毘沙門天とその神器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 20:14 UTC 版)
毘沙門天(びしゃもんてん) 声 - 沢城みゆき / 演 - 安藤彩華 七福神の1柱。外見は金髪ロングの女である。神器からは「姉様」など、様々な呼び名で呼ばれている。「歩く武器庫」と形容されるほど多くの神器で全身を武装しており、身に着けている物の一つ一つが神器である。現在の神器の名前には「巴」の一文字を入れる かつては「麻」の一族を率いていたが、ヤスミの亜種により堕ちてしまい互いに疑心暗鬼となって妖化した神器たちに取り込まれかける。兆麻の依頼を受けた夜トが妖を皆殺しにしたことで一命を取り留めるが、自分の子供同然の神器たちを殺した夜トを恨み、執拗に追い回している。夜トに神器を皆殺しにされて以来、その罪悪感から死霊を見捨てられず、見つけた死霊を片っ端から召し上げ神器にしている。彼女自身は神器を家族と考えているが、管理能力はあまり高くなく、長期間名前を呼ばれていない神器、即ち存在を無視されていることを気に病んでいる神器が相当数いることには気付いていない。暗黙の内に神器たちに笑顔を強要していたため、雪音には「地獄」、ひよりには「息苦しい」と言われるような関係になっていた。夜トと戦い敗北。夜トへの蟠りはまだ完璧に癒えてはないが己の愚かさを認め、反省し再び兆麻に道標になるよう頼む。少し脳筋である。 兆麻(かずま)/暦音(かずね) 声 - 福山潤 / 演 - 和田琢磨 毘沙門の神器。名は「兆」。眼鏡をかけた青年。毘沙門のことを「ヴィーナ」と呼ぶ。彼女の神器の中では最古参で、「麻」の一族唯一の生き残り。神器としての形状は桜の花のピアス。兆麻自身の戦闘能力は低いが、全ての神器を取りまとめ、個々の能力を最大限発揮させる(命中精度の修正、攻撃範囲の補佐)など、毘沙門の神器の中でも重要な役割を担っている。 雪音と同様「祝の器」として覚醒しており、神器になりたてのころはただの小さな釘のような形状で、境界も引けなかったが、当時から妖を察知する能力に長けていた。 「麻」の一族が全滅した事件により不和を極度に嫌い、「巴」の一族に暗に笑顔を強いて、不平不満を押し潰して逆に熟成させる環境を作ってしまう。ひより誘拐事件の際にそのことを知ったひよりから、彼女が「本当の家族のよう」と評する夜トとの違いを諭されたことで考えを改める。 夜卜の父親である術師を討つため夜卜に神器にしてもらうよう志願し、最初は断られるも最終的には神器として召し上げられ「暦」の名をもらう。その際の形状は日本刀と手袋やマフラーのような神衣で、日本刀は鞘と組み合わせることで弓として使うこともできる。 生前は「平野清次(ひらの きよつぐ)」という名前で、200年前の塩問屋の息子で、次男坊だったが家業を継ぐことになり、祝言を上げる直前に数え年19歳で実兄に絞殺された。 囷巴(くらは) 声 - 井上和彦 毘沙門の神器。名は「囷」。髭面の中年男性。ライオンの姿の騎獣となり、嗅覚によって敵を追跡する。毘沙門のことを「お嬢」と呼ぶ。初登場時の夜トとの戦いで右目を負傷し、眼帯を付けている。同じ神器の子供たちに懐かれている。 紝巴(きぬは) 声 - 佐藤奏美 毘沙門の神器。名は「紝」。ロングヘアーの女性。神器としての形状は長い鞭。夜トから雑魚呼ばわりされる。 紹巴(つぐは) 声 - 小澤亜李 毘沙門の神器。名は「紹」。メガネをかけた若い女性。神器としての形状は(毘沙門が初登場時に着用していた)裸ジャケット状の神衣。新人だが、毘沙門が中つ国を訪れる際に連れて(着て)行くため、同じく神衣となる先輩の神器・藍巴からいじめを受ける。 壱岐総合病院が襲撃された時に毘沙門と共に駆けつけるが螭器に触れられてしまい、精神の均衡を欠く。治療も虚しく自らの真名と生前の記憶を取り戻してしまい、妖と化したため兆麻に処分された。生前は「福原夕依(ふくはら ゆい)」という名の学生で、実家は蕎麦屋だった。友人と道を歩いている時に飛び降り自殺を図った男性と接触、巻き込まれる形で命を落としている。 秋巴(あきは) 声 - 高橋伸也 毘沙門の神器。名は「秋」。バーコード頭で丸眼鏡の小柄な中年男性。神器としての形状は小刀。囲碁が趣味。陸巴が放たれてからは薬師を務めている。 陸巴(くがは) 声 - 星野貴紀 毘沙門の神器。名は「陸」。色黒で鋭い目の男。植物に関する造詣が深く、薬師として毘沙門が飲む薬の調合を行う。その仕事の一環で中つ国に降りることはあっても基本的には高天原に残ることが多い。神器としての形状は天秤。 当代の毘沙門が荒ぶる武神としての名跡を汚すという考えで毘沙門の代替わりを狙い、さらに次の毘沙門の道標となるべく、野良と手を組み暗躍する。毘沙門を薬漬けにすることでその戦闘力を奪うとともに、ひよりを誘拐して夜トを高天原におびき出して毘沙門を殺させようと企む。「陸」の名で縛ったにもかかわらず術が効かないことから、別に主を持っているとも考えられるが、身体に他の文字は見当たらないなど謎が多い。後に「父様」にも「役(えだち)」の名で仕える野良だったことが判明する。 夜トと毘沙門が戦闘している間に弱い神器たちを面の妖を使役して大量に殺害、そのことを知った毘沙門により放たれる。その後、夜トを探すひよりの前に再び現れ、駆けつけた雪音を話術で翻弄するが敗北し、情報を聞き出す目的で天神から「斯(さく)」の名を与えられ拘束された。 藍巴(あいは) 声 - 東城日沙子 毘沙門の神器。頭にリボンを付けた長髪の女性。名は「藍」。神器としての形状は丈の長いスカート付きの西洋風の鎧。高い防御力を誇り毘沙門の神衣として半世紀一線で戦っていたが、今では後輩である紹巴にその役を奪われ高天原に居残りすることが多くなり、毘沙門の気を引こうとするもほとんど名を呼ばれなくなってしまったため、魔が差して紹巴をいじめているが、陸巴の薬でごまかしている。その薬のために陸巴の手先となり、呪を絡めた百杖や面の妖を使い、夜トを襲撃し彼が妖に気をとられて目を離した隙にひよりを捕らえるが、陸巴に利用されていたことを知り、兆麻とひよりを助け出す。その後、禊に耐えて皆と和解した。 嶺巴(みねは) 声 - タカオユキ 毘沙門の神器。名は「嶺」。死霊となって妖に襲われていたところを毘沙門に救われ神器となる。ただし、魂がそがれているため、まともな神器になることはできず、その形状も割れた鏡である。 鈴巴(すずは) 声 - 西山宏太朗 毘沙門の神器。名は「鈴」。園芸が趣味の短髪の少年。主の仇である夜トの存在を知らなかったため、雪音と友達になる。自分のことが見える一人の女性と出会うが、狭間の存在であるが故に毎年出会っては忘れられてしまう。その女性と春に桜を見る約束をしてから30年経っているが、未だその約束は果たされていない。毘沙門からも何年も名前を呼ばれておらず、その隙を陸巴につかれ、面で操られた妖に殺されてしまう。 刈巴(かるは) 声 - 明坂聡美 毘沙門の神器。名は「刈」。ポニーテールの少女。神器としての形状は回転式拳銃。高威力だが照準を合わせるのが苦手であるため、兆麻が零点規正している。 数巴(かずは) 声 - 明坂聡美 毘沙門の神器。名は「数」。幼い少年。神器としての形状は自動式拳銃。刈巴と共に銃担当をしているが、彼女と同様の癖があるため、兆麻の補佐もあり一線で戦っている。 靫巴(ゆぎは) 声 - 東内マリ子 毘沙門の神器。名は「靫」。神器としての形状は片刃の大剣。「線引き」が苦手で現世の物を斬りすぎてしまうため、兆麻が加減している。 瑠巴(りゅうは) 声 - 片貝薫 毘沙門の神器。名は「瑠」。和装の老人。神器としての形状は馬の柄の付いたステッキ状の仕込み刀。 道司(みちつかさ) 声 - 宮沢きよこ かつての毘沙門の神器「麻」の一族の一人にして先代の道標。名は不明。神器としての姿は虎。厳格な老女であり、神器である自身達を「法の番人」と称し、自身の判断に絶対の自信を持っていた。しかし一方で差別的な独断が顕著であり、釘の姿を取っていた当時の兆麻を「不吉」と称し、妖の察知能力を発揮した後も好意的には見ていなかった。また詢麻を始めとした前線に向かない神器にも蔑視的な態度を取っていた。 毘沙門の神堕ちした際に一族全員の禊を命じ、更に自身の判断を批判した詢麻を処刑するもヤスミは治らず、その結果一族を疑心暗鬼の魔とさせてしまい、自身を含め「麻」の一族は一線を越え妖へと堕ち果て、夜トの手によって斬られる結末となった。 詢麻(とうま) 声 - 種﨑敦美 かつての毘沙門の神器「麻」の一族の少女。名は「詢」。神器としての形状は鍋蓋。背丈は低いが兆麻の先輩として彼の指南役を担当し、祝の器を目指していた。しかし後に彼が前線に立つようになったため、一種の羨望を抱く立場となっていった。毘沙門が神堕ちした際に道司の対応を批判したことで毘沙門を刺した犯人として捕らえられ、兆麻の目の前で巨大な風穴に落とされ帰らぬ人となった。しかしその後毘沙門のヤスミが悪化したことにより、「麻」の一族は魔への堕落の一途を辿る。 七(なな) 古代、天に反旗を翻した祝の器。祝が「葬」ともいわれるようになった元凶の神器で、長い間封印され続けていた。左頬に十字の模様を刻んだ少女。「巴」の一族には加えられていない。天に対して激しい憎悪を抱いており、天を食い尽くすために毘沙門に協力することを決める。 七器としての形状は仮面付きの神衣と彎刀からなる分散型。さらにあらゆるものを喰らう蝗の群れを操る能力を持つ。ただし毘沙門に忠誠を誓う祝ではないため、現在の力は兆麻にも劣るとされる。
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