東京式アクセントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 東京式アクセントの意味・解説 

とうきょうしき‐アクセント〔トウキヤウシキ‐〕【東京式アクセント】

読み方:とうきょうしきあくせんと

東京語アクセント体系東京中心に関東西部から中部地方中国地方北海道から東北北部などの広い地域見られるアクセント核有無や、有る場合にはその位置が語によって異なる。平板型の「はし○(端)」、頭高型の「は↓し(箸)」、尾高型の「はし↓()」など。→京阪式アクセント一型アクセント


東京式アクセント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 07:21 UTC 版)

東京式アクセント(とうきょうしきアクセント)または乙種アクセント(おつしゅアクセント)、第二種アクセント(だいにしゅアクセント)とは、日本語アクセントの一種であり、北海道東北北西部、関東西部・甲信越東海岐阜県の一部と三重県の大半を除く)、奈良県南部、近畿北西部・中国地方四国南西部、九州北東部で用いられるアクセントを言う。高低アクセントで、音の下がり目の位置を弁別する体系である。標準語共通語のアクセントを含む。


注釈

  1. ^ この点は異論もある。「鼻」より「花」の方が2拍目が相対的に高くなるとも言われる。
  2. ^ 大半の地域で、第一類・第二類・第三類が統合して○型になっており、第四類・第五類が○型である。福岡市の博多地区や糟屋郡では、第一類・第二類のうち第二音節が狭母音を持つものは○型で第四類・第五類に合流し、第一類・第二類のうち第二音節が広母音のものと第三類が○型。飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編(1983)『講座方言学9九州地方の方言』国書刊行会、p.71-p.72。
  3. ^ 東京・前橋・川越・平塚・甲府・静岡・岡山・山口。広島は、これらと同様の場合と、一類が「にわが」(上昇なし)の場合とある。名古屋も東京などと同様の場合と、一類が「にわ」の場合とある。
  4. ^ 高年層は「あぇが」を保つ。

出典

  1. ^ 上野(1989)
  2. ^ 猪塚元、猪塚恵美子(2003)『日本語音声学のしくみ』研究社、p.175-p.179
  3. ^ a b 平子(2017)。
  4. ^ 金田一(1977)
  5. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』p.244
  6. ^ a b 平山輝男ほか編(1997)『山形県のことば』明治書院、p.12-p.14
  7. ^ a b 大島一郎(1957)「新潟県境に接する福島県西部方言アクセントの研究」『音声の研究』8号(井上史雄ほか編(1994)『東北方言考 2 (岩手県・宮城県・福島県)』ゆまに書房〈日本列島方言叢書 3〉収録 )
  8. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』p.306-p.307
  9. ^ a b 佐藤武義(1995)『概説日本語の歴史』朝倉書店、p.249-p.250
  10. ^ 金田一(2005)、70-81頁。
  11. ^ a b 亀井孝・大藤時彦・山田俊雄編『日本語の歴史 5 近代語の流れ』平凡社、2007年、140-141頁。
  12. ^ a b 井上史雄ほか編(1996)『日本列島方言叢書17 近畿方言考5 兵庫県』p.11-p.13
  13. ^ 山口(2003)、p.170
  14. ^ 山口幸洋「東京式諸方言の文節アクセント体系」
  15. ^ 平山輝男ほか編(2005)『新潟県のことば』明治書院、p.17-p.20
  16. ^ 飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編(1982)『講座方言学 4 北海道・東北地方の方言』 国書刊行会、p.164-p.167
  17. ^ 金田一春彦『金田一春彦著作集第七巻』p.487
  18. ^ 奥村三雄「国語アクセント史の一問題:出雲方言のアクセントを中心に」藤原与一先生古稀御健寿祝賀論集刊行委員会編『方言学論叢Ⅱ 方言研究の射程』三省堂、1981年。
  19. ^ 平子達也、「日本語アクセント史の再検討:文献資料と方言調査にもとづいて」学位論文:甲第18719号 2015年, doi:10.14989/doctor.k18719, 京都大学。
  20. ^ 平子達也(2021)「出雲方言アクセントの分布と歴史:2拍名詞4類と5類のアクセントをめぐって」筑紫日本語研究会『筑紫語学論叢3:日本語の構造と変化』風間書房。
  21. ^ a b c 山口幸洋「準二型アクセントについて」
  22. ^ 中條修(1983)「静岡県の方言」飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編『講座方言学 6 中部地方の方言』、国書刊行会、p.159。
  23. ^ 金田一(2005)、p.360-p.361。
  24. ^ 平山輝男ほか編(1997)『福岡県のことば』明治書院、p.19-p.21
  25. ^ 『岩波講座日本語11方言』、168頁。
  26. ^ a b c 佐藤亮一ほか編(1997)、70頁。
  27. ^ 森下喜一「鳥取県」佐藤亮一編(2009)『都道府県別全国方言辞典』三省堂。
  28. ^ 平山輝男ほか編(1998)『日本のことばシリーズ 34 広島県のことば』明治書院、p.25-p.30。
  29. ^ 佐藤亮一ほか編(1997)、77頁。
  30. ^ 金田一春彦(1977)「アクセントの分布と変遷」大野晋・柴田武編『岩波講座日本語11 方言』岩波書店 p153
  31. ^ 平山輝男『日本のことばシリーズ 31 鳥取県のことば』明治書院、1998年、p.16-p.17。
  32. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』p.284
  33. ^ 柳田征司(2010)『日本語の歴史1方言の東西対立』武蔵野書院、p.164-p.165。
  34. ^ 平山輝男「全日本の発音とアクセント」NHK放送文化研究所編『NHK日本語発音アクセント辞典』日本放送出版協会、1998年4月。
  35. ^ 上野善道(1977)「日本語のアクセント」大野晋・柴田武編『岩波講座日本語5 音韻』岩波書店。
  36. ^ 北原保雄監修、江端義夫編集『朝倉日本語講座10 方言』朝倉書店、2002年、64頁。
  37. ^ 杉藤編『講座日本語と日本語教育2 日本語の音声・音韻』202頁、注1。
  38. ^ 沖森ほか(2017)『日本語の音』朝倉書店 p68
  39. ^ a b 柳田征司(2010)『日本語の歴史1方言の東西対立』武蔵野書院、p.136-p.140
  40. ^ 金田一春彦『金田一春彦著作集第七巻』p.376, p.377, p.412
  41. ^ 秋永一枝(2009)『日本語音韻史・アクセント史論』笠間書院、p.92、表3
  42. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』p.14
  43. ^ 金田一春彦『金田一春彦著作集第七巻』p.234
  44. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』p.15
  45. ^ 金田一春彦「東西両アクセントの違いができるまで」
  46. ^ 奥村三雄「第二章 古代の音韻」中田祝夫編(1972)『講座国語史2音韻史・文字史』大修館書店
  47. ^ 山口幸洋『日本語東京アクセントの成立』巷の人,2003


「東京式アクセント」の続きの解説一覧

東京式アクセント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 09:10 UTC 版)

日本語の方言のアクセント」の記事における「東京式アクセント」の解説

詳細は「東京式アクセント」を参照 東京式アクセントが分布するのは、北海道東北北部関東西部甲信越東海三重県除く)、奈良県南部近畿北西部中国地方四国西南部、九州北東部である。東京式アクセントは、大きく内輪東京式、中輪東京式外輪東京式分けられるそれぞれ内輪式、中輪式、外輪式とも言う)。内輪式は名古屋岐阜岡山北近畿など京阪神に近い地域分布し、その外側の西関東広島などに中輪式、さらに外側長野県北信新潟県中越・大分などに外輪式分布する東京方言場合、2拍名詞第1類は「うしが」、第2・3類は「いしが」、第4・5類は「いとが」と発音する。これらはそれぞれ抽象化する○○型、○○型、○○型と表される。東京式アクセントでは、下げ(○)がどこにあるかが弁別される。東京式各タイプの、各類のアクセント型次のとおりである。 東京式アクセント 語例内輪中輪外輪1拍名詞第1類・子・血○ 第2類名・・日○ ○ 第3類木・手・目○ 2拍名詞第1類牛・風・鳥○○ 第2類石・音・紙○○ ○○ 第3類足・犬・山○○ 第4類糸・笠・空○○ 第5類・春○○ 2拍動第1類行く・着る○○ 第2類有る・見る○○ 東京方言句音調は1拍目と2拍目の間に上昇があるが、地域により他のパターンもある。北奥羽方言では3拍以上の語で「おとこ」「みずうみ」のようにアクセント核直前上昇する名古屋岐阜では「ともだち」のように2拍目の直後上昇する上記の他、東京式はいくつかの変種アクセントがある。北海道および北奥羽方言三陸沿岸を除く)では2拍名詞○○型が少なく秋田県山形県庄内最上地方新潟県阿賀野川以北などでは、2拍名詞4・5類のうち2拍目に広母音(a、e、o)を持つもの(「雨」など)は○○型で、狭母音(i、u)を持つもの(「春」など)のみ○○型となる傾向がある。岩手県南部宮城県北部では2拍名詞1・2類が○○型なのは外輪東京式同じだが、第34・5類が○○型で、○○型がない。福岡県筑前地方では○○型と○○型のみで○○型がない。 島根県出雲市大社町付近では、2拍名詞第4類のほとんどは○○型(ただし2拍目に狭母音[i、u]を含む場合助詞付きでは「まつが」のように高い部分助詞へ移る)であるが、第5類のうち2拍目に狭母音を含む場合○○型となる傾向がある。部分的に第4類第5類区別あるようにも見えるが、見かけ上の区別である可能性もある。 岡山県備前市日生町寒河は、2拍名詞第1類○○型、第2・4・5類が○○型、第3類○○型である。東京式に近いが、第1類2類3類区別をもつ点が珍しい。また新潟県村上市の旧三面村三面山形県鶴岡市旧東田川郡大泉村大鳥も、同様の類別体系を持つ。 「大鳥方言・三面方言#アクセント」も参照

※この「東京式アクセント」の解説は、「日本語の方言のアクセント」の解説の一部です。
「東京式アクセント」を含む「日本語の方言のアクセント」の記事については、「日本語の方言のアクセント」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「東京式アクセント」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「東京式アクセント」の関連用語

東京式アクセントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



東京式アクセントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの東京式アクセント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本語の方言のアクセント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS