腸骨
寛骨臼上部よりやや上方部の寛骨を形成する。下端のやや肉厚な寛骨臼付近が腸骨体で、扇状に拡がる上方部が腸骨翼である。腸骨翼の上縁が腸骨稜で、腸骨翼の内外2面との境の稜線がそれぞれ内唇・外唇、これらの間の粗な部分が中間線である。腸骨稜は上方に張り出し、中央やや後方寄りのところが最も高位にあって第3腰椎棘突起と第4腰椎棘突起の間に相当する。また前方で内面に凹、後方で外面に凹のS字状を呈す。幅は中央部が狭く前方と後方で広い。腸骨稜が前縁に移行することで、前下方に突出する丸みを帯びた部分が上前腸骨棘である。この下方の浅い陥凹を隔てて前下方へ突出する部分が下前腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が下腸骨棘である。腸骨稜と後縁の境で後方へ突出する部分が上後腸骨棘で、この直下の浅い陥凹を隔てて幅広く突出する部分が下後腸骨棘である。下後腸骨棘直下で、坐骨後縁とともに深い切れ込みを呈する部分が大坐骨切痕である。腸骨の内面で、後上方(腸骨稜後方1/3位)から前下方恥骨上肢へ向かう隆線が弓状線で、前上方部の平滑で浅い陥凹を示す腸骨窩と、後下方部の粗な部分である仙骨盤面との境をなす。仙骨盤面では、上方の粗面が腸骨粗面、下方の耳介状を呈し、仙骨との関節面をなす部分が耳状面である。大坐骨切痕に面する平滑な部分は小骨盤側壁をなす。腸骨の外面で寛骨臼縁より上部が粗面状の臀筋面あり、前方で軽く外方へ張り出し後方で陥凹している。前上方から後下方へ向かう3本の隆線が臀筋線で、前殿筋線は最も長く、腸骨稜の前方約1/4から後下方大坐骨切痕上縁の中央部へ向かう。後臀筋線は最も短く、上後腸骨棘のの少し前方から下後腸骨棘の少し前方にいたる。下臀筋線は下前腸骨棘の少し上方から後下方へ向かい、大坐骨切痕の尖端近くに達する。
腸骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 15:40 UTC 版)
腸骨(ちょうこつ、英語: Ilium、ラテン語: ilium、os. ilium)は、四肢動物の腰帯を構成する骨の一つである。
- ^ 慶応大学/系統解剖学/骨、骨格系2011.02.12閲覧
- ^ gooヘルスケア 上・下前腸骨棘裂離骨折の症状と原因
- ^ a b 股関節の痛みの原因を治療する~理学療法士國津秀治
- ^ 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、pp.550-551
[続きの解説]
「腸骨」の続きの解説一覧
- 1 腸骨とは
- 2 腸骨の概要
- 3 腸骨に停止する筋肉
「腸骨」の例文・使い方・用例・文例
- 腸骨の、または、腸骨に関する
- 股関節と臀部を満たす内部腸骨動脈の支流
- 体のどちらかの側面の総腸骨動脈の外側の支脈
- 体のどちらかの側の共通の腸骨動脈の懐枝
- 内腸骨動脈から始まり、骨盤筋と骨に血液を供給する動脈
- 内腸骨動脈の分岐したもので、子宮と膣上部に血液を供給する
- 膣、膀胱の底部、直腸に血液を供給する内腸骨の1支流
- 外腸骨静脈に注ぐ
- 総腸骨静脈を形成するために外腸骨静脈と結合する静脈
- 内腸骨静脈と外腸骨静脈によって形成される
- 内腸骨静脈の1支流
- 子宮叢から発生し、内腸骨静脈に流れる両側の2本の静脈の1つ
- 大動脈の下部に沿って位置するリンパ管叢と腸骨血管
- 腸骨という動物の器官
- 腸骨,坐骨,恥骨から成るアーチ形構造の骨
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