毎日放送千里丘放送センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/16 15:14 UTC 版)
かつてはMBSの実質的中枢であったが、その機能は1990年9月1日に大阪市北区茶屋町に新築された本社へ移転した。その後、施設の老朽化や管理部門の統廃合方針などから2007年7月31日をもって閉鎖された。
概要
茶屋町に本社が移転するまでは大阪市北区堂島1丁目の毎日大阪会館北館に登記上の本社(総務、営業、経理など企業運営部門)を、千里丘に電波法上の演奏所を置いていた。別名「毎日放送千里丘スタジオ」「MBS千里丘スタジオ」とも呼ぶ。
JNN系・TBS系列局で本社演奏所以外にこのような放送施設を所有しているのは他にはTBSホールディングス(TBSHD)のみ(横浜市青葉区に所有している「緑山スタジオ・シティ」[1]と東京都世田谷区の『東京メディアシティ』内にある「TBS砧スタジオ」)だった。ただ、「MBSスタジオ in USJ」が完成した2001年以降は茶屋町本社とUSJスタジオに移行しており、当センターはほとんど機能していなかったが、茶屋町本社が万が一送出不能になった場合に備えた予備系として残していた。
ラジオ第1スタジオは音楽レコーディングのスタジオとしても使われていて、加山雄三のヒット曲「君といつまでも」がレコーディングされたスタジオとしても知られている。その後大西ユカリらも使用していた。
また、茶屋町本社移転前はテレビの放送開始・終了時[2]の映像にて当所が映し出されていた。
歴史
当時、MBS専務だった高橋信三(のちに社長・会長を歴任)が1950年代後半に4か月間、アメリカの放送局を視察し、ワシントンD.C.の郊外にあるNBCの放送センター(現在は解体済み)にヒントを得て、日本にも市街地の郊外に放送センターをつくろうと大阪市郊外の千里丘陵にスタジオを建設することを計画。当時の千里丘陵は草や木が多く繁っていたが、千里ニュータウンの建設や日本万国博覧会(1970年開催)の会場にも内定していたことから新たな街づくりが進んでいた。
千里丘放送センターは1960年に完成、鉄筋コンクリート2階建てで事務所棟とスタジオ棟(スタジオ数:テレビ4、ラジオ8)からなり、1961年から運用を開始した。大阪市内にあったMBSのほとんどの部署が移転し、MBSの実質的な中心施設としての機能を持っていた。完成当時は教育局だった日本教育テレビ(NETテレビ。現・テレビ朝日)とネットを組んでいた事から、自らキー局となって発展しようとした将来展望を見据えて設計され、在阪局では局舎が小さいものの東京のキー局に勝るとも劣らない規模と最新鋭の設備を誇った。1969年9月1日には増設で「ミリカホール」が完成する。なお、完成から14年後の1975年3月31日にMBSはテレビ系列の腸捻転解消によりTBS系列(JNN)にネットチェンジした[3]。
2001年3月31日にスタジオ in USJへの移転以来、業務をラジオの収録や放送番組の記録保存業務に縮小し、2007年(平成19年)1月に現状のゴルフセンターと新設される千里丘ミリカセンターの敷地を除く千里丘放送センターの全敷地を大手不動産会社5社の企業連合に売却したと発表した後、2007年7月16日のラジオ特番を最後に当センターからの電波送出は事実上終了し、同月31日に施設そのものも閉鎖され、46年の歴史に幕を閉じた。 なお、跡地には大規模なマンション「ザ・ミリカシティ(ミリカ・ヒルズ及びミリカ・テラス)」と吹田市立千里丘北小学校(2015年4月開校)の学校施設が建設された[4]。
スタジオ
スタジオ棟にテレビ4、ラジオ8のスタジオが構成されていた。
テレビスタジオ
- Aスタジオ(約383㎡)
- Bスタジオ(約185㎡)
- Cスタジオ(約185㎡)
- Dスタジオ(約406㎡)
ラジオスタジオ
- 第1スタジオ(約197㎡)
- 第2スタジオ(約60㎡)
- 第3スタジオ(約49㎡)
- 第4スタジオ(約15㎡)
- 第5スタジオ(約15㎡)
- 第6スタジオ(約20㎡)
- 第7スタジオ(約10㎡)
- 第8スタジオ(約10㎡)
- ^ TBS自体も、1971年頃に郊外へ本社を移転するという構想を持っていたことがあり、その際の移転先として現在の緑山スタジオ・シティの土地を取得していたが、東京の都心から遠いなどの理由でタレントやスタッフからの評判が芳しくなかったため、最終的には移転を断念し、パッケージ番組の収録用スタジオとして建設された。
- ^ 終了時の映像では、ミリカホールの内部も映し出されていた。
- ^ ラジオ系列は現在もJRNとNRNのクロスネット体制のままである。
- ^ 千里丘北小学校が開校します(吹田市役所総務部広報課)[リンク切れ]
- ^ 北港観光バスが運行を担当し、テレビ番組の公開録画の観覧者を放送センター―JR千里丘駅間で送迎していた。
- ^ なお、大阪市内で登録された車両はなにわナンバーになる(なお1983年までは大阪市も大阪ナンバーであった)。
- ^ なおMBS東京支社制作番組はレモンスタジオなど東京都内で収録されている。赤坂Bizタワー(TBS本社敷地内)にあるMBS東京支社には、生放送に対応するテレビ・ラジオのスタジオを設置している。
- 1 毎日放送千里丘放送センターとは
- 2 毎日放送千里丘放送センターの概要
- 3 番組に対する宛先
- 4 制作された番組とその後の状況
- 5 千里丘で制作された番組
- 6 外部リンク
固有名詞の分類
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