マングローブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 15:11 UTC 版)
日本のマングローブ
鹿児島県種子島西之表市の湊川河口が自然分布でのマングローブの世界的に北限に位置し、メヒルギのみ生育している。
奄美大島最大のマングローブは住用(すみよう)川と役勝(やくがち)川が合流する河口域(奄美市)にあり、奄美群島国立公園の特別保護地区(マングローブ原生林)として保護されている。 なお、マングローブに似た植生として、九州南端の鹿児島市喜入生見町にあるメヒルギ群落が、喜入のリュウキュウコウガイ産地として特別天然記念物に指定されている。しかし、江戸時代に移植されたものとされ、自然分布での北限ではない。
屋久島の栗生川でもメヒルギが生育し、町指定天然記念物として保護されている。伊豆半島ではメヒルギが植樹されており、定着の北限とされる。
沖縄島(沖縄本島)には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキの4種が生育しており、このうちヒルギモドキは島北部の億首川の河口にしか見られない。ヤエヤマヒルギとヒルギモドキについては、沖縄島が北限である。その他に、島北部東村の慶佐次、南部の漫湖等でマングローブが発達している。
久米島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種が生育している。島東部の儀間川河口に島唯一のマングローブが成立している。
宮古島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシの4種が生育しており、このうちヒルギダマシは宮古島が北限である。島北部の島尻にマングローブがある。
石垣島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシキの6種が生育しており、このうちマヤプシキは石垣島が北限である。宮良川河口のマングローブが「宮良川のヒルギ林」として国の天然記念物に指定されているほか、島西部の名蔵アンパルにもマングローブが広がり、国指定鳥獣保護区及びラムサール条約登録地になっている。
西表島には、マングローブ植物7種が全て生育しており、仲間川や浦内川の河口に広大なマングローブが発達している。特に仲間川のマングローブは、「仲間川天然保護区域」として国の天然記念物に指定されている。
静岡県南伊豆町には世界最北のマングローブ林(メヒルギ群落)がある。これは1950年代に人の手で移植されたものである。
注釈
出典
- ^ 小学館『プログレッシブ英和中辞典』第4版. “mangrove”. コトバンク. 2019年11月14日閲覧。
- ^ a b c d 小学館『デジタル大辞泉』. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c 三省堂『大辞林』第3版. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典』小項目事典. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c d 平凡社『百科事典マイペディア』. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c d 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “マングローブ”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b 平凡社『世界大百科事典』第2版. “マングローブ林”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “紅樹林”. コトバンク. 2019年11月15日閲覧。
- ^ a b c d e f 藤本潔、宮城豊彦、西城潔、竹内裕紀子 編著『微地形学 人と自然をつなぐ鍵』(古今書院 2016年 ISBN 978-4-7722-7141-7)pp.80-104.
- ^ 諸喜田 1997, p. 64.
- ^ Mac nae 1968 [要ページ番号][出典無効]
- ^ 土屋・宮城 1991, p. 164.
- ^ a b c d e f 紅海に緑の防波堤を/ エジプト 温暖化対策 マングローブ植樹/政府主導 年5万本「次世代の宝に」『東京新聞』夕刊2022年9月1日1面(2022年9月4日閲覧)
- ^ 伊澤ほか 2002 [要ページ番号]
- ^ 伊澤ほか 2001 [要ページ番号]
- ^ 土屋・宮城 1991, pp. 177–178.
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