝日ソノラマ、APM-4034、1972年12月25日(1973年3月6日再販)。
- ^ シングルレコード『ファンファンレコード バビル2世』日本コロムビア、CK-506、1978年4月。
- ^ a b 30cmLP『バビル2世』日本コロムビア、CS-7086、1978年12月(『テレビアニメーション・ドラマシリーズ バビル2世』COCC-12397として1995年3月1日に復刻CD化)。
- ^ 30cmLP『ANIME SOUND MEMORIAL バビル2世』日本コロムビア、CX-7187、1984年10月。
- ^ CD『EVER GREEN SERIES アニメーションヒーロー バビル2世』日本コロムビア、COCC-10143、1992年8月21日。
- ^ 2枚組CD『続・テレビまんが主題歌のあゆみ』日本コロムビア、56CC-1633→34、1987年6月21日。
- ^ 2枚組CD『続・テレビまんが懐かしのB面コレクション』日本コロムビア、56CC-2576→77、1988年9月1日。
- ^ 30cmLP『ゴールデンテレビまんが大行進11』日本コロムビア、KX-21、1973年3月。
- ^ 4曲入りEP『テレビまんがヒットシリーズ バビル2世 ファイヤーマン』日本コロムビア、C-522、1973年3月。
- ^ 2枚組LD『バビル2世 VOL.2』東映ビデオ株式会社、LSTD01160、1994年9月21日、見開きジャケット左ページ。
- ^ a b c 甦る!東映アニメアンソロジー05『デビルマン&バビル2世』毎日コミュニケーションズ、2005年6月20日、ISBN 4-8399-1812-0、「スペシャルインタビュー 企画 斎藤侑」82-83頁。
- ^ 『バビル2世 DVD-BOX』ジェネオンエンタテインメント、GNBA-9003、2004年3月21日(2007年11月21日に廉価版がGNBA-5501として再発売)、SPECIAL BOOKLET p5-7「Interview 企画 斎藤侑」。
- ^ シングルレコード『愛はまぼろし』日本コロムビア、CK-519、1978年12月。
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1973年(昭和48年)9月、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1973年1月26日 - 9月7日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1973年3月23日 - 12月29日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1973年4月25日 - 9月6日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1973年3月4日 - 12月1日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1973年1月1日 - 9月24日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1973年1月1日 - 9月24日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『新潟日報』1973年7月テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1973年7月9日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1973年6月2日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『信濃毎日新聞』1973年9月11日付朝刊、テレビ欄
- ^ 『中日新聞』1973年7月テレビ欄。
- ^ 『京都新聞』1973年7月テレビ欄。
- ^ a b c 『山陽新聞』1973年6月テレビ欄。
- ^ 『愛媛新聞』1973年6月テレビ欄。
- ^ a b 『熊本日日新聞』1974年3月テレビ欄。
- ^ 『大分合同新聞』1973年7月テレビ欄。
- ^ a b 『南日本新聞』1973年5月7日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『沖縄タイムス』1973年10月テレビ欄。
- ^ (日本語) 【公式】バビル2世 第1話「五千年前からの使者」 <1970年代アニメ> 2022年3月6日閲覧。
- ^ “バビルII世 | アニメ | GYAO!ストア”. GYAO!. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “Amazon.co.jp: バビル2世を観る | Prime Video”. www.amazon.co.jp. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “東映チャンネル | バビル2世 3月7日(月) 放送スタート!毎週(月)8:00~9:00”. 東映チャンネル. 2022年3月6日閲覧。
固有名詞の分類
- バビル2世のページへのリンク