タブー 現代社会におけるタブー

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タブー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 05:25 UTC 版)

現代社会におけるタブー

現代における「タブー」は、意味の拡張により、本来の使用法とはかけ離れた用法となっていることもしばしばある。身近な例としては、言霊信仰がある。これはなど、縁起が悪いとされることや、本名である避諱のように、それについて極力、言及しないこと。口にしなくてはならないときは、遠まわしに言うこと、などといったものがある。他にもいろいろある。

職場・学校・部活や農村集落・マンション・団地など、限られた範囲でのタブーも存在する。友達グループ・ママ友といった、私的な関係においてもタブーが存在することもある。また宗教団体に入れば、その戒律=タブーとなる。とくに公共メディアでは、本音であっても言ってはいけない事があり、それを犯すとバッシングを受けてしまう。最近は人権意識の高まりとともに、人種差別・女性蔑視・LGBTへの偏見・子供への体罰・パワハラ・セクハラなども厳しくなっている。

政治体制上のタブー

世界各国で政治体制の維持もしくは転覆を目的とした粛清・虐殺などが歴史的に行われているが、それらはタブーとして扱われている。近年に起こったものは関係者が存命であるためにタブーとしての扱いの度合いは高く、告発などが行われると様々な問題を引き起こすことがある。

タブーとされている事象の例。

  • アルメニア人虐殺 - トルコのタブー。1915-1916年。EU加盟に向けてトルコは様々な西欧化を進めているが、この虐殺に関する西欧の反応については常に反発している。
  • ナチス・ドイツ - ドイツのタブー。第二次世界大戦期。日本式の挙手をドイツで行うと、ナチス式敬礼と見なされて逮捕される。このため、ドイツやオランダ等では人差し指を指して挙手するのが一般的である。
  • 二・二八事件 - 台湾のタブー。1947年。
  • 保導連盟事件 - 大韓民国のタブー。1950年。体制側は盧武鉉大統領が2008年に謝罪した。
  • 9月30日事件 - インドネシアのタブー。1965年。『アクト・オブ・キリング』『ルック・オブ・サイレンス』というドキュメンタリー映画が作られているが、現政権下においては監督・スタッフは入国もできないであろうと言われている。映画のテロップでは今も被害者側は名前を出すことが憚られる状況である。
  • 天安門事件 - 中華人民共和国のタブー。1989年。2024年現在、中華人民共和国ではこの事件のネット上の情報を見ることが基本的には出来ず、関係する単語を掲載した場合はそのサイトやアカウントが閉鎖される状態にある[4][5]。この事件に関連するものを始め、中国共産党ネット検閲によって検索ができない語句は『敏感词』(敏感詞)と呼ばれる。關鍵詞過濾(中国語版)も参照。

タブーの対象の例

婉曲に言うもの

    • 崩御
    • 天に召される
    • 永眠
    • 逝去
    • 鬼籍に入る
    • 世を去る
    • 星になる
    • 他界

触れるのが憚られているもの


  1. ^ 杉田映理「月経衛生対処 (MHM) の開発支援および研究の動向」『国際開発研究』第28巻、国際開発学会、2019年11月30日、2頁、CRID 1390846609793822080 
  2. ^ 非合理的な恐怖の面はゾンビなどいわゆる「怖いもの見たさ」でしばしば怪談ホラー作品の題材にされる。
  3. ^ 女人禁制はこれによるとする解釈もあるが、本土と類縁の文化を持つ沖縄琉球神道参照)では逆に男子禁制の色が濃い。
  4. ^ 日本放送協会 (2023年6月4日). “中国 天安門事件から34年 政府への批判は徹底的に抑え込まれる | NHK”. NHKニュース. 2024年3月9日閲覧。
  5. ^ 中国ネット検閲で人気ライブ配信が中断、ファンの若者が天安門事件に関心持つ「逆効果」”. CNN.co.jp. 2024年3月9日閲覧。


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