各タイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 14:04 UTC 版)
丸亀式では、動詞・形容詞に観音寺式との違いがある。観音寺・丸亀式に近いアクセント(まとめて「西讃アクセント」と呼ぶ)は、香川県の西半分と、県東部の旧白鳥町・旧大内町・旧津田町、徳島県北西部、愛媛県新居浜市付近に分布している。 高松式アクセントは、香川県東部に分布する。高松式では、西讃アクセントで●●のものが○●になっており、●●●は○●●に、●●○は○●○になっている。つまり、語頭を高く発音する単語が、第一拍の低下を起こしている。その中で、○●と○○は区別されている。また、西讃アクセントで●○、●○○のもののうち、二拍目に広母音(a、e、o)があるものは、高松式では●○が○▼になり●○○が○▼○または○●○になり、高音部が一拍後ろに移動している。 土庄式アクセントは、小豆島の土庄町小瀬、土庄町長浜などに分布し、土庄町大部もこれに近い。下がり目の後退が起きており、例えば小瀬では、平安期京都の●○が●▼になり、●○○が●●○になり、○●○が○○▼になっている。ただし一拍名詞二類は例外で、また平安期京都の●●○は変化していない。 塩飽本島式は、本島と粟島に分布し、小豆島の旧内海町苗羽もこれらに近い。二拍名詞では1類と3類と5類が統合して「○●(○)」になっており(カッコ内は助詞。例:とりが)、同じようなアクセントは愛媛県四国中央市から徳島県旧山城町にかけてと、徳島県一宇村にも分布する。直島式は直島だけに分布し、最も特殊なアクセントになっている。 下図は一拍名詞と二拍名詞のアクセントである。カッコ内は助詞である。 品詞・拍数類語例観音寺市・丸亀市高松市土庄町小瀬塩飽本島直島一拍名詞一類血・戸●(●) ○(●) ●(●) ○(●) ●(○) 二類名・葉●(○) ●(○) ●(○)、●(●) ●(○) ●(○) 三類木・手○(○) ●(○) 二拍名詞一類鳥・庭●●(●) ○●(●) ●●(●) ○●(○) ○●(●) 二類石・音●○(○) ○▼(○)、●○(○)※ ●▼/●●(○) ●○(○) 三類犬・山●●(●) ○●(●) ●●(●) ○●(○) ○●(●) 四類空・松○○(○) ○●(●)、○●(○)※ 五類雨・猿○●(○) ○▼(○) ○○(▼) ○●(○) ●○(○) ※前者が二拍目に広母音を持つ場合、後者が二拍目に狭母音を持つ場合。 動詞や形容詞では、次のように、類推や音韻条件によって変化しているものがある。 品詞・拍数類語例観音寺市高松市二拍動詞一類売る・着る●● ●○ 二類書く・見る○○ 五段○○、一段●○ 三拍動詞一類上がる・捨てる●●● ○▼○ 二類動く・起きる五段●●●、一段○○○ ○●● 三拍形容詞一類赤い●○○ ○▼○ 二類白い●○○ ○●●
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