湘南新宿ライン
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競合各社の動き
湘南新宿ラインの登場は競合する私鉄にも影響を与えた。特に渋谷駅 - 武蔵小杉駅 - 横浜駅間で競合する東急電鉄(2019年以前は東京急行電鉄)と新宿駅 - 藤沢駅・小田原駅間で競合する小田急電鉄は新たな対抗策を打ち出した。
- 東急電鉄
- 東急は、湘南新宿ライン運転開始に先立つ2001年(平成13年)3月28日のダイヤ改正から東横線で特急の運転を開始し、渋谷駅 - 横浜駅 - 桜木町駅(2004年2月1日からはみなとみらい線元町・中華街駅)間の速達輸送を強化した。2013年(平成25年)3月16日からは東京地下鉄(東京メトロ)副都心線(和光市駅 - 渋谷駅間)と相互直通運転を開始したことで、競合区間がさらに延びて横浜駅 - 池袋駅間になった。
- 小田急電鉄
- 小田急は、2002年(平成14年)3月23日のダイヤ改正で藤沢駅 - 新宿駅間に「湘南急行」を新設した。2004年(平成16年)12月11日のダイヤ改正では「湘南急行」の種別を廃止する代わりに江ノ島線と小田原線に「快速急行」を新設するなど、速達性を向上させている。
運行経路
湘南新宿ラインは、東北本線(大宮駅 - 田端駅[注釈 2]間)・山手線(田端駅[注釈 2] - 品川駅[注釈 3]間)・東海道本線(品川駅[注釈 3] - 大船駅間)を介し、大宮以北の宇都宮線及び高崎線と大船以南の横須賀線及び東海道線とそれぞれ直通している。
運転系統としては、
- 宇都宮線と横須賀線を直通する系統
- 高崎線と東海道線を直通する系統
の2つがある。上野東京ラインのような東海道線と宇都宮線を直通する系統は設定されていない。
大宮駅 - 大船駅間(東北本線・山手線・東海道本線)の走行区間のほとんどが元来は主に貨物列車が走行する線路で、1980年のSM分離や1980年代の貨物輸送合理化と武蔵野線の開通により旅客輸送に転用された線路が多い。
大宮駅 - 田端駅間
大宮駅から田端駅までは東北本線の貨物線(通称・東北貨物線)を走行する。大宮駅から赤羽駅までは東北本線旅客線(上野・東京・品川・川崎方面の宇都宮線・高崎線列車〈上野東京ライン〉が走る線路)及び京浜東北線(線籍上は東北本線)と並走する。宇都宮線・高崎線が停車するさいたま新都心駅は貨物線にホームがないため停車しない。
王子駅付近で尾久車両センター方面(尾久駅)への東北本線旅客線と別れた後、東京新幹線車両センター沿いを京浜東北線と並走し、田端駅構内で京浜東北線と分かれて中里トンネルに入り、大きく西へカーブして山手線の南側に出る。ただし田端駅には湘南新宿ラインの列車は停車しない。
田端駅 - 大崎駅間
田端駅から大崎駅までは山手線の貨物線(通称・山手貨物線)を走行し、山手線電車と並行しながら駒込駅・巣鴨駅・大塚駅を通過する。
池袋駅 - 大崎駅間は埼京線と線路を共有しており、途中の新宿駅・渋谷駅・恵比寿駅にホームがある。高崎線 - 東海道線系統の特別快速列車は恵比寿駅を通過するが、他の列車はこれらのすべての駅に停車する。池袋駅 - 大崎駅間は並走する各駅に停車する山手線に対して、湘南新宿ラインは埼京線とともに普通列車も含めて快速列車の役割を果たす。
大崎駅構内
大崎駅からは、埼京線と相互直通運転する東京臨海高速鉄道りんかい線を上下線の間に挟む形で同線と分岐し、通称「大崎支線」(蛇窪線)と呼ばれる短絡線に入る。この線は横須賀線列車の走る東海道本線の支線(通称・品鶴線)と立体交差した後、大きくカーブし、西大井駅の手前の旧蛇窪信号場(大崎駅構内)にて品鶴線と合流する。大崎支線はかつて山手貨物線(線籍上は山手線)だったが、現在は旧蛇窪信号場も含めて大崎駅構内の扱いである。
※ 大崎駅付近の配線略図(注意、巨大画像600px、表示幅800px)を表示するには、右の [表示] をクリックしてください。
大崎駅 - 大船駅間
旧蛇窪信号場 - 鶴見駅間は品鶴線を、鶴見駅 - 戸塚駅間は東海道本線の旧貨物線(現在は横須賀線専用線)を走行する。
この区間は貨物線として利用されていたが、品川駅から大船駅までの区間は1980年10月1日のSM分離により同線から横須賀線列車の専用線路に転用されたものである。旧蛇窪信号場 - 戸塚駅間には横須賀線のすべての列車が停車する西大井駅・武蔵小杉駅・新川崎駅・横浜駅・保土ケ谷駅・東戸塚駅があり、湘南新宿ラインも宇都宮線 - 横須賀線系統の列車(大船行を含む)はこれと同様に全駅に停車するが、高崎線 - 東海道線系統の列車は武蔵小杉駅と横浜駅にのみ停車する(詳しくは運行形態の項を参照)。東海道線直通列車は戸塚駅を出ると同駅構内南端の渡り線を通り、横須賀線専用線路から東海道旅客線に転線する。
-
旧蛇窪信号場。並行している高架は東海道新幹線。横切っている高架は東急大井町線。
沿線概況
注釈
- ^ a b 逗子駅 - 大宮駅間。
- ^ a b c d 山手貨物線と東北貨物線の実際の接続点は上中里駅付近の田端信号場駅であり、田端駅は経由しない。
- ^ a b c d 大崎駅の構内扱いである短絡線を経由するため、実際には品川駅を経由しない。
- ^ 公式では全列車直通運転としており、かつこれは金曜日だけの臨時扱いで、正式な系統ではない。
- ^ 通常の湘南新宿ライン列車は「湘南新宿ライン ○○線直通 ○○(種別) ○○行」と案内される。
- ^ 通常の湘南新宿ライン列車は行先・直通路線名を問わず緑色■で案内される。
- ^ 宇都宮線直通、または東京駅発着である。湘南新宿ライン宇都宮線直通快速とは対照的に、宇都宮線内は各駅に停車する。
- ^ 主に上野東京ライン宇都宮線直通普通列車と接続する。湘南新宿ラインルートは上野東京ラインルートに比べやや迂回する経路となっているため、同普通列車と東北本線赤羽駅 - 大宮駅間で並走するダイヤとなっている。すなわち東海道線方面から宇都宮線方面へは同普通列車への乗り換えが至便である。
- ^ 大崎駅(埼京・りんかい線との分岐駅、折り返しあり。横須賀線と山手線貨物線の境界)・新宿駅(埼京線折り返し駅。湘南新宿ラインの中心)・池袋駅(埼京線との分岐駅)・大宮駅(宇都宮・高崎線との分岐駅、東北本線と東北貨物線の境界)
- ^ 小山駅・鴻巣駅・吹上駅・熊谷駅など
- ^ 上野東京ラインとして上野駅・東京駅を経由して南北直通運転をしている列車は、従来通り宇都宮線・高崎線が上野駅、東海道線が東京駅で折り返し運転を行う。上野駅・東京駅発着列車は車内整理の簡略化(通常は全車両で行うところをグリーン車のみ行う)などにより折り返し停車時間を短縮しやすい。また、湘南新宿ラインは上野駅や品川駅発着へ振替ができるが、埼京線は池袋駅での折り返しが構造上、湘南新宿ラインの発着番線である2・3番線でしかできないことなどもある。また東海道線品川 - 横浜間での事故等により東海道線・上野東京ラインは同区間を横須賀線・湘南新宿ラインルート(品鶴線 武蔵小杉経由)に迂回運転することもあり、その影響で平常だった横須賀線も巻き添えで遅延する場合もある。
出典
- ^ JTB時刻表 各号(JTBパブリッシング発行)
- ^ JR時刻表 各号(交通新聞社発行)
- ^ JR東日本公式ホームページ「各駅時刻表」
- ^ 旅客営業規則第69条
- ^ 旅客営業規則第69条第4号
- ^ 旅客営業規則第70条
- ^ 旅客営業規則160条
- ^ 旅客営業規則第172条第8項
- ^ 旅客営業取扱基準規程(東海旅客鉄道は旅客営業取扱細則、以下同じ)第110条及び第154条
- ^ 旅客営業取扱基準規程第110条第1号
- ^ 旅客営業取扱基準規定第153条
- ^ 旅客営業取扱基準規程第149条
- ^ 旅客営業取扱基準規程第149条第3号
- ^ 旅客営業取扱基準規程第149条第4号
- ^ 旅客営業取扱基準規程第151条
- ^ a b 交通新聞社『JR時刻表』2015年7月号
- ^ a b 「鉄道記録帳」『RAIL FAN』第52巻第1号、鉄道友の会、2005年1月号、22頁。
- ^ JR東日本、首都圏各線で大みそか〜元旦の終夜運転実施…宇都宮〜小金井間は除外 - レスポンス、2013年12月11日
- ^ “相鉄・JR直通線、乗ってわかった「プラスの影響」 ラッシュ時も意外と快適、さらに...”. J-CAST. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “2023.06.07”. 乗りものニュース. 2023年10月28日閲覧。
- ^ a b c 2015年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道高崎支社ニュースリリース 2014年12月19日
- ^ 2008年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道プレスリリース 2007年12月20日
- ^ 2013年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道ニュースリリース 2012年12月21日
- ^ 2015年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年12月19日
- ^ a b “神奈川東部方面線の路線名称を「相鉄新横浜線」「東急新横浜線」に決定<相模鉄道(株)・東京急行電鉄(株)>” (PDF). 相模鉄道 / 東急電鉄 (2018年12月3日). 2018年12月13日閲覧。
- ^ “相鉄・JR直通線の開業日決定” (PDF). 相模鉄道株式会社・東日本旅客鉄道株式会社 (2019年3月28日). 2019年3月28日閲覧。
固有名詞の分類
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