放射性崩壊とは? わかりやすく解説

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ほうしゃせい‐ほうかい〔ハウシヤセイホウクワイ〕【放射性崩壊】

読み方:ほうしゃせいほうかい

放射性元素原子核が、自然に粒子電磁波放出して、他の原子核に変わる現象α崩壊β崩壊γ崩壊知られる放射性壊変放射壊変原子核崩壊

「放射性崩壊」に似た言葉

放射性崩壊

英訳・(英)同義/類義語:radioisotope decay

放射性同位元素放射線出して崩壊し別の元素になること。
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現象や動作行為に関連する概念:  接着因子  放出  放卵  放射性崩壊  日周期活動  日和見感染  明順応

放射性崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/08 07:59 UTC 版)

放射性崩壊(ほうしゃせいほうかい、: radioactive decay)または放射性壊変(ほうしゃせいかいへん)、あるいは放射壊変(ほうしゃかいへん)とは、構成の不安定性を持つ原子核放射線α線β線γ線)を出すことにより他の安定な原子核に変化する現象の事[注 1]。放射性物質が放射線を出す原因はこの放射性崩壊である。


注釈

  1. ^ 放射性崩壊は、E. Rutherford and F. Soddy(1903)において初めて導入されたと言われる。
  2. ^ 質量数(原子核を構成する陽子の数と中性子の数の和)の比較的小さい(約80以下)放射性原子は、ほとんどすべてベータ崩壊によって安定した原子に近づこうとする。[1]
  3. ^ 例えば、質量数238のウランの半減期は44億6800万年であるのに対して、質量数239のウランの半減期は23.5分である。たった1つ中性子の数が異なるだけで、これほど大きな違いが生じるのである。
  4. ^ 質量数115のインジウムの半減期は441兆年、質量数149のサマリウムでは2,000兆年である。質量数209のビスマスは、2003年まではもっとも重い放射能を持たない核種として知られていたが、これは1.9×1019(1,900京)年に及ぶ半減期の放射性核種であると認められた。これらの極端に長い半減期を持つ核種は学術上、放射性物質に分類されるが、実質的には安定したものと考えて差し支えない。
  5. ^ 超ウラン元素の分野では、1秒に満たない半減期の核種が多数を占める。例えば質量数266のマイトネリウムの半減期は0.0034秒、質量数267のダームスタチウムの半減期は0.0000031秒である。簡単に言うならば、あまりにも原子核が大きくなりすぎて、その結合を保っていられる期間がこの程度の長さしかないということである。
  6. ^ ウランやプルトニウムなどは最終的に放射能のないに到達するまでには約20回もの崩壊を経由せねばならず、全量が鉛となるまでの総時間は、現実的な思考の及ぶ範囲を超える長さである。

出典

  1. ^ マルコム-ローズ(1981) p.2
  2. ^ マルコム-ローズ(1981) p.6
  3. ^ Gamow(1928)及び R. W. Gurney, E. U. Condon (1929), Quantum Mechanics and Radioactive Disintegration 
  4. ^ K・ホフマン著, 山崎正勝, 小長谷大介, 栗原岳史 『オットー・ハーン : 科学者の義務と責任とは』シュプリンガー・ジャパン〈World physics selection : biography〉、2006年、32-33頁。ISBN 4431712178NCID BA78602435https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008312468-00 
  5. ^ 原子核工学(1955) p.23
  6. ^ 社団法人電気学会編、『発電・変電 改訂版』、オーム社、2000年6月30日第2版第1刷、ISBN 4886862233、206頁。
  7. ^ J.E.BRADY・G.E.HUMSTON著 『ブラディ一般化学 下』若山信行・一国雅巳・大島泰郎訳、東京化学同人、1992年、863から864頁。ISBN 4-8079-0348-9
  8. ^ 安斎育郎 『放射線と放射能』ナツメ社〈図解雑学 : 絵と文章でわかりやすい!〉、2007年。ISBN 9784816342554NCID BA80499168https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008430806-00 


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放射性崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:27 UTC 版)

トンネル効果」の記事における「放射性崩壊」の解説

放射性崩壊とは不安定原子核粒子エネルギー放出して安定原子核へと変化する過程である。この過程粒子原子核内から外へトンネリングすることにより生じている(電子捕獲場合電子は外から内へトンネリングしている)。量子トンネル初め適用された例であり、初めての近似でもある。放射性崩壊は宇宙生物学上も重要である。ハビタブルゾーン外で日光十分に届かない領域(たとえば深海底)で生物長期間渡って生存できる環境が放射性崩壊、ひいては量子トンネリングによって実現される可能性指摘されている。

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放射性崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 05:14 UTC 版)

ガンマ線」の記事における「放射性崩壊」の解説

放射性核種崩壊して質量陽子中性子比率変わっても、その原子核には過剰なエネルギー残存している場合がある。このとき、残存しているエネルギーガンマ線として放出することで原子核安定に向かう。この現象ガンマ崩壊と呼ぶ。放出するガンマ線エネルギー領域核種によって様々である。核種によっては単一領域ガンマ線しか出さないものもあるが、一般的には複数領域ガンマ線を出す。同じ元素でも、同位体によって現象は下の例のように異なる。 81Kr この核種は 275.988 keV の1領域のみ放出。 88Kr この核種は最低 27.513 keV、最高 keV88領域放出割合で多い順から3種挙げると、2392.11 keV(34.6 %)、196.301 keV (25.98 %)、2195.842 keV (13.18 %) である。

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放射性崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:23 UTC 版)

ヨウ素131」の記事における「放射性崩壊」の解説

安定同位体ヨウ素127含まれる中性子数は74であるが、放射性同位体ヨウ素13178個の中性子を含む。ヨウ素131半減期は 8.02 日で、大部分(89 %)がベータ崩壊およびガンマ崩壊起こりキセノン131(安定同位体)へと推移する第一段階ベータ崩壊によって励起状態キセノン131変化し、これが直ちガンマ崩壊起こして安定状態キセノン131となる。このときに放出されるエネルギー総量は 971 keV である。 53 131 I → β + ν e ¯ + 54 131 X e ∗ {\displaystyle {^{131}_{53}\mathrm {I} }\rightarrow \beta +{\bar {\nu _{e}}}+{^{131}_{54}\mathrm {Xe} ^{*}}} + 606 keV 54 131 X e ∗ → 54 131 X e + γ {\displaystyle {^{131}_{54}\mathrm {Xe} ^{*}}\rightarrow {^{131}_{54}\mathrm {Xe} }+\gamma } + 364 keV 第一段階生じ崩壊エネルギー248 - 807 keV幅広いが、最多606 keV である(崩壊89 %)。ベータ崩壊伴って同時に生じ反ニュートリノエネルギー運び去るため、この場合ベータ線平均エネルギー190 keV となる。 ベータ線は高いエネルギーを持つため、人体照射されると 0.6 – 2mm 体内進入する

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