侵蝕者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 00:18 UTC 版)
ヴェスター 声:松山鷹志 デュルクハイム少将ルードヴィッヒの協力者として近付き、召喚術を広める謎の男。脚本家を自称し、各国に肩入れしては召喚術や様々な技術を提供し、更にはクレヴァニールたちを駒と呼ぶ、気障で嫌味で傲慢な性格。レジーナやディクセンを殺害し、過去にはクレヴァニールの故郷を滅ぼすなど、物語の裏で暗躍する。見たこともない魔法を使用し、遠見を見破るなどおよそ人間らしからぬ力を持っている。 正体は、クレヴァニール達が住んでいる世界とは違う世界からやってきた侵蝕者。そして、未来に於いて世界を滅ぼした張本人。本体は実体を持たない「闇」そのものであり、物語中で見せる人や魔物の姿はあくまで仮のものである。こちらの世界に現出している「ヴェスター」は本体の力のごく一部に過ぎないため、召喚術の行使によって異世界への門をより大きくし、自身を完全に現出させる、というのが彼の目的であり、そのために人間に召喚術を広めたり、自身の正体に連なる情報を排除するなど、物語の影で暗躍する。 闇の状態では物理的な干渉は一切通用せず、闇に巻かれた生物は生命力を吸われて死んでしまう、というまさしく無敵の存在である。シュタイマン博士が開発した「闇封じのメダリオン」を使用すれば強制的に実体 (人や魔物の姿) に固定させられるが、メダリオンが通用するのはヴェスターの力が弱いときだけであり、未来においては異世界の門が開ききりヴェスターの本体の侵攻を許してしまったため、未来世界はなすすべも無く滅ぼされてしまった。使の記憶やシュタイマン博士の記録からこれらの事実を知ったクレヴァニール達は、まず召喚術を排除して闇の流入を防ぎ、その隙に魔法消去装置を使って完全に異界との繋がりを断って闇の侵蝕を阻止する作戦に出る。 しかしアイゼンヴァント山頂上にて魔法消去装置を使用しようとするクレヴァニールたちの前に闇そのものであるヴェスター自身が現れ、戦いを挑んでくる。劣勢になると闇と化してクレヴァニール達を飲み込もうとしたが、メダリオンを使われた事で姿を維持できなくなり、巨大な魔物「侵蝕者ヴェスター」へと変貌。それまでの余裕の態度を乱し、怒りを以ってクレヴァニール達に襲い掛かるも討たれ消え去った。しかし異界の闇そのものが無くなった訳ではない為、異界に繋がる魔法を消去しなければいずれはまた闇として世界に侵蝕してしまう。 本作の最終ボス。一連の事件の黒幕ではあるが、脚本家を自称する通り人間達を駒として操る事を楽しみ、自ら舞台に上がる事を好まない為、直接主人公達の前に現れることは少なく、最終局面で正体を明かすまで謎の存在として暗躍していた。 PSP版ではメリーヌ、シンシア、死翼傭兵団団長と言った配下に命じて直接的な行動に出る事が多く、クレヴァニール達にも明確に諸悪の根源として認識される。戦争終結後はデュルクハイム軍に研究・開発させた曲射召喚砲によって各地にモンスターを召喚し、自ら世界を危機に陥れる。クレヴァニール達がアイゼンヴァント山に乗り込んで来ると、侵蝕者形態となって襲い来るが、追い詰められ、魔法消去装置で異界に押し返されそうになるとクレヴァニール達をも道連れにし、異界へと引き摺り込んでしまう。そのまま闇としてクレヴァニール達を取り込もうとするも、クレヴァニールが真のエンジェリック・チャイルドの力を発動した事で闇を押し返され、死神のような禍々しい本体「異界の闇ヴェスター」となり、異界を舞台に最後の決戦を演じた末に敗北。全ての元凶たる闇ごと完全に消滅した。 死翼傭兵団団長 声:金光宣明 略奪や虐殺を好み、悪名高き傭兵集団として名を馳せる、死翼傭兵団の団長。ドクロを模した兜をかぶっているため、素顔は不明。イグレジアスによって雇われ、劣勢だった戦況を盛り返すが、バウアー率いる傭兵団と交戦。バウアーとの一騎討ちで敗北し、死亡したように思えたが突如として姿を消してしまう。 その正体は明確には語られないが、ラストバトルではヴェスターの配下として登場し、ヴェスターの支配する世界を賞賛しながらその障害となるクレヴァニール達に襲い掛かる。倒すと「ヴェスター様がいる限り我は不滅なり」と言い残して消滅する。 PSP版では最終決戦以前にも二度に渡ってボスキャラとして登場する。バウアーとの戦いで姿を消した後はモンスターと共にマーキュレイ付近までメリーヌを追い掛けていた所をクレヴァニール達と遭遇し、敗走。その後はマグナスとパメラを追っていた所を再びクレヴァニール達に倒される。しかし「ヴェスターがいる限り不滅」の言葉通り、最終決戦にて復活し、シンシアと共に三度クレヴァニール達の前に立ち塞がる。 『Return』の『SENSHI』にも登場するが、そちらは兜と死翼傭兵団団長の名を受け継いだ別人で、先代同様にバウアーに倒される。 寄生生命体 声:永田亮子 ヴェスターの配下であり、レジーナの心臓として彼女の肉体に取り付いたモンスター。異界の生命体で本体にそれほどの力はないが、死体に取り付いて自由に肉体を操ることができる。その際、死んでいた人物は一時的に蘇るが、肉体の主導権も精神もこのモンスターにより徐々に侵食されていく。レジーナの傷口から覗かせる姿は眼球そのものである。 精神干渉術に成功した場合は意識を消去され、以降はレジーナの心臓の代わりになる。しかし魔法生物故に魔法が消えれば同時に消えて無くなってしまう為、そうなればレジーナも命を落としてしまう。ホムンクルス製造装置で心臓移植を行なった場合でも、除去は難しかったため、魔法消去まではレジーナの体内に残ることになる。精神干渉術を行なわなかったり失敗した場合は最後までレジーナの体を乗っ取り、最期はラストバトルでレジーナ諸共討たれる。 シンシア 声:平田宏美 PSP版追加キャラクター。メリーヌの双子の姉。外見年齢は12歳。メリーヌの手綱を握る口数の少ない少女で、妹とは対照的に冷静で礼儀正しい。彼女もまたマギー達と同じ村出身の同年代の友達であり、15年前からヴェスターに洗脳されている。実年齢もメリーヌと同じ27歳。自分のせいで両親が死んだと思っており、両親を生き返らせるという言葉を信じてヴェスターに従っている。メリーヌが離反した後もヴェスター配下として行動し、最後はアイゼンヴァント山の戦いで曲射召喚砲を守るべく戦うもクレヴァニール達に敗北し、説得を受けて抵抗をやめた。ヴェスターが倒された後は心身が正常化したのか無事に生還する。 デュルクハイムルートでも同じ展開で戦うが、メリーヌ自身に説得させない限り倒すとそのまま台詞も無く死亡する。生存させた場合は戦後の祝賀パーティーでメリーヌとパメラに可愛がられている様子が見られる。旧ルートでは天使討伐後は出番は無く、最終決戦にも登場しない。 立ち絵のある女性キャラクターで唯一攻略不可能だが、メリーヌとペアのエンディングは存在する。
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