ジパング (漫画)
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DDH-182 みらい
みらい | |
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画像はモデルとなったあたご型護衛艦 | |
基本情報 | |
運用者 | 海上自衛隊 |
艦種 | ヘリコプター搭載イージス護衛艦 |
級名 | ゆきなみ型護衛艦 |
前級 | こんごう型 |
次級 | まや型 |
愛称 | Fortune Inspector |
母港 | 横須賀 |
所属 | 第1護衛隊群 |
艦歴 | |
竣工 | 平成13年 |
要目 | |
基準排水量 | 7,735トン |
満載排水量 | 9,998トン |
全長 | 171m |
最大幅 | 21m |
深さ | 12m |
吃水 | 6.3m |
機関 | COGAG方式 |
主機 | LM2500ERガスタービンエンジン 4基 |
出力 | 120,000ps |
最大速力 | 30ノット超 |
燃料 | 軽油 |
乗員 | 241名(うち航空要員25名) |
兵装 |
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搭載機 |
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C4ISTAR |
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レーダー |
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ソナー |
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電子戦・ 対抗手段 |
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劇中登場する「みらい」及び「ゆきなみ」型は、架空のイージス艦である。シリーズ連載前、まだ艦名や完成予想図が発表されておらず「7700トン型イージス護衛艦」と呼ばれていた現あたご型護衛艦を、かわぐちかいじが想像して描いたものである。デザイン的には、実在する海上自衛隊のイージス艦こんごう型護衛艦を元に、ラファイエット級フリゲートの内火艇格納庫とむらさめ型護衛艦のヘリ運用施設を継ぎ合わせ、若干のアレンジを加えてデザインされた。このため基準排水量以外の艦容は実在の現あたご型護衛艦とはかなり異なる[6]。また実在する現あたご型/まや型護衛艦などと比べても極めて早いペースで2002年には4番艦まで建造されている[7]。
1番艦「DDH-180 ゆきなみ」は、本型中唯一艦名がたかなみ型護衛艦準拠の海象名となっている。原作には第1護衛隊群旗艦として登場するがアニメにはセリフ上で名前しか登場しない。
2番艦「DDH-181 あすか」は現実のイージス護衛艦と同様山岳名を命名基準としている。これは「ゆきなみ」と「あすか」の就役期間の間に名称基準訓令が改正された為である。史実では旧帝国海軍の砲艦「飛鳥」、現海上自衛隊試験艦 あすかに採用されている艦名である。原作コミックには姿が登場しないが、アニメでは、第1話冒頭で米海軍空母戦闘群(現 空母打撃群)との共同演習にむらさめ型護衛艦3隻と共に参加している様子が見られる。
3番艦「DDH-182 みらい」が本作品で描かれている。史実では原子力船「むつ」を改装した海洋地球研究船に採用されている船名である。物語中盤までは何度か損傷修理を経ながらも海上自衛隊護衛艦の姿をしていたが、インド洋作戦の前に、予備塗料が尽きたことと(一時的に)日本海軍に組み込まれたことにより、「182」という自衛艦ナンバーを塗り潰し、より暗い色合いの日本海軍軍艦色の艦体塗装となり、以降、マリアナ沖での撃沈までこの姿であった。
劇中にはこの他、「みらい」の僚艦の「新鋭イージス艦」として「はるか」が登場するが、同型のゆきなみ型4番艦DDH-183となるか、後継型であるかは明らかにされていない。
最終回の新史において「日本国防海軍ゆきなみ型イージス艦」として誕生した新「みらい」は寸法が全体に一回り大型化しており、 全長188m、全幅24m、基準排水量12000tとなっている[8]が、艦影そのものは史実のあたご型護衛艦と非常に良く似た物となっている(相違点として艦橋の高さがアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦のように一段低くなっているほか、ヘリコプター発着甲板の高さが異なる)。なお、「国防軍」「国防海軍」という名は、「軍隊」を名乗れないなど様々な制約が科せられた現海上自衛隊創隊以前、吉田英三元大佐等が構想していた海軍再建計画における新海軍の名称である。
右表の「ゆきなみ」型諸元(旧史版)は一部を除いて単行本二巻巻末に掲載されていたものである。
- 速度は30kt超程度とされているが、劇中では35ktの高速で運用されているシーンがある。
- 行き足(加速)はとても速く、停船状態から30kt超まで30秒ほどである。
- 平甲板型の一種として遮波甲板型とされているが厳密には2つは別物である。
- RIM-7FはVLS1セルに2本入っている。
- 後部VLSは二番煙突の両側に挟むように配置されている。
- シースパローは劇中で「ESSM」(RIM-162)[9]と呼ばれていることもあり、2巻の性能表に誤りが生じた可能性もある。
- RGM-84(ハープーン)の対艦ミサイル発射管を搭載しているが、前部VLSの中にもRGM-84-1D-EXという架空のVLS用ハープーンが搭載されている。(単行本四巻、サジタリウス作戦にて使用)
- Mk-48型VLSが48セルとあるが、劇中の描写を見る限り18セルしかなく、逆にブラスト排気口が48基ある。
- 高度な兵器類・機器類は、21世紀と技術格差のある第2次大戦中の日本では生産が不可能である為、補給・修理は不可能である。しかし、砲の弾薬および破壊された127mm主砲の砲身は帝国海軍に仕様を伝え、再生に成功する[10]。
- なおアニメ版「みらい」では制作時の海上自衛隊の協力から性能要目の矛盾点などが改正されている。
- 七九式射撃指揮装置2型22A→八一式射撃指揮装置2型31
- 2型22Aはミサイル誘導機能が無く主砲管制専用であり、一方でイージスシステム標準のMk.99 ミサイル射撃指揮装置はSM-2/ESSM用でシースパローミサイルには対応していないことから、主砲・シースパローミサイル双方の管制・誘導が可能で複数同時処理が可能な2型31に改正し、合わせてFCS-2の正式名称も七九式から八一式と訂正されている。
- ESSM(発展型シースパロー)→RIM-7F(PIP)シースパローに統一
- アニメ制作時点での海自ではESSMは採用されておらず、RIM-7Fの国内改良型のRIM-7F(PIP)に変更となった。
- 原作にあったバウスラスターの廃止
- 搭載機の着艦拘束・移送装置としてカナダ海軍が開発したベアトラップが登場するが、現時点のヘリ搭載護衛艦の装備は後継のRASTに移行しており、ベアトラップ装備艦も順次換装されている。この点に関しては海上自衛隊が制作に協力したアニメ版でも改正されていない。
- こんごう型護衛艦、及びモデルとなったあたご型護衛艦をはじめ、実在するイージス艦がDDG=ミサイル駆逐(護衛)艦であるのに対し、「みらい」はDDH=ヘリコプター搭載型駆逐(護衛)艦とされている。
- なお、現実のDDH-182は、ひゅうが型護衛艦2番艦「いせ」となった。奇しくも「いせ」の進水日である2009年8月21日の前日には、「みらい」が撃沈される内容(「航跡412 航海の彼方」)が掲載されたモーニング誌が発売(2009年38号。2009年8月20日発売)されている。
- 原作、アニメとともに対空ミサイル発射の際はスタンダードミサイルを発射する時も同じく「シースパロー発射!」に統一している。[要出典]
- ^ 連載終盤の2009年5月、作者骨折により休載したが、2009年26号(6月11日号)より連載が再開され、以後は完結まで継続掲載。
- ^ “かわぐちかいじ氏右腕骨折でジパング休載”. 日刊スポーツ (2009年5月8日). 2020年9月23日閲覧。
- ^ ネーム上では具体的日付が伏せられているが「みらい」艦内のカレンダーの日付を追うことで、出航日が2004年6月2日水曜日であることがわかる、と別冊宝島『ジパング パーフェクトBOOK』(宝島社・2002)が指摘している。単行本1巻92ページから2002年2月に閉園した横浜ドリームランドの存在の描写があるため2000年または2001年と設定している可能性もある。ちなみにラルフマッカーシー訳のバイリンガル版ではDisneylandとしている。
- ^ 劇中内のエンジン部は明らかにT700より小さい。
- ^ 実際には「海鳥」の最高速度450km/hに対して二式水上戦闘機は420km/hと遅く、さらに重いフロートのため上昇力が劣ることから、水面にいた二式戦闘機が高度のある「海鳥」を追い抜いて上方から銃撃することは困難である。
- ^ これはかわぐちの前作『沈黙の艦隊』で、艦容が未発表だったシーウルフ級原子力潜水艦の想像図として原子力潜水艦「やまと」や「アレキサンダー」「キング」が描かれた例と同様となる。
- ^ あたご型/まや型が合わせて4隻揃うのは2021年(令和3年)予定である。
- ^ 旧「みらい」は「近隣諸国への配慮」により、満載排水量であっても10000tを越えないようにする制限が厳命されていた。
- ^ 海上自衛隊ではひゅうが型護衛艦から導入されている一セル4発装填型。
- ^ 劇中では砲身冷却装置がなくなり、射程距離及び連射速度はオリジナルに比べ性能落ちは免れないとの描写がある。
- ^ 太平洋戦争研究会 2005, 185頁.
- ^ “ジパング 1”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 2”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 3”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 4”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 5”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 6”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 7”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 8”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 9”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 10”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 11”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 12”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 13”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 14”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 15”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 16”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 17”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 18”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 19”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “ジパング 20”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
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- ^ “ジパング 22(文庫版)”. 講談社. 2022年3月9日閲覧。
- ^ “J-SKY「コミックゲーム★講談社」に人気コミックのアプリ『ジパング』が登場”. 電撃オンライン (2003年2月18日). 2024年6月12日閲覧。
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