人への伝達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:39 UTC 版)
国BSE事例変異型クロイツフェルト・ヤコブ病オーストリア 000005 000 ベルギー 000133 000 カナダ 000017 002. チェコ 000028 000 デンマーク 000014 000 フォークランド諸島 000001 000 フィンランド 000001 000 フランス 000900 025 ドイツ 000312 000 ギリシャ 000001 000 香港 000002 000 アイルランド 001,353 004 イスラエル 000001 000 イタリア 000138 002 日本 000026 001 リヒテンシュタイン 000002 000 ルクセンブルク 000002 001 オランダ 000085 003 オマーン 000002 000 ポーランド 000021 000 ポルトガル 000875 002 サウジアラビア 000000 001 スロバキア 000015 000 スロベニア 000007 000 スペイン 000412 005 スウェーデン 000001 000 スイス 00000453 000 タイ 000000 000002 イギリス 183,841 176 アメリカ合衆国 000004 003 合計 188,579 280 狂牛病と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、非常によく似ていることから、同一病原体によるものと現在のところ結論されている。イギリスにおいて1993年5月に15歳の少女の発症例が報告され、クロイツフェルト・ヤコブ病は中高年や感染された人から作られた医薬品が原因で発症する病気という従来の常識を覆して、医学界に衝撃を与えた。 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病による死者は1995年を皮切りに、死因がこの病気であると確認された人数は117名。推定を含めると死者は169名に達している(生存者は4名、2010年7月5日現在)。 当初ヒトには、経口感染しないとされた。しかし、狂牛病に感染した獣肉で作られたキャットフードを食べたネコが死に、解剖したところ海綿状脳症であったことから、食物から感染した疑いが非常に高くなり、牛同士以外でも牛肉を通じての感染が疑われた。 1990年代前半までに、イギリスを中心に発生していた変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(異型クロイツフェルト・ヤコブ病とも呼ばれる)が、その後の調査で、牛海綿状脳症が食物を通して感染したことが疫学的に高い確率であることが証明された。 政治的には、1996年3月20日、イギリス保健省大臣がイギリス下院議会において「クロイツフェルト・ヤコブ病患者10人の発病の原因が、狂牛病に感染した牛肉であることを否定できない」と狂牛病は、ヒトに経口感染する見解を明らかにしたのが初めである。 ただ、どの様な経緯で感染し発病するのかは、現在でも病理学的には諸説あり、各国で研究が進められている。原因が明らかでなく、プリオンは熱に極めて強いため、広く規制する措置がとられている。牛の検査や特定の国からの輸入停止、飼料や加工過程についての規制と、感染した牛からの肉や牛乳など直接(肉など)、間接(原料として生産された加工品)に人間にわたらないように、世界各国で配慮がなされているが、畜産業界などの政治的圧力の高い国では、政治的な問題となり、必ずしも解明に積極的ではない。また、当事国内では解決されたとみなされても、国際的には汚染地域として輸出の制限を続けられる場合もある。 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は英語の "variant Creutzfeldt-Jakob disease" で vCJD と略記される。
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