オレガノ オレガノの概要

オレガノ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 13:53 UTC 版)

オレガノ
オレガノの花
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: ハナハッカ属 Origanum
: オレガノ O. vulgare
学名
Origanum vulgare
L.1753[1]
シノニム
和名
ハナハッカ(花薄荷)、
ニイタカジャコウソウ[1]、コバハッカ[1]
英名
oregano

Origanum vulgare リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[7]

名称

広義には、O. compactumO. majorum、観賞用のO. rotundifoliumO. pulchellum、種間雑種などハナハッカ属(Origanum属)全般を指す。 属名の Origanum はギリシャ語で「山の喜び」を意味する。別名のワイルドマジョラムという名が示すように、マジョラムよりも野性的で、性質も丈夫である[8]和名ハナハッカは、初夏に淡紅紫色の小花を半球状に咲かせて目立つことから命名された[6]。また中国植物名では、「牛至」(ギュウシ)[9][10]、「野薄荷」[1]

植物そのものよりも、発する香りをオレガノと呼称することが多い。

分布・生育地

地中海沿岸が原産だと考えられている[6]ヨーロッパから南西アジアヒマラヤ中国台湾にまで分布する[10]。大半は地中海沿岸地域で育ち、アメリカ北東部にも自生する。日当たりのよい岩だらけの土地や[4]、荒れた野原の縁に自生し、耐寒性に富む[5]。日本には江戸時代末期に渡来したが[10]、野生ではほとんど自生していない[6]

香辛料にし、また観賞用のために栽培されることもあり、栽培地はギリシアトルコイタリアフランスポルトガルなど地中海沿岸のほか、メキシコドミニカ[要曖昧さ回避]など北米でも広く栽培されている[10]

特徴

オレガノ(Origanum vulgare)のイラスト

多年草種子から発芽して2年目に、高さは30 - 80センチメートル (cm) になる[6][10][5]は、四角く多少地ぎわを這って根元から密に直立または斜上し、よく枝分かれして、かつ短毛が生えて毛深い[6][5]対生し、概ね濃緑色から紫紅色の小さな卵形で[5]、長さ1.5 cm[10]、表面が滑らかなものと毛が生えたものに分かれる。

花期は夏から秋(7 - 10月)で、枝分かれした花茎の先端に傘状になって、直径4 - 7ミリメートル (mm) の紫を帯びた淡紅色の花を多数咲かせる[10]。花色は多くの品種ではピンクだが、一部の品種では白色から紫紅色まで変化に富む[5]。生育には、やや乾燥気味の気候が適する。

ハナハッカ属の中では最も認知度の高い種で、精油の成分の1つにカルバクロールという化合物があり、樟脳に似た特有の香りを発する[6]マジョラム(スイート・マジョラム)によく似た香りや風味を持つが、オレガノのほうが強い[8]。生育する地方によって、芳香や草姿に変化がある[4]


  1. ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Origanum vulgare L. ハナハッカ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月14日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Origanum vulgare L. var. formosanum Hayata ハナハッカ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e 猪股 2012, p. 174.
  4. ^ a b c d e f g h 横 1996, p. 32.
  5. ^ a b c d e f g h i j k 耕作舎 2009, p. 32.
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 田中 1995, p. 104.
  7. ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 590. https://www.biodiversitylibrary.org/page/358611 
  8. ^ a b c d e f g h 主婦の友社 1995, p. 69.
  9. ^ a b c d NTS薬用植物辞典編集委員会 2016, p. 197.
  10. ^ a b c d e f g h i 堀田ほか 1989, p. 747.
  11. ^ a b c d 横 1996, p. 35.
  12. ^ 横 1996, p. 33.
  13. ^ a b c d 耕作舎 2009, p. 33.
  14. ^ a b c d e f g h i 学研パブリッシング 2015, p. 44.
  15. ^ a b c d e f g h 主婦の友社 2011, p. 263.
  16. ^ 武政三男『スパイス&ハーブ辞典』文園社、1997年1月、52-53頁。ISBN 4-89336-101-5 
  17. ^ 大澤俊彦「がん予防と食品」『日本食生活学会誌』第20巻第1号、2009年、11-16頁、doi:10.2740/jisdh.20.11 


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