可能態とは? わかりやすく解説

デュナミス

(可能態 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/24 21:45 UTC 版)

デュナミス: dynamis, dunamis)とは、能力・可能態・潜勢態の意味を持つ、アリストテレス哲学の中心をなす概念である[1]

自然学』などで解説された。事物の生成とは可能的なものが現実的なものに発展することであるとアリストテレスは考えた。たとえば、まだ花でないものとしての種子(可能的なもの)は、発展することで花(現実的なもの)となる。このような時に前者を「デュナミス」、後者を「エネルゲイア」と呼ぶ[2] [脚注 1][3]。この両概念は「質料」と「形相」の概念とも関係している[4]。形相と結びつきうるものとしての質料(可能態)は、すでに両者の結びついた個物(現実態)として現実に存在するものとなる。さらに、その可能性を完全に実現して、その目的に到っている状態のことを「エンテレケイア」と呼んだ [脚注 2][5]。可能性(可能態)に対する実現化ゆえ、これは「デュナミス」と対になる語である。即ち、デュナミスはエネルゲイアと、さらにはエンテレケイアと相対を成す概念であると言える[2]


関連項目

脚注

  1. ^ エン+エルゴで構成され、エルゴの部分は、働き、作用、仕事の意味である
  2. ^ エン(ਥȞ、中に)+テロス(IJȑȜȠȢ、終極・目的を)で構成され、テロスの部分は、目的、終端の意味である


出典

  1. ^ 哲学思想辞典・岩波 1998, p. 455.
  2. ^ a b 岩田 2013, p. 20.
  3. ^ 川村文重 (2017年2月). “教員紹介 川村文重”. 教員紹介. Keio University.. 2024年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月1日閲覧。
  4. ^ 茶谷 2009, p. 225.
  5. ^ 永井 2020, p. 40.


参考文献



可能態

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:40 UTC 版)

秋田弁」の記事における「可能態」の解説

秋田方言の可能の形式には、動作主体の持つ能力によって行為が可能である「能力可能」と、動作主体取り巻状況によって行為が可能である「状況可能」の区別見られることが特徴的である。全ての動詞通じて能力可能に可能動詞形が用いられ五段動詞サ変動詞には仮定形に「-ル」を接続し一段動詞カ変動詞動詞では未然形に「-レル」を接続してカゲル」(書ける)、「ミレル」(見られる)、「コレル」(来られる)、「シェル」(できる、「*シレル」から)のように言う。また能力可能の否定も「カゲネァ」「ミレネァ」「コレネァ」「シェネァ」のように可能動詞否定形用いる。状況可能では、肯定では基本形に「-ニエー」を接続して「カグニエー」「ミルニエー」「クルニエー」「シルニエー」のように言い否定では五段動詞サ変動詞には未然形に「-レル」を、一段動詞カ変動詞には未然形に「-ラレル」を接続した可能接辞形を用い、「カガレネァ」「ミラレネァ」「コラレネァ」「サレネァ」を用いる。 共通語では一段動詞カ変動詞では「見られる」「来られるのような可能接辞形が規範的で、「見れる」「来れるのような可能動詞形は「ら抜き言葉」と呼ばれ規範的なものとされているが、秋田方言では否定形において可能動詞形が能力可能、可能接辞形が状況可能として使い分けられる。例えば「着る」に対する「キレネァ」は「子供がまだ小さすぎて一人で服を着られないのような文脈用いられ、「キラレネァ」は「子供大きくなったのでこの服はもう小さくて着られないのような文脈用いるというような区別がある。

※この「可能態」の解説は、「秋田弁」の解説の一部です。
「可能態」を含む「秋田弁」の記事については、「秋田弁」の概要を参照ください。

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