横浜深谷連続殺人事件 横浜深谷連続殺人事件の概要

横浜深谷連続殺人事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 16:59 UTC 版)

概要

従兄弟である男性Aと男性Bは2008年3月13日、Bの養母D(当時46歳)を睡眠薬で眠らせ、Dが住み込みで働いていた神奈川県横浜市の事務所の浴槽に沈めて水死させた。そして保険会社を騙し、保険金約3600万円を受け取った[4]。BとDは2006年夏頃に携帯電話のサイトで知り合い、Bは自らの借金を踏み倒して新たに借金をするために、Dと2007年1月に養子縁組を交わした[5]。AとBはDに生活保護費を受給させて取り上げていたが、思ったほど稼げなかったので、10月にDに生命保険を掛けていた[5][6]神奈川県警は、「泥酔して水死した」という説明をうのみにし、司法解剖を行なわず、後日保険会社から問い合わせが来た時も再捜査を行わなかった[7]

2009年8月7日、AとBは金銭トラブルで揉めていたおじC(当時64歳)を、Cの自宅である埼玉県深谷市にて包丁で刺して殺害した。

8月9日、男性の死体が発見された。2010年6月25日埼玉県警はCの殺人容疑でA(当時41歳)とB(当時37歳)を逮捕した[8]。事件当時、2人は別の交通保険金をだまし取った詐欺容疑で逮捕されていた[9]

埼玉県警は11月4日、Dの殺人容疑でAとBを再逮捕した[7]神奈川県警は初動捜査のミスを認め、遺族や関係者に謝罪した[10]2011年1月21日、保険金をだまし取った詐欺容疑でAとBを再逮捕した[11]

裁判

裁判はAが無罪を主張、Bが起訴事実を認めたため、公判は分離された。

さいたま地裁田村眞裁判長)の裁判員裁判で2011年7月6日、検察側はBに対し、永山基準を挙げて結果の重大性や被害者感情、前科などに言及し、殺人を直接実行するなど犯行態様が極めて悪質で、動機に酌量の余地は全くないとして死刑求刑した[1]。埼玉県の裁判員裁判で、初めての死刑求刑である[1]。7月9日、最終弁論で弁護側は、Aが主導的立場であり、Bは服従する関係にあったことと、Bの自白で事件の全容が解明できたとして、情状酌量による無期懲役を求めた[12]

7月20日、さいたま地裁は弁護側の主張をほぼ認め、無期懲役判決を言い渡した[13]。検察側、弁護側ともに控訴せず、判決は確定した[14]

さいたま地裁(田村眞裁判長)の裁判員裁判でAは、殺人および詐欺をいずれも否認した[15]。検察側は2月15日、AがBに殺害を指示した首謀者であるとしてAに死刑を求刑した[16]。Aの弁護側は再度、犯行に関与していないと無罪を主張した[17]

2月24日、さいたま地裁は無罪主張を退け、求刑通りAに死刑を言い渡した[18]。埼玉県内の裁判員裁判では、初の死刑判決となった。28日、Aの弁護人は判決を不服として、東京高裁に控訴した[19]

その後2013年(平成25年)6月27日、東京高裁(井上弘通裁判長)は死刑とした一審・さいたま地裁の裁判員裁判判決を支持し、Aの弁護側の控訴を棄却した[20]。「Bの証言は信用でき、被告が主導的立場だったと認められる」と指摘。その上で「2人の生命を奪った結果は重大で、死刑はやむを得ない」とし、A側の無罪主張を退けた。

Aは更に最高裁上告したが、2015年(平成27年)12月4日、最高裁第2小法廷鬼丸かおる裁判長)は「Bが意のままになることを利用して冷酷、非道な犯行を発案、計画し、実行させた。責任はBに比べ相当に重い」としてAの上告を棄却した。これにより、Aの死刑が確定した[21]

テレビ番組


  1. ^ a b c 「裁判員裁判 県内初の死刑求刑=埼玉」、読売新聞東京朝刊、2011年7月7日、33頁。
  2. ^ 「死刑判決「難しい判断」2人殺害 裁判員裁判 県内初=埼玉」、読売新聞東京朝刊、2012年2月25日、33頁。
  3. ^ 「裁判員裁判:おじら2人殺害、県内初死刑 「悩みながら生きていく」判断の心境語る/埼玉」、毎日新聞埼玉版、2012年2月25日、25頁。
  4. ^ 「埼玉・深谷の男性殺害:保険金狙い、横浜の女性殺害 容疑で2被告再逮捕--埼玉県警」、毎日新聞東京朝刊、2011年11月5日、27頁。
  5. ^ a b 「裁判員裁判:おじら2人殺害の被告、起訴内容認める--さいたま地裁初公判」、毎日新聞東京夕刊、2011年6月27日、9頁。
  6. ^ 「裁判員裁判:おじら2人殺害 被告、起訴内容認める 検察側「保険金目当て」/埼玉」、読売新聞埼玉版、2011年6月28日、23頁。
  7. ^ a b 「神奈川保険金殺人2被告を再逮捕 「泥酔し水死」説明うのみ 司法解剖せず」、読売新聞東京夕刊、2010年11月4日、12頁。
  8. ^ 「埼玉・深谷の男性殺害:容疑でおい2人再逮捕--県警」、毎日新聞東京朝刊、2010年6月26日、30頁。
  9. ^ 「おい2人再逮捕 おじ殺害容疑」、読売新聞東京朝刊、2010年6月26日、28頁。
  10. ^ 「女性殺害見逃した県警、初動捜査ミスに「痛恨の極み」/神奈川」、神奈川新聞、2011年1月5日。
  11. ^ 「横浜・女性殺害:2被告、詐欺容疑で再逮捕--埼玉県警」、毎日新聞東京朝刊、2011年1月21日、27頁。
  12. ^ 「2人殺害 弁護側 「無期懲役が相当」=埼玉」、読売新聞東京朝刊、2011年7月9日、33頁。
  13. ^ 「裁判員裁判:養母ら2人殺害 被告に無期懲役--さいたま地裁判決」、毎日新聞東京朝刊、2011年7月21日、28頁。
  14. ^ 「深谷の男性殺害:無期懲役の判決が確定/埼玉」、毎日新聞埼玉版、2011年8月6日、23頁。
  15. ^ 「裁判員裁判:2人殺害、被告いずれも否認 保険金の詐取も--初公判/埼玉」、毎日新聞埼玉版、2012年1月18日、23頁。
  16. ^ 「裁判員裁判:養母ら殺害、死刑求刑 さいたま地検「計画的で残虐」」、毎日新聞大阪夕刊、2012年2月15日、8頁。
  17. ^ 「おじと女性殺害 検察側「尊い命ごみのように」=埼玉」、読売新聞東京朝刊、2012年2月16日、33頁。
  18. ^ 「裁判員裁判:おじら2人殺害、被告に死刑判決--さいたま地裁」、毎日新聞東京朝刊、2012年2月25日、29頁。
  19. ^ 「裁判員裁判:おじら2人殺害 死刑判決不服、被告側が控訴/埼玉」、毎日新聞埼玉版、2012年2月29日、21頁。
  20. ^ おじら2人殺害、二審も死刑 東京高裁判決 日本経済新聞 2013年6月27日
  21. ^ いとこの養母ら殺害の46歳、死刑確定へ 最高裁 産経新聞 2015年12月4日
  22. ^ いとこのいいなりで殺害 エスカレートする犯罪の謎”. ザ!世界仰天ニュース. 2022年7月4日閲覧。


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