アパラチア料理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 14:51 UTC 版)
「南部料理 (アメリカ合衆国)」の記事における「アパラチア料理」の解説
悪路での移動距離が長かった初期の移民の多くは地元の食材を使用するしかなかった。農民にとって豚と鶏は主要な肉であり、多くの農民はハム、ベーコン、ソーセージなどを作るための自身の燻製小屋を所有していた。魚、ザリガニなどシーフードは近代まで食されなかった。しかしアパラチアでは鹿やリスなど様々なジビエが通常使用され、あまり遠くに行かずにまかなわれた。19世紀後期になると、小麦粉やベーキングパウダー、ベーキングソーダが使用されるようになり、バターミルク・ビスケットが人気となった。ヴァージニア州ソルトヴィルから塩が採れるようになったが、コショウが使用されるようになるまで香辛料はあまり使われていなかった。多くの女性たちがスパイスブッシュなど地元の植物を香辛料として植えていた。南北戦争や第二次世界大戦などコーヒーが自由に飲めなかった頃、チコリーを栽培または近隣から採取してコーヒーのようにして飲んでいた。甘味料としてはインゲンマメやハチミツが主に使用されており、南部の海岸地域で使用されていた糖蜜はあまり使用されていなかった。 近年の朝食では南部やアパラチア地方の移民にとってバターミルク・ビスケットとソーセージ・グレイヴィが主流である。ソーセージやベーコンのフライからポーク・ドリッピングは油をひいた鉄鍋でグレイヴィを作るのに使用される。チキン・アンド・ダンプリングやフライド・チキンは人々に愛されている。トウモロコシはアパラチア地方の主要な穀物となるため、コーンブレッド、コーン・ポーン、ホミニー・グリッツ、マッシュ、コーンブレッド・プディング、ホミニー・ステュウは一般的に食されている。この地方で人気の果物はリンゴ、ナシ、ベリーである。甘いリンゴ揚げは副菜として一般的である。メープル・シロップ、メープル・シュガーはサトウカエデが生息する標高の高い場所で作られることが多い。アミガサタケ属、ワケギやリーキなども収穫される。アパラチア地方では根菜をテーマにしたフェスティバルが開催されることがある。自家製缶詰はここでは長らく一般的である。乾燥インゲンマメは冬季にハム入りのスープ・ビーンズを作るのに重宝する。サヤインゲン、シェリー豆などの缶詰がある。種類の豊富なセイヨウナシ、リンゴはペア・バターやアップル・バターを作るのに使用される。また人気なのはブレッド・アンド・バター・ピクルス、カラシナ揚げの酢和え、テーブルビートのピクルス、チョウ・チョウ、コーン・ケチャップなどである。トマトは数多く缶詰にされ、フライド・グリーン・トマトがよく作られる。ソーセージ・グレイヴィ、トマト・グレイヴィの他、トマトで濃くしたルーはとても人気である。ポーポー、ブラックベリー、柿など様々な野生の果物も一般的である。
※この「アパラチア料理」の解説は、「南部料理 (アメリカ合衆国)」の解説の一部です。
「アパラチア料理」を含む「南部料理 (アメリカ合衆国)」の記事については、「南部料理 (アメリカ合衆国)」の概要を参照ください。
- アパラチア料理のページへのリンク