デュラムコムギ デュラムコムギの概要

デュラムコムギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 07:54 UTC 版)

デュラムコムギ
デュラムコムギ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉植物 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
亜科 : イチゴツナギ亜科 Pooideae
: コムギ連 Triticeae
: コムギ属 Triticum
: デュラムコムギ T. durum
学名
Triticum durum Desf.[1]
シノニム

Triticum turgidum L. subsp. durum (Desf.) Husnot
Triticum turgidum L. var. durum (Desf.) Yan ex P.C.Kuo[2]

和名
デュラムコムギ
マカロニコムギ
英名
durum wheat
macaroni wheat

デュラム(英語発音: [ˈd(j)ʊəɾəm])は、ラテン語「durum 硬い」の英語読みで、製造工程では、セモリナという黄色い胚乳の粗粒として取り出し、主にパスタマカロニスパゲッティ)等の原材料としている。デュラムコムギは、タンパク質を多く含むが、粘り気が少ないため、デュラムコムギパンといった場合、パンコムギに適量のデュラムコムギを添加するのが普通である。

イタリアにおいては法律[4]によって、乾燥パスタはデュラムセモリナ粉と水で作ることをパスタ生産者に義務付けている。生パスタはパンコムギの小麦粉を使って作られることが多い。

分類

A:リベットコムギ B:デュラムコムギ D:スペルトコムギ(普通系)
C:ポーランドコムギ 。 B, Cは2粒系

ゲノムの構成はAABBの4倍体 (2n=28) である。紀元前7000年頃、Aゲノムをもつ野生一粒系(ヒトツブ)コムギと、Bゲノムを持つクサビコムギとの交雑から生じた2粒コムギ(エンマーコムギT. dicoccum)を選別、栽培したものがデュラムコムギであると考えられている[5]

コムギ属のゲノムは、14本、28本、42本など倍数性があるが、これは、コムギの研究を通じてゲノム説を提唱した木原均の師にあたる北海道帝国大学(現・北海道大学)農学部の坂村徹が発見した。木原は、坂村の研究を引き継ぎ、コムギでは7本の染色体が一組になって、最低の遺伝的機能を果たしていると考えた。彼は、この一組の染色体に対し、ハンス・ヴィンクラーが、1920年に用いた「ゲノム」という言葉を当てはめ、ゲノム説を提唱した。デュラムコムギは、AABBの異なったゲノムから成り立つ異質倍数体であるが、減数分裂時、染色体同士は対合せず、一価染色体のままであることから、染色体21本のパンコムギが、14本のデュラムコムギと7本の染色体を持つ他の種との交配によって生じたと1944年に仮定した。その後、アフガニスタンイランなどで学術探検を行い、ついに野生種タルホコムギを発見し、ゲノム分析の有用性を実証したのだった。

用途


  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003年). “Triticum durum Desf.”. BG Plants 和名-学名インデックス(YList). 2014年1月21日閲覧。
  2. ^ Taxon, ARS‐Grin, http://www.ars-grin.gov/cgi-bin/npgs/html/taxon.pl?406896 .
  3. ^ Wheat”. 2014年1月18日閲覧。
  4. ^ DECRETO DEL PRESIDENTE DELLA REPUBBLICA 9 febbraio 2001, n. 187
  5. ^ Hamish Robertson. “Triticum (wheat genus)”. Biodiversity Explorer. 2014年1月18日閲覧。
  6. ^ Bushuk & Rasper 1994.
  7. ^ 「デュラム小麦 産地化実現 兵庫で100トン突破/農研機構 日本製粉 日本向け開発/99%が輸入◆国産パスタで差別化へ」日本農業新聞』2019年11月6日(2019年11月11日閲覧)


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