しじ‐りょうほう〔シヂレウハフ〕【支持療法】
支持療法
支持的治療(支持療法)(しじてきちりょう)
支持療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/09 03:06 UTC 版)
支持療法(しじりょうほう、supportive care)とは、がんなどのような重篤な疾患や生命を脅かすような疾患を抱えている患者の生活の質を改善するために行われる治療、ケアのこと[1]。例えば、口腔機能管理[2]などが該当する。
もしくはその疾患の治療時に処方される抗がん剤等による副作用を軽減するために行われるもの[3][4][5][6][7]。一般には、疾患の症状、疾患の治療による副作用、ならびに疾患やその治療に関係した心理的、社会的、精神的な問題を軽減することである[8]
脚注
- ^ 大野智, 住吉義光「がんの補完代替医療ガイドブック」『日本補完代替医療学会誌』第3巻第3号、日本補完代替医療学会、2006年、83-88頁、doi:10.1625/jcam.3.83、ISSN 1348-7922、NAID 130000079394。
- ^ 山田慎一「がん支持療法としての口腔機能管理の有効性」『信州医学雑誌』第67巻第5号、信州医学会、2019年、279-288頁、doi:10.11441/shinshumedj.67.279、hdl:10091/00021675、ISSN 0037-3826、NAID 130007741983。
- ^ 大野智、住吉義光、『がんの補完代替医療ガイドブック (PDF) 』 厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班 2006年4月。
- ^ 三島江津子, 岡戸洋, 加藤さおり, 櫛原秀之, 黒田純子, 榊原隆志, 首代みどり, 鈴木厚志, 松岡加恵, 宮坂朋恵, 渡辺法男, 横田学, 板倉由縁, 鈴木照美, 斉藤寛子「入院患者における抗がん効果を期待した健康食品の有効性についての文献調査 : 愛知県病院薬剤師会オンコロジー研究会の取り組み」『医療薬学』第35巻第6号、日本医療薬学会、2009年6月、403-408頁、doi:10.5649/jjphcs.35.403、ISSN 1346342X、NAID 10025973519。
- ^ SLIVA, DANIEL (2010). “Medicinal mushroom Phellinus linteus as an alternative cancer therapy”. Experimental and Therapeutic Medicine 1 (3): 407–411. doi:10.3892/etm_00000063. ISSN 1792-0981. PMC 3445909. PMID 22993555 .
- ^ Immunoregulatory Effect of Mesima (R) as an Immunotherapeutic Agent in Stage III Gastric Cancer Patients after Radical Gastrectomy. J Korean Cancer Assoc.1997 Jun;29(3):383-390
- ^ Yong Ho Ku, KMD, PhD, Jae Hui Kang, KMD, PhD, Hyun Lee, KMD, PhD,."Effects of Phellinus linteus extract on immunity improvement: A CONSORT-randomized, double-blinded, placebo-controlled trial". Medicine (Baltimore).2022 Aug 26; 101(34): e30226, PMID 36042633
- ^ 支持療法 国立がん研究センター「がん情報サービス」
支持療法
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輸血白血球除去赤血球を輸血する。頻回輸血する場合はデフェロキサミンを投与してヘモジデローシスを予防する。血小板は出血傾向が出なければ輸血しない。 造血因子G-CSFを投与する。
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支持療法
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「化学療法 (悪性腫瘍)」の記事における「支持療法」の解説
がんなどのような重篤な疾患や生命を脅かすような疾患を抱えている患者の生活の質を改善するために行われる治療、ケアのことを支持療法という。疾患の治療で出てくる副作用を軽減するために行われるものもある。 一般的に、その目的は、疾患の症状もしくは疾患の治療による副作用、または疾患やその治療に関係した心理的、社会的もしくは精神的な問題を軽減することである。 感染症の支持療法 発熱性好中球減少症では感染症の進行が急激であり、また典型的な身体所見が欠如することもしばしば認められる。カリニ肺炎などの予防目的としてST合剤を予防投与したり、抗真菌薬シロップを用いることもある。 骨髄抑制の支持療法 原理的には、全ての化学療法の投薬は免疫系の抑制を引き起こし、骨髄機能を麻痺させ赤血球や血小板などの血液細胞(血球)を減少させる。赤血球や血小板の減少は、生じたとしても輸血により補うことができる。好中球減少症(Neutropenia; 好中球が 0.5 × 109/リットル以下に減少)は合成G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子 granulocyte-colony stimulating factor)で補える。 場合によっては投薬により重篤な骨髄抑制が発症し、造血幹細胞(血球の幹細胞)が破壊される。それは他者あるいは自己からの造血幹細胞移植が必要になることを意味する。自己移植(自己骨髄移植または自己末梢血幹細胞移植)は治療前に患者から取り出した造血幹細胞を培養し、化学療法後に再度注入する方法である。他者からの同種造血幹細胞移植はドナー探しが必要となる。患者によっては骨髄障害によって病状が進行する場合もある。 重篤な骨髄抑制を防ぐために多くの化学療法で骨髄抑制の強さは回復可能なレベルに保たれている場合が多い。末梢血中の好中球の寿命は約8時間であり、白血球数は化学療法試行後7~14日で最低値となる場合が多く、ナディア(nadir)期といわれる。血小板の寿命は約7日であり、血小板減少は化学療法後約1週間から出現し2~3週でナディアになる場合が多い。赤血球の場合は寿命が120日と長いため貧血は数週から数か月で緩徐に発現する場合が多い。 消化器症状の支持療法 口内炎 化学療法による粘膜障害や感染によって難治化しやすい。化学療法を行う場合は口腔内ケアを行い、また極端に熱いものの摂取を控える。 嘔吐 延髄に存在する嘔吐中枢(VC)は嘔吐に関連した反応を制御する反射中枢である。延髄にあるCTZにドパミン、セロトニン、アセチルコリン、サブスタンスPのレセプターがあり、この部位も化学療法の嘔吐に関与するとされている。化学療法による嘔吐は3つの機序が提唱されており、基本的には発症時期で分類する。acute emesisは抗がん剤投与開始から1時間~24時間以内に起こる嘔吐である。シスプラチンによるものが有名である。CMZの5-HT3受容体や消化管壁の5-HT3受容体の刺激によって起こると考えられている。5-HT3受容体拮抗薬(ドラセトロン (dolasetron)、グラニセトロン 、オンダンセトロン)が使用される。デキサメタゾンを併用することもある。late emesisは抗がん剤投与から24~48時間ごろより始まり5日ほど持続することもある嘔吐である。機序は不明であるがセロトニンの関与は薄く5-HT3受容体拮抗薬は効果が薄い。通常はメトクロプラミドやデキサメタゾンを用いて対処することが多い。anticipatory emesis(予測性嘔吐)は前回の化学療法の悪心コントロールが不良であった場合に起こりやすい、化学療法投与前に出現する嘔吐である。精神的要因が大きく、大脳皮質がVCを刺激するためと考えられている。ロラゼパムやアルプラゾラムの投与によって軽快する。補完代替療法]を組み合わて行うことで抗がん剤の副作用が軽減するという報告もある。 下痢 下痢の機序は2つ考えられている。化学療法当日に出現する早発性下痢は、抗がん剤によって自律神経が刺激され蠕動が亢進する結果起こるコリン作動性の下痢である。化学療法後数日~2週間程度で起こる遅発性下痢は消化管粘膜障害によるものである。この場合は好中球減少の時期と重なるため感染症に注意が必要である。下痢に関してはロペラミドを用いることが多い。 腫瘍崩壊症候群 重症リンパ腫のような重篤な腫瘍の場合、患者によっては悪性腫瘍細胞が急速に崩壊し、腫瘍崩壊症候群を発症する。腫瘍崩壊症候群は治療しないと致命的な危険な副作用である。メイロンによる尿のアルカリ化大量輸液を行うことが多い。 癌性疼痛 詳細は「緩和医療」を参照
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