ポスト・コロニアル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 04:28 UTC 版)
「21世紀のクラシック音楽」の記事における「ポスト・コロニアル」の解説
21世紀のクラシック音楽について、2009年のBBCミュージック・マガジンでは、ジョン・アダムズ、ジュリアン・アンダーソン(英語版)、アンリ・デュティユー、ブライアン・ファーニホフ、ジョナサン・ハーヴェイ、ジェームズ・マクミラン(英語版)、マイケル・ナイマン、ロクサーナ・パヌフニク、エイノユハニ・ラウタヴァーラ、ジョン・タヴナーに、西洋クラシック音楽の最新動向について語るよう依頼した。 その結果、特定のスタイルは好まれず、個性を尊重すべきだという意見で一致した。それぞれの作曲家の作品は、今世紀の音楽のさまざまな側面を表しているが、これらの作曲家は皆、「音楽は分類したり制限したりするにはあまりにも多様である」という同じ基本的な結論に達したのである。またデュティユーは本誌のインタビューで、「シリアスなものであれ、ポピュラーなものであれ、音楽には良いものと悪いものしかない」と主張している。21世紀の音楽は、ほとんどがポスト・モダニズムで、さまざまなスタイルを取り入れ、多くの影響を受けている。 しかし、一般の人々に現代音楽を聴いてもらうには、いまだに苦労している。 音楽学者の沼野雄司は、21世紀のクラシック音楽について、ポピュラー音楽に近い、「ポップ化」が起こっていると指摘している。ポピュラー音楽の引用は、ダルムシュタット講習会やガウデアムス音楽祭でも広く見られている。「ニューエイジ化」も起きており、カールハインツ・シュトックハウゼンは自宅近郊で講習会を開き、自宅には自分の音楽を練習できる練習室も開設していた。 タン・ドゥンやチェン・イのような中国出身の作曲家がアメリカ合衆国に脱出して勉強せざるを得なかった時代から、クラシック音楽のポスト・コロニアルは始まっていた。Rohan Chanderは作曲家であると同時にタブラ奏者であり、Matius Shan-Booneはガムランのためにも作曲しそれをオランダで発表した。歴史的に収奪された自らの民族の過去に向かう作曲家も増加した。前述のMatius Shan-Booneはリューベック音楽大学の博士課程に在籍している。Mithatcan Öcalは留学歴抜きで鮮烈なデビューを飾ったがそのような例はごく一部であり、多くの学生が先進国への留学を余儀なくされている。金卓晟(Zhuosheng Jin)も北アメリカに10年以上の滞在歴を持つ。ヴァイオリニストのシン・ヒョンスがジャック・ティボー国際ヴァイオリンコンクールで優勝したときですら「留学歴のない勝者」とキャプション付きで報道されるなどした。
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