東京都青年の家事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 09:42 UTC 版)
東京都青年の家事件(とうきょうとせいねんのいえじけん)[1]は、東京都が同性愛者への宿泊施設「府中青年の家」の利用を拒否したことに対し、市民団体「動くゲイとレズビアンの会」(現・アカー)のメンバーが1991年2月に起こした損害賠償請求訴訟である。府中青年の家事件とも称される[2][3]。一審判決、二審判決はともに都の責任を認め、原告側の勝訴が確定した[4][5][6][7]。同性愛と人権をめぐる日本初の裁判として知られる[8][9]。「性的指向」という外来の用語は当該訴訟において初めて用いられた[10]。
注釈
出典
- ^ a b c 君塚正臣 (2000年9月). “同性愛者に対する公共施設の宿泊拒否―東京都青年の家事件”. 有斐閣. 2023年6月20日閲覧。
- ^ a b c d “府中青年の家事件”. 立命館大学生存学研究所. 2023年6月14日閲覧。
- ^ “「府中青年の家」事件が起こる(1990年)”. 東京レインボープライド. 2023年6月28日閲覧。
- ^ “「府中青年の家」裁判”. 諏訪の森法律事務所. 2023年6月20日閲覧。
- ^ 1991年5月「社会新報」より。
- ^ 風間・河口 2010, pp. 41–71.
- ^ ヴィンセント・風間・河口 1997, pp. 170–185.
- ^ “連続公開講座「LGBTをめぐる法と社会」第一回「LGBTと人権—府中青年の家裁判を振り返る」を開催いたしました”. 中央大学 (2018年6月27日). 2023年6月22日閲覧。
- ^ 「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟弁護団 (2021年3月31日). “原告ら第7準備書面”. 特定非営利活動法人CALL4(コールフォー). 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b c d 風間孝 (2017年12月29日). “「性的指向」が初めて判決文に刻まれた府中青年の家事件を振り返る【SHIPにじいろキャビン10周年記念シンポジウム】”. ウェジー. 2023年6月22日閲覧。
- ^ “特定非営利活動法人アカー 定款”. 東京生活文化スポーツ局. 東京都 (2018年10月30日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ a b 竹田昌弘「憲法 忘れられない場所 (28) 東京都府中青年の家事件」 『東奥日報』2023年8月11日、14頁。
- ^ 北丸 2021, p. 51.
- ^ “府中市郷土の森観光物産館”. 府中市. 2023年10月24日閲覧。
- ^ a b c 『井田真木子 著作撰集』, pp. 310–311.
- ^ a b 藤谷祐太 (2008年). “トラブルを起こす/トラブルになる”. 立命館大学大学院 先端総合学術研究科. 2023年6月26日閲覧。
- ^ a b 動くゲイとレズビアンの会「府中青年の家・同性愛者差別事件とは」 『インパクション』第71号、インパクト出版会、1991年、52-61頁。
- ^ a b c d e f g 東京地裁 1994.
- ^ a b c d 中川重徳 (2018年5月12日). “府中青年の家裁判を振り返る――弁護団の立場から”. 中央大学. 2023年6月24日閲覧。
- ^ 中央大学 (2018年7月2日). “中央大学 × LLAN 連続公開講座 第一回「LGBTと人権 府中青年の家事件を振り返る」(2018. 5. 12)”. YouTube. 2023年6月24日閲覧。
- ^ a b “『LIBRA』2016年3月号、P19-22。”. 東京弁護士会. 2023年5月29日閲覧。
- ^ a b “弁護士の永野靖さんへのインタビュー”. g-lad xx. 2023年6月24日閲覧。
- ^ “教育委員会へ「請願書」提出 1990/4/13”. 府中青年の家事件資料室. 2023年10月24日閲覧。
- ^ a b 『朝日新聞』1991年2月13日付朝刊、東京、「『府中青年の家の利用拒否は違憲』 同性愛者団体が賠償求めて提訴」。
- ^ 『井田真木子 著作撰集』, p. 228.
- ^ A Gay Comedian With a School Shtick, The New York Times (December 15, 1993).
- ^ Sara Miles, Tom's Trip, Out (April 2000), pp. 79-81.
- ^ a b 『井田真木子 著作撰集』, pp. 381–382.
- ^ a b c 風間孝 (2018年5月12日). “なぜ裁判はゲイメディアから批判されたか〜LGBT と人権:府中青年の家裁判を振り返る−原告の立場から〜”. 中央大学. 2023年6月24日閲覧。
- ^ 永易至文 (2016年7月14日). “第48話 今年で25年を迎えた東京のLGBT映画祭”. ヨミドクター. 読売新聞社. 2023年6月6日閲覧。
- ^ “より多様で自由な社会を 29回目を迎える「レインボー・リール東京 〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」”. 歌舞伎町文化新聞 (2021年7月14日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “映画祭データベース”. 第13回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭. 2012年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月11日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』1991年6月5日付夕刊、文化、9面、「大学祭で同性愛差別の論議(取材ファイル)」。
- ^ 東京高裁 1997.
- ^ 『井田真木子 著作撰集』, pp. 205–206.
- ^ 『井田真木子 著作撰集』, pp. 207–208.
- ^ a b 北沢拓也、山下知子 (2019年2月14日). “「同性婚認めないのは違憲」 13組、国を一斉提訴”. 朝日新聞 2021年3月17日閲覧。
- ^ 角詠之 (2019年9月5日). “「同性婚認めないのは違憲」福岡の男性カップル国を提訴”. 朝日新聞. 2023年6月5日閲覧。
- ^ 藤沢美由紀 (2018年11月14日). “同性婚:「否定は違憲」 法の下の平等、来春にも一斉提訴”. 毎日新聞. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “「死ぬまでに愛する人と結婚したい」との願いが叶わなかった原告の佐藤さんへの思いを胸に2月24日、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告や弁護団、支援者の方たちが東京地裁での口頭弁論に臨みました”. PRIDE JAPAN. アウト・ジャパン (2021年2月25日). 2023年6月17日閲覧。
- ^ 永野・山下・平本法律事務所
- ^ 永野靖 (2022年5月30日). “代理人意見陳述要旨”. 特定非営利活動法人CALL4(コールフォー). 2023年6月3日閲覧。
- ^ 風間孝、赤枝香奈子 (2020年8月3日). “意見書”. 特定非営利活動法人CALL4(コールフォー). 2023年6月3日閲覧。
- ^ 河口和也 (2020年8月3日). “意見書”. 特定非営利活動法人CALL4(コールフォー). 2023年6月3日閲覧。
- 1 東京都青年の家事件とは
- 2 東京都青年の家事件の概要
- 3 備考
- 4 参考文献
- 5 関連項目
固有名詞の分類
- 東京都青年の家事件のページへのリンク