ルドフォーディアン ルドフォーディアンの概要

ルドフォーディアン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 14:54 UTC 版)

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ルドフォーディアン期の間に放散虫は三度目の絶滅事変を迎えた。シルル紀中に起きた前回の大量絶滅(ホメリアン - ゴースティアン境界)では放散虫は打撃を回避した[注 1]が、今回では全放散虫の科の29%、属の23%が絶滅した。特にウェンロック世からルドロー世にかけて繁栄したEntactinaria目のRotasphaeridae科(Diparvapila属・Rotasphaera属・Secuicollacta属)とPseudorotasphaeridae科(Pseudorotasphaera属)の絶滅が特徴的である[3]

層序学的定義

ルドフォーディアン階の国際標準模式層断面及び地点GSSPはイギリスラドロー英語版から南西2.5キロメートルのサニーヒル・クオリー(北緯52度21分33秒 西経2度46分38秒 / 北緯52.3592度 西経2.7772度 / 52.3592; -2.7772)に位置する。示準化石にはフデイシSaetograptus leintwardinensis leintwardinensis が、二次的な示準化石には腕足動物Kirkidium knightiiStrophonella euglypha および単体サンゴD. myopsP. globosa が用いられている。ドーニングによる1981年の論文では Cymbosphaeridium pilarisLeoniella carminaeMultiplicisphaeridium paraquaferumVeryhachium leintwardinensisLeiofusa estrechaを含むアクリタークのバイオゾーンが基底のわずか下方に位置すると報告された[4]

日本において

岐阜県吉城郡上宝村の一重ヶ根層の凝灰岩層からはルドロー世からプリドリ世の三葉虫化石が産出している。福井県の子馬巣谷・伊勢川上流・此木谷右岸・大洞谷に分布する飛騨外縁帯の子馬巣谷層下部の灰色および黒色珪質頁岩からは、Zadrappolus yoshikiensis 群集に属する放散虫化石が産出している。この放散虫群集はルドロー世からプリドリ世にかけての示準化石であるが、前期ルドロー世すなわちゴースティアン期を示す化石が産出していないため、この地層はルドフォーディアン階からプリドリ統に相当すると考えられている。子馬巣谷層中部も一重ヶ根層の放散虫群集に似た群集が産出しているため同時期にあたる可能性があるが、ルドロー世とプリドリ世を特徴づける Praespongocoelia 属や Pseudospongoprunum属が産出しておらず、シルル紀末から前期デボン紀までの生存期間を示す Futobari 属が産出していることから、さらに後の時代に相当する可能性が高い[5]

脚注

[脚注の使い方]





地質時代 - 顕生代[* 1][* 2]
累代 基底年代
Mya[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 2.58
新第三紀 23.03
古第三紀 66
中生代 白亜紀 145
ジュラ紀 201.3
三畳紀 251.902

古生代 ペルム紀 298.9
石炭紀 358.9
デボン紀 419.2
シルル紀 443.8
オルドビス紀 485.4
カンブリア紀 541
原生代 2500
太古代(始生代) 4000
冥王代 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 百万年前

注釈

  1. ^ ホメリアンを参照

出典

  1. ^ INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART(国際年代層序表)”. 日本地質学会. 2020年4月24日閲覧。
  2. ^ 鈴木寿志「地質年代区分2012」『日本地質学会第120年学術大会講演要旨(2013仙台)』、日本地質学会、2013年、 doi:10.14863/geosocabst.2013.0_629
  3. ^ 梅田真樹「古生代放散虫の分類 と消長史-7回の絶滅事件-」『地学雑誌』第111巻第1号、東京地学協会、2002年2月25日、 46-47頁、 doi:10.5026/jgeography.111.33
  4. ^ GSSP for Ludfordian Stage”. 国際層序委員会. 2020年4月25日閲覧。
  5. ^ 栗原敏之「飛騨外縁帯九頭竜湖-伊勢川上流地域における中部古生界の層序と地質年代」『地質学雑誌』第109巻第8号、日本地質学会、2003年8月15日、 431-435頁、 doi:10.5575/geosoc.109.425


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