2002 FIFAワールドカップ 大会協賛

2002 FIFAワールドカップ

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大会協賛

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日本
韓国

大会におけるトラブル

チケット・空席問題

空席問題の一例・埼玉スタジアム(カメルーン対サウジアラビア戦 2002年6月6日)
空席問題の一例・埼玉スタジアム(日本対ベルギー戦 2002年6月4日)
空席問題に抗議する横断幕(日本対ベルギー戦)

前回大会の反省を活かして、FIFAは「今後、チケットを含めたツアー旅行は、原則認めない」とし、一部を除きチケットは原則単独販売のみとするとした。それに伴いチケット販売をバイロム社へ一元管理を委託し、またバイロム社もチケットを記名式にすることで、闇売買を防ぐ仕組みを導入した。しかし結果的には前回大会同様に日本の組織委員会や観客も問題に頭を悩ませることとなり、バイロム社への責任問題へと発展した。問題の例としては、以下の通り。

  1. 記名されている、いないに関係なくチケット人気が高騰し、インターネットオークションでは高額な値段で売買される。このため、ヤフーオークション楽天フリマは「チケットの異常な高額売買やそれに伴う詐欺行為を防止するため、日韓ワールドカップのチケットの出品は禁止」することを表明[19][20]、後日出品されたワールドカップのチケットの出品に対し、該当すると思われる出品に関しては片っ端から削除を行った。
  2. インターネット上のチケット販売サイトはアクセスが集中、購入できない状態が続いたものの、実際の試合では大量の空席が発生。販売サイトでは、実際にチケットが売り切れているにもかかわらず、ホストコンピューターの異常により画面上で「空席アリ」の表示が出続けていたため、チケットを求める人達のアクセスが減少せず、余計に混乱を招いた。
  3. チケットが試合直前までに到着しない。
  4. 日本で開催された試合ではチケットが全試合完売していたにもかかわらず、実際には大量の空席が存在することが明らかになった。そのため開催当初のグループステージの試合では、いざ試合が始まってみると明らかに空席の目立つエリアが存在し、日本代表戦でも大量の空席があることが判明した。このため日本対ベルギー戦では「チケットはどこにあるのか?」と問題に抗議する横断幕まで出る事態となった(右の画像を参照のこと)。また大量の空席が存在しているという事態に、後日空席部分を調査、試合開始までにチケット販売が間に合うと判断された試合に関しては「最終販売」とし、チケットの予約・販売をチケットぴあに委託した。委託を受けたチケットぴあは、最終販売分を電話予約のみで受付し、会場近くのチケット受取所にて予約済みのチケットを手渡すという方法をとった。尚、チケット販売に関してはテレビを通して告知されたため、日本代表戦はチケットを求める大勢の人達がチケット販売日前日より予約電話番号に電話をし、販売前日の深夜にもかかわらず「大変込み合っている」というアナウンスが流れる事態となった。日本のチケット販売に精通した予約代行業者が一部の席を確保してしまうという事態も発生。結果的に代行業者が「予約番号を転売」ということとなった。大阪市内の金券ショップでは高額でチケットを売った店舗が警察からの指導を受けたため、他店はそれを警戒して店頭にはチケットを置かず客があるかどうかを尋ねると販売してくれるという方法でチケットを売っていた。

尚、大会後にはFIFAが日韓両国に対して1億円ずつの慰謝料を支払った。

また、日本国内では全試合完売だったのに対し、韓国国内では大量にチケットの売れ残りが発生、韓国国内で開催される決勝トーナメントですら空席が大量に発生した為に韓国政府が学生を動員して何とか会場の空席を埋めた。特に、西帰浦市で行われた決勝トーナメントの「ドイツ対パラグアイ戦」は韓国組織委員会の動員にもかかわらず、会場の空席が4割に達した。

誤審問題

今大会では、特に決勝トーナメントに入って以降、ホスト国である韓国の試合において誤審が立て続けに起こった事で大きな波紋を巻き起こした。また、その他の試合でも誤審(イタリア対クロアチア戦でのオフサイド判定やブラジル対ベルギー戦でのゴール無効判定にも疑問が呈された[21]。)が発生した。

一連の騒動となった誤審は、FIFAの映像ライセンスを持つ会社が2006年3月24日に創立100周年を記念して発売したDVDビデオ『FIFA FEVER FIFA創立100周年記念DVD』に収録されている「世紀の10大誤審」の半数を占め(3位がブラジル対ベルギー戦、6・7位が韓国対イタリア戦、8・9位が韓国対スペイン戦)、これについて大韓サッカー協会は猛反発をした[22]。また一連の誤審騒動以前にも、韓国チームがW杯前の親善試合でフランスと対戦した際に、フランスの司令塔ジネディーヌ・ジダンに危険なタックルをしてフランスのルメール監督から「わざとやったに近い」と批判[23] されたことを皮切りに、韓国対ポーランド戦前のポーランドの宿舎前での睡眠妨害[24] や、韓国対米国戦でのスケートパフォーマンス[25][26] といったトラブルも発生している。

韓国対イタリア戦は、エクアドル人バイロン・モレノが主審を務めたが、不可解なジャッジが立て続けに発生し、延長13分にはフランチェスコ・トッティが倒されたと思われたプレーがシミュレーションと判定され、2枚目のイエローカードを受けて退場となったほか、さらに延長20分にはダミアーノ・トンマージのゴールがオフサイド判定を受けるなど明らかにイタリアに不利と思われるジャッジが続いた末に韓国・安貞恒ゴールデンゴールでイタリアが敗退する結果となり、トッティは「審判を変えて最初からワールドカップをやり直すべきだ」と不満をあらわにし[21]、事態沈静化を図ったFIFA会長のゼップ・ブラッターが大会中に異例の声明を出すほどであった。この試合のイタリアからの調査要請とモレノは母国でも不可解なジャッジが発生したことと合わせて、FIFAは2002年9月13日から調査を開始したが、2003年1月にモレノ主審の誤審は買収などの規約違反によるものではなかったと結論付けて決着とした[27]。その後、FIFAは理由の明示なしにモレノ主審を国際審判リストから除名した。モレノ主審はエクアドルリーグでも誤審により20試合の資格停止を受け[28]、今大会の翌年に33歳というサッカー審判員としては若い年齢で審判を引退した。

続く韓国対スペイン戦はエジプト人のガマル・ガンドゥールが主審を務めたが、48分にスペインの得点がファウルの判定により取り消され、延長2分にはゴール直前のクロスがゴールラインを割っていたとの線審(現在は「副審」)の判定によりスペインの得点は取り消された[21]。試合はスコアレスのままPK戦となり、韓国が勝利した。このように決勝トーナメントに入ってからの誤審疑惑は韓国戦に集中し、韓国代表の相手国はいずれも上位進出候補の強豪国であったことから、ホスト国の韓国代表チームに対し意図的に有利な判定が行われたとする疑惑が生じた[29]。スペイン戦後、FIFAは中立の大陸から審判を起用するという慣例を放棄し、準決勝以降の試合を全て欧州出身の審判で固めた[21]。その後韓国は準決勝でドイツに破れた。

ロイター通信は7月1日、「ロイター通信の記者が選んだ2002年ワールドカップの各部門ベスト、ワースト」を発表し、「ワースト判定」に韓国対スペイン、延長戦のフェルナンド・モリエンテスのゴールを無効としたガマル・ガンドゥールの判定を挙げるとともに、スペイン代表を「最も運の悪いチーム」に選出し、イタリア代表についても「最も悲運な敗者」に選出している[30]

2000年代のサッカーの出来事を扱ったスポーツイラストレイテッド誌の記事ではイタリア戦・スペイン戦で誤審疑惑が指摘されていると記された[31]

イギリスBBCにおいて元イングランド代表のゲーリー・リネカーは、韓国はポルトガル戦、イタリア戦、スペイン戦において、審判から数多くの有利な判定の恩恵を受けたと述べた[32]。また、韓国という例をアジアサッカー全体を構築していくための基盤にすべきだとも述べた[32]。スペインについては、彼らが審判から不運以上のものを受けたことは理解しているが、PK戦の前に勝ち切る事が出来た筈だ、と述べている[33]。BBCは「最も驚くべき瞬間」にセネガルのフランスに対する勝利と共に、韓国のイタリア撃破を挙げた[34]。韓国の成績は確かに審判の不可解な判定の恩恵によるものだが、韓国の業績が傷つけられるべきではないとも報じた[35]

2013年にはコッパ・イタリア決勝式典で韓国人歌手のPSYが出演し熱唱したが、それにイタリアの観客はブーイングや爆竹で邪魔をする行為をし、11年経ってもイタリアのサッカーファンが上記の件を忘れていない姿が報じられた[36]

なお、今大会で誤審が特にクローズアップされたのは、今大会前後から放送用カメラの性能と台数が向上し、ピッチ全体を細かく「監視」できる状況になったことがあるとの言及があり、2002年大会以後からは毎回誤審騒動が繰り返されている[37]

その他


注釈

  1. ^ ソビエト連邦時代を含む。
  2. ^ 西ドイツ時代を含む。
  3. ^ 2003年(平成15年)4月1日政令指定都市に移行し、現在は埼玉県さいたま市緑区
  4. ^ a b 準ホームスタジアム
  5. ^ 2007年(平成19年)4月1日に政令指定都市に移行し、現在は新潟県新潟市中央区
  6. ^ 後のJVCケンウッド。日本代表戦では「Victor/JVC」表記の広告を使用し、それ以外の全ての試合では「JVC」表記の広告を使用した。この措置は1998年大会でも同様。本大会を最後にスポンサーから撤退し、それ以後業務用音響機器メーカーはスポンサーに付いていない。
  7. ^ 韓国でのゲームでは選手送迎バスにヒュンダイ製をオフィシャルとして使用していたが、日本ではヒュンダイ製バスはほとんど存在していなかったので、当時業務提携していた三菱自動車(現三菱ふそうトラック・バス)のバスを使用していた[要出典]

出典

  1. ^ cup/archive/JapanKorea2002/index .html 2002 FIFA World Cup Japan/Korea”. FIFA. 2016年8月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 『中田英寿・洪明甫 TOGETHER 2002ワールドカップBook』, 講談社, (2001年), ISBN 4-06-179351-9 
  3. ^ ワールドサッカーダイジェスト 2005年8月号
  4. ^ IMFと資本収支危機:インドネシア、韓国、ブラジル―IMF独立政策評価室による評価レポートの概要 (PDF, 225KB)
  5. ^ IMF危機と韓国の貿易 (PDF, 130KB)
  6. ^ a b 韓国、2億ドル融資を断る 読売新聞2001年2月6日付
  7. ^ フジは、なぜ「ネット炎上」の標的になるのか | GALAC | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
  8. ^ 嫌韓は2002年日韓W杯がきっかけだった!?”. 週刊朝日2013年10月11日号 (朝日新聞出版) (2013年10月5日). 2023年7月14日閲覧。
  9. ^ FIFA汚職で14人起訴、W杯開催国決定関連でも捜査=米・スイス WSJ 2015年5月27日
  10. ^ ブラッター会長が辞意表明――底なしの腐敗が露呈するFIFA事件は日本に波及するのか 現代ビジネス 2015年6月4日
  11. ^ 元日本協会会長が謝礼送金か=02年サッカーW杯日韓大会招致で-スペイン紙 時事通信 2015年6月18日[リンク切れ]
  12. ^ 日本、02年W杯招致で南米連盟に謝礼金送金か。150万ドル、証拠書類と共に西紙報じる フットボールチャンネル 2015年6月20日
  13. ^ 朝日新聞東京本社版、2000年6月7日付朝刊38面
  14. ^ 日韓共催W杯サッカー - NHKニュース(動画・静止画) NHKアーカイブス
  15. ^ 日本の全国紙における国名表記順序についての一分析『朝日新聞』による「韓日」表記(2001〜2005)を中心に(後編) (PDF, 464KB) - 文教大学
  16. ^ スポーツ記念日】もうあり得ない? 日韓共同開催のサッカーW杯開幕(2002年5月31日) - 産経ニュース、2015年5月24日
  17. ^ ブラジル大会へテコ入れ W杯組織委にFIFA理事会が全面参加-スポニチ2012年3月29日
  18. ^ a b 2002 FIFA World Cup Korea/Japan: Report and Statistics” (PDF). FIFA Technical Group. p. 109 (2002年). 2014年11月22日閲覧。
  19. ^ “ヤフー、W杯チケットのオークション出品を禁止”. 日経BP社. (2002年5月17日). http://www.nikkeibp.co.jp/archives/185/185768.html 2013年2月22日閲覧。 
  20. ^ “やっぱり出品されたW杯チケット 日本戦チケットにもユーザーは予想外の静観!?”. ITメディア. (2002年4月26日). https://www.itmedia.co.jp/internet/guide/0206/newsbr/ 2013年2月22日閲覧。 
  21. ^ a b c d 生島淳 (2004年), 『世紀の誤審 - オリンピックからW杯まで』, 光文社, ISBN 4334032591 
  22. ^ 田邊雅之 (2004年12月2日). “日韓W杯の誤審疑惑をFIFAが公式認定?”. Number Web. 2023年1月9日閲覧。
  23. ^ 2002年5月27日 朝日新聞コラム 中小路徹
  24. ^ ポーランド 眠くて負けた スポニチ 2014年6月6日
  25. ^ 打倒米国へ韓国サポーター 朝まで生騒ぎ作戦 サンケイスポーツ
  26. ^ オーノ真似た安貞桓のセレモニーに喝采 中央日報 2002年6月10日
  27. ^ モレノ審判が現場復帰 エクアドル各紙報道
  28. ^ Ex-referee Byron Moreno pleads guilty (英語) ESPN NEW YORK 2011.1.15付記事
  29. ^ フットボール:The Greatest Managers #7 ジョバンニ・トラパットーニ
  30. ^ 『ロイター通信』電子版、2002年7月1日
  31. ^ Soccer: Highlights and lowlights SI 2009年12月18日
  32. ^ a b BBC SPORT WORLD CUP 2002 - Lineker's Verdict - South Korea” (英語). BBC. 2013年2月22日閲覧。
  33. ^ BBC SPORT WORLD CUP 2002 - Lineker's Verdict - Spain” (英語). BBC. 2013年2月22日閲覧。
  34. ^ BBC SPORT WORLD CUP 2002 - Features - Real winners step forward - Most surprising moment” (英語). BBC (2002年7月1日). 2013年2月22日閲覧。
  35. ^ BBC SPORT WORLD CUP 2002 - Features - World glimpses new order” (英語). BBC (2002年7月1日). 2013年2月22日閲覧。
  36. ^ PSY、イタリアで大ブーイング……“人種差別”にファン怒り RBB TODAY 2013年5月27日
  37. ^ “Blatter condemns officials”. BBC News. (2002年6月20日). http://news.bbc.co.uk/sport3/worldcup2002/hi/other_news/newsid_2055000/2055828.stm 2010年4月28日閲覧。 
  38. ^ アトー/ニック/キャズ”. imidas - イミダス. 時事用語事典. 2023年10月10日閲覧。
  39. ^ https://web.archive.org/web/20020609211446/http://www.ppvj.co.jp/special/spheriks.html





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