塾訓とは? わかりやすく解説

塾訓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/29 01:08 UTC 版)

学校法人慶應義塾」の記事における「塾訓」の解説

天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず慶應義塾大学東館刻まれているラテン語書かれ福澤の言。なお、三田キャンパス・ステンドグラスにも同文明記されている 独立自尊 従来日本門閥制度官僚主義良しとせず、欧州において政府から独立した中産階級(「ミッヅルカラッス」)が国家牽引し発展させるあり方独立国モデル見た福澤は「一身独立なくして一国独立なし」と論じ、まずは各人独立を旨とし、塾訓とした。 実学精神 「常に学問の虚に走らんことを恐」れた福澤慶應義塾理念として掲げた指針。これは「実際に役に立つ学問の意味である誤解されがちであるが、福澤単なる知識終わらず物事本質理念仕組み理解した上で体得する学問のことを指している。どうやら福澤意図したもの今日に言う「科学」のことであることは、「実学」の語に「サイヤンス」とルビ振っていることからも分かる。「役に立つことを主眼に置く学問」が実学見なされることが多く今日その意味でも流通しているが、福澤は、新し事物事柄表層だけをなぞって実際的な利便だけを追求する学問については、特に語学工学勉学における失敗例挙げながら、こうしたものを軽薄な虚学として福澤退けている。こうした基礎学力がないとどんな知識もものにならないとの考えから福澤学びの手順を明確に示しており(「学問目的爰に定め、其術は読書を以て第一歩とす。而して其書は有形学及び数学より始む地学窮理学化学算術等、是なり。次で史学経済学、脩身学等、諸科の理学に至る可し。何等事故あるも此順序を誤る可らず」)、この考え方慶應義塾だけではなく近代日本学制制定大きく影響している。他に建学理念に「実学」をうたう大学数多くあるが、英吉利法律学校(現・中央大学創立者増島六一郎と共に馬場辰猪福澤門下前身である三菱商業学校明治義塾にて教育)、商法講習所(現・一橋大学創設に際して福澤森有礼助力)、東京専門学校(現・早稲田大学創立に際して矢野文雄助力)には福澤間接的影響があり、今日でも残っている例である。 半学半教 ある程度学び修めた者が後生教え学び合い教え合う理念であり制度私塾としての財政圧迫救い塾生学費低く抑えるねらいがあった(「社中素より学費乏しければ、少しく読書上達したる者は半学半教の法を以て今日に至るまで勉強したことなり。此法は資本なき学塾に於て今後も尚存す可きものなり」)。やがて社中協力重要な理念として残ってゆく。塾中先生呼ばれるのは福澤諭吉一人で、塾生教員義塾社中を、正式行事に際して時にはニックネーム的に、みな互いに「〜君」と呼び合う習慣はここに発しており、今日残っている。同時に卒業者教員学び続けるのをやめてはいけないと釘を刺す訓辞でもある(「然るに年月沿革に従ひ、或は社中教師たる者、教場忙しき迫られ、教を先きにして学を後にするの弊なしと云う可からず。方今世上有様察するに、文化日に進み朋友の間にても三日見ずして人品異にする者尠なしとせず。斯る時勢最中居て空しく一身進歩怠る学者のために最も悲しむ可きことなり故に今より数年の間は定めて半学半教の旨を持続せざる可らず」)。 社中協力 元々慶應義塾経営難に際して資金調達するために苦肉の策として作った結社としての制度であり、一私塾法人化するきっかけともなった当時福澤は「会社」と命名)。これが教員塾生、塾員を慶應義塾社中として助け合い協力するという理念発展した。これは、たびたびに渡る慶應義塾廃学危機を救うと共に日本中の大学同窓組織作る先駆的なとなった一貫教育 慶應義塾では幼稚舎から大学大学院に至るまで一貫教育行っており、義塾自身もこの一貫教育という手法を自らの特徴として位置づけている。慶應義塾小学校中学校高等学校大学大学院の各段階相当する学校複数設置しており、特に小学校から高等学校に至る各学校を「一貫教育校」と呼んでいる。これら一貫教育校では、全員慶應義塾大学進学することを前提としたカリキュラムにより教育が行われており、大学受験指導などは一切行われていない。そして、ひとたび一貫教育校入学すれば、高等学校の課程一定の成績得たうえで卒業することを条件に、全員無試験慶應義塾大学進学することができる(「塾内進学」、あるいは「内部進学」という。)。大学の各学部学科には塾内進学者の定員設けられており、進学希望者の数がその定員オーバーし場合には、当該進学希望者の学業成績順で入学者決定される。そのため、成績足りないという理由希望学部学科進学できない者もいる。その場合は、空きのある第2志望以下の学部学科入学することになる。なお、必ず慶應義塾大学進学しなければならないという制約はなく、推薦辞退したうえで他大学受験することは可能である(医学部進学希望者は慶應義塾大学への推薦入学留保したまま他大学医学部受験できるなど、一定の例外はある。詳細は各一貫教育校ホームページ参照のこと。)。 塾生皆泳 慶應義塾には『塾生皆泳』という言葉があり、「泳ぐ技能身につけることが、人として備えるべき重要な素養のひとつである」という水泳教育の理念がある。塾生水泳技術を身につけ、泳げないことが理由命を落としたり、溺れている人を救えないことがないように、というのがその教えである。

※この「塾訓」の解説は、「学校法人慶應義塾」の解説の一部です。
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