Zピンチ Zピンチの概要

Zピンチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 05:39 UTC 版)

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概要

ピンチ効果によってプラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成して生じたローレンツ力でプラズマ自体が周囲の磁気エネルギーを取り込んで自己収縮する性質で自発的に高温高密度状態を作り出す[1]

「ピンチ効果」という語彙はもともとは自己収縮するプラズマのことを指していて、L.Tonksがアーク放電が起きるとプラズマを流れる電流が周囲に磁場を形成してプラズマ自体が周囲の磁気エネルギーを取り込んで自己収縮するため電流が細く集中する現象に対してつけた[1]

用途

核融合

1950年代に研究が開始された当初は核融合を目的に開発されていたが、不安定性を克服できず、一時期は下火になっていた。近年ではZピンチで直接核融合を起こすのではなく、ZマシンのようにZピンチからの強力な放射を慣性核融合のドライバーとして利用しようという研究が進められ、再び研究が活発になりつつある[2][3]

極端紫外線光源

ガスパフZピンチの出現により、ZピンチがEUV光から軟X線の領域での強力なパルス光源として再認識されるようになり極端紫外線リソグラフィで使用される極端紫外線光源としての開発が進められる[4]

参考文献

  • 平野克己. "Z ピンチ・プラズマフォーカス研究の現状と展望." 日本物理學會誌 49.4 (1994): 273-280.
  • 堀岡一彦. "高エネルギー密度プラズマ研究とその応用-Z ピンチ." プラズマ核融合学会誌 75.Supplement2 (1999): 29-32.
  • 宮本徹. "Z ピンチと自己磁場閉じ込め核融合." プラズマ・核融合学会誌 74.8 (1998): 855-876.
  • 近藤義臣, et al. "Z ピンチプラズマにおける自己組織化現象と散逸構造." プラズマ・核融合学会誌 71.5 (1995): 432-447.

関連項目




  1. ^ a b (PDF) Zピンチの物理と展望―自己収縮する系の再認識―, http://sg2.phys.cst.nihon-u.ac.jp/frontier/self-contract2.pdf 
  2. ^ 秋山秀典、勝木淳、Igor LISITSYN「慣性核融合ドライバー技術 4. 慣性核融合のためのZピンチX線源」『プラズマ・核融合学会誌』第75巻第2号、1999年、 126-130頁。
  3. ^ G. ヨナス「急浮上するZピンチ核融合」『日経サイエンス』、日経サイエンス社、1998年11月号。
  4. ^ Zピンチ放電プラズマEUV光源 (PDF) 」 『プラズマ核融合学会誌』第81巻第4号、2005年、 231-239頁。


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