饕餮とは? わかりやすく解説

饕餮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 04:35 UTC 版)

饕餮
饕餮文とうてつもん
各種表記
拼音 tāotiè
日本語読み: とうてつ
英文 Taotie
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饕餮(とうてつ、拼音: tāotiè)とは、中国神話怪物

概要

体はで、曲がった、人のなどを持つ。饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るの意である[1]。何でも食べる猛獣、という印象から転じて、を喰らう、という考えが生まれ、後代には魔除けの意味を持つようになった。

渾敦こんとん窮奇きゅうき檮杌とうごつとともに「四凶」の一つとされる。東方朔の『神異経』には「西南方有人焉、身多毛、頭上戴豕。貪如狼惡、好自積財、而不食人穀。強者奪老弱者、畏群而擊單。名曰饕餮。《春秋》言饕餮者、縉雲氏之不才子也。一名貪惏、一名強奪、一名凌弱。此國之人皆如此也」という記述がある。

饕餮文を蚩尤を表しているとする文献があることや、同じ炎帝の子孫とされていることから本来饕餮は蚩尤と同一の存在だったのではないかと考えられている[2]。また、『山海経』に登場する狍鴞(ほうきょう)という獣も饕餮と同一とされる[3]

歴史

代から代にかけて饕餮文とうてつもんと呼ばれる模様が青銅器玉器の修飾に部分的に用いられる。この頃の王は神の意思を人間に伝える者として君臨していた。その地位を広く知らしめ、神を畏敬させることで民を従わせる為に、祭事の道具であるこのような器具に饕餮文を入れたものとされる。良渚文化の玉琮には、饕餮文のすぐ下に王の顔が彫られたものも出土している。ただし、これらの装飾が当初から饕餮と呼ばれる存在の描写であったという証拠は何もなく、後世に饕餮文と呼ばれているだけである。そのため、中国考古学の専門家である林巳奈夫はこれを「獣面紋」と呼んでいる[4]

代には、の子である「竜生九子」の一つで、その五番目に当たるとされた。飲食を好むという。

出典

  1. ^ 鎌田正、米山寅太郎『新版 漢語林』(六版)大修館書店、1999年4月1日(原著1994-4-1)、1213頁。ISBN 4469031070 
  2. ^ 袁珂『中国神話・伝説大事典』大修館書店1999年、515,516頁。
  3. ^ 『中国神話・伝説大事典』617頁。
  4. ^ 林巳奈夫『神と獣の紋様学 ― 中国古代の神がみ』吉川弘文館、2004年7月1日、5頁。ISBN 4-642-07930-0 

関連項目


饕餮(とうてつ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 08:06 UTC 版)

メタルK」の記事における「饕餮(とうてつ)」の解説

最終話登場した組織生物兵器で、様々な動物細胞組み合わせて作り出した合成生物普段双頭の姿だが、人間血液を吸うと細胞活性化し悍ましい怪物の姿になる。生命力高く、体を両断されても瞬時再生して二対に分裂して襲いかかる組織幹部上条の家に隠されており、復讐のために現れ慶子たちに対し上条が自らの死と引き換え開放した。優のパンチ慶子硫酸による攻撃も効かず苦戦させるが、弱点人間兵器と同様であり、救援現れジェイソンにより大脳皮質細胞を体に打ち込まれ死亡した

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饕餮(とうてつ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 21:26 UTC 版)

とある科学の一方通行」の記事における「饕餮(とうてつ)」の解説

ナンバーズ悪霊「饕餮」を憑依させた兵器3つの機体の中で最も多い火力備えミサイルポッドガトリング砲砲身備えた角ばった胴体部に細い4肢が付いていて、機体下部ジェット飛行する素体強能力者で、ぬいぐるみ自分位置入れ替える転送能力リプレイス」。催眠によりマーカーぬいぐるみ思い込ませている。自分以外の物質同士入れ替え転移させることができ、マーカーとなる物を射出する機構のほか高初速砲などの火器搭載される。また、窮奇とは視覚連携している。

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饕餮(とうてつ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 19:55 UTC 版)

妖怪の飼育員さん」の記事における「饕餮(とうてつ)」の解説

中国四凶のひとつ。黒雲乗って移動し全てを喰らい尽く魔物と言われる炎神の子孫だとも言われており、火の属性持っている

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饕餮(トウテツ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 21:48 UTC 版)

瞳のカトブレパス」の記事における「饕餮(トウテツ)」の解説

四凶リーダー眼鏡をかけた厳つい老人の祅魔で、集めたデータをもとに戦う頭脳派パワータイプでもあり、リミッターを外すと筋骨隆々化け物へと変身し、目からはレーザービーム発射する荒九年に毒を与えた張本人窮奇と共に倉持家襲来する時生止めた伽羅王身体貫かれ死亡普段は「肆」クラスで、リミッターを外すと「弎」クラスになる。

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饕餮(タオティエ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 09:11 UTC 版)

ミリオン・クラウン」の記事における「饕餮(タオティエ)」の解説

揚子江より現れ天悠種。首から下は人間の姿に似ているが、鋼殻を思わせる堅牢な頭蓋と、獲物睨みつけるように光る左右6つ複眼、角のような形状をした頭上突起物特徴。海没大陸生息する王冠種蚩尤”の配下

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