概要・区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 10:16 UTC 版)
大分弁は全体として中国方言や四国方言との共通性が目立ち、九州方言の中ではやや異質な方言であると言える。例えば、肥筑方言に特徴的な接続助詞「ばってん」、形容詞のカ語尾、終助詞「ばい」「たい」を使用しない(日田市などの西部を除く)。アクセントは外輪東京式アクセントである。 大分県の方言は、音韻や語法、文法の違いから、以下の5つの小区分を立てることができる。 東北海岸方言(国東半島東部) 南部海岸方言(津久見市南部~佐伯市の豊後水道沿岸部) 西部方言(日田市・玖珠郡の大部分・中津市山国町) 北部方言(1の地域を除く別府市以北) 南部方言(2の地域を除く大分市以南) このうち西部方言には肥筑方言との共通性が見られ、終助詞の「ばい・たい」、準体言助詞の「~つ(と)」が分布する。特に日田地方の方言(日田弁)は、逆接の接続詞「ばってん」の使用、「よい・ない」の2語の終止形のカ語尾、アクセント体系でも肥筑方言と共通する上、多くの語彙を共有する。 東北海岸方言と南部海岸方言は、音韻的な特徴が共通している。
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概要・区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 16:49 UTC 版)
三重県のほとんどの地域の方言は近畿方言に属する。名古屋弁などが属する東海東山方言との境界は揖斐川にあり、その東側にある桑名市旧長島町、木曽岬町は、尾張弁圏である。愛知県と比較して三重県の方言は、京阪式アクセントやワ行五段動詞のウ音便、断定助動詞「や」などの近畿方言的特徴を有する。三重県は東海3県として愛知県・岐阜県と一括りにされることが多いが、言葉の上では違っていることは、伊勢の人によく自覚されている。しかし伊勢にみられる「行かっせる」「見さっせる」や「言うてみえる」のような敬語表現には、尾張からの影響がみられる。 三重県は全体で一つの方言圏を成すわけではなく、大きく北三重方言と南三重方言に分かれ、その違いは大きい。北三重方言は旧伊勢国北・中部および旧伊賀国であり、南三重方言は志摩(鳥羽市・志摩市)およびこれより南西に位置する伊勢南部と、旧紀伊国に属する地域(東紀州)である。方言学者の楳垣実は、近畿方言を中近畿方言、北近畿方言、南近畿方言に分けており、北三重方言は中近畿方言に属するが、南三重方言は紀州弁および奥吉野方言とともに南近畿方言に属する。北三重のアクセントは典型的な京阪式アクセントであるが、南三重は各種の珍しいアクセントが分布する。北三重は敬語助動詞が盛んに使われるのに対し南三重は文末助詞による敬語を使う。北三重では進行形と完了形の区別をしないが南三重では区別する、などの違いがある。 さらに、それぞれ以下のように区画される。この区画名は、以下の説明でも用いる。 北三重方言北・中伊勢方言北伊勢方言 中伊勢方言 伊賀方言北伊賀方言 南伊賀方言 南三重方言志摩・南伊勢方言志摩方言 南伊勢方言 北牟婁方言 南牟婁方言 北三重と南三重の境界(北・中伊勢方言と志摩・南伊勢方言の境界)は、伊勢市と鳥羽市の境界から、伊勢市南部、度会郡中部を横断し、多気郡の南境を通るものと考えられる(従って南伊勢方言にあてはまるのはほぼ南伊勢町のみ)。志摩・南伊勢は北三重と南三重の中間的方言である。 伊賀は歴史的に京阪からの影響が強く、県内でもっとも京阪方言に近い方言である。伊勢と伊賀の間には布引山地があるため境界が明瞭であるが、伊勢と志摩の方言境界はそれほどはっきりしていない。北・中伊勢は伊勢平野が開けているため内部の方言差は生じにくいが、志摩・南伊勢は漁村としての性格からそれぞれの集落に独特の方言がみられる。また志摩には古い表現の残存が多くみられる。北牟婁方言は尾鷲市および北牟婁郡(度会郡に編入された大紀町錦を含む)の方言であり、南牟婁方言は熊野市および南牟婁郡の方言である。南牟婁方言では生物の存在にも「おる」ではなく「ある」を使うなど、和歌山県の方言と繋がりが深い。 各方言の主な違い 北伊賀南伊賀北伊勢中伊勢志摩・南伊勢北牟婁南牟婁アクセント京阪式 京阪式に似る 京阪式の変種内輪東京式 断定の助動詞や や、じゃ 進行相…てる …とる …よる …やる…やーる 完了相…てる …とる …たる…たーる 過去否定(書かなかった) 書かへんだ 書かなんだ 書かなんだ 書かんだ 書かなんだ書かんかった書かざった 書かなんだ 理由の接続助詞で、もんで、さかい で、もんで、(さかい) で、もんで、よって で、もんで、さかい、さか、よって
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概要・区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:18 UTC 版)
丹後弁のアクセントは東京式アクセントである。また、断定の助動詞に「だ」を用い、「違(ちご)うた」ではなく「違った」と言うようにワ行五段動詞の連用形が促音便になるなど、近畿中央部の方言との違いが大きい。一方で、中国地方、とりわけ山陰地方の方言との共通点があり、中国方言の「東山陰方言」に入れられる(東条操、都竹通年雄による)。東京式アクセントは中国方言の特徴であり、「だ」という断定の助動詞やワ行促音便は山陰方言の共通項である。このほか、丹後弁の特徴として、「赤い→あけぁあ」のような連母音融合の盛んなことや、「行きなる」のように尊敬の助動詞「なる」を用いることがある。 丹後内で東京式アクセントを用いるのは、京丹後市、伊根町、与謝野町、宮津市の橋北(与謝野町の北側)・吉津地区である。宮津市役所のある宮津地区や栗田地区以東では垂井式アクセントが用いられ、その境界は宮津市南東部を通っている。また、断定の助動詞の境も、はっきりと分かれるわけではないが、概ねこの境界の西側が「だ」、東側が「や」「じゃ」となる。この境界より東は近畿方言の系統である(舞鶴弁、丹波方言参照)。 丹後方言の内部も、京丹後市久美浜町とそれ以外の地域に分けられる。久美浜では、古代の「アウ」という連母音が「アー」に変化したものが残っており、主なものでは「…だらあ」(…だろう)や「かあた」(買った)などがある。この特徴は、但馬弁(その中でも但馬北部のもの)などの山陰方言に共通するものである。 京都府北部の方言区画(奥村三雄による) 京丹後市・伊根町・与謝野町・宮津市(北部・西部)…東京式アクセント。アイ→エァーあり。断定の助動詞「だ」。敬語「…なる」。この範囲が本項で扱う丹後弁。久美浜…アウ→アーあり。但馬北部的。 久美浜以外…アウ→アーなし。 宮津市南東部以東…垂井式アクセント。アイ→エァーなし(宮津・舞鶴の一部には若干あり)。断定の助動詞「や・じゃ」。宮津市の宮津・栗田・由良各地区、舞鶴市の北西部・大浦半島、福知山市旧大江町の大半…敬語「…なる・なある」。 舞鶴市大部分・福知山市・綾部市…敬語「…てや」。
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概要・区画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 00:23 UTC 版)
奈良県の面積は狭いが、北中部と南部(奥吉野)とで方言に大きな違いがあり、天辻峠・小南峠・伯母峰峠を境に北部方言(奈良弁)と南部方言(奥吉野方言)に大きく二分される。奥吉野は紀伊山地によって周囲との交通が隔絶されてきた地域であり、近畿地方にあって東京式アクセントを用いるなど、特殊な方言が育まれた。ただし現在では、マスコミの影響に加えて、ダム建設による住民移転や交通事情の改善、過疎化などから、方言は急速に変化している。 奈良県南北での主な違い北中部(奈良弁)南部(奥吉野方言)アクセント京阪式 東京式 連母音の融合稀 あり 1拍語の長音化あり なし 断定や じゃ、だ 過去推量降ったやろ 降っつろお 進行相と結果相の区別なし あり 待遇表現複雑 助詞待遇のみ 南部方言の中では十津川村と上・下北山村と大塔村・天川村で違いがある。なお野迫川村は北部方言に分類されるが、補助動詞待遇を持たないなど南部的な要素もあり、南部方言に含める説もある。以下は西宮一民による区画である。 南部方言(奥吉野方言)十津川方言 - 吉野郡十津川村 北山方言上北山方言 - 吉野郡上北山村 下北山方言 - 吉野郡下北山村 大塔・天川方言大塔天川方言 - 五條市旧大塔村・吉野郡天川村 洞川方言 - 吉野郡天川村洞川
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