文化理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 16:53 UTC 版)
新植民地主義理論の1バリエーションとして、先進国がマスメディアや言語、教育や宗教などの文化的手段を通じて、他国の価値観や認識すら支配する「文化植民地主義」がある。これは、植民地出身の作家が19世紀における植民地帝国の影響を色濃く反映させる植民地根性への批判を1要素とするものである。 批判者によると、かつて植民地ないしは帝国の支配下にあった者は彼我の精神的・文化的相違に気を取られ、「外国人の作法」を権力や成功と結び付ける風が強まるという。そこから、「外国人の作法」を「次善の策」と考えた上で、従前の土着の作法よりも高く尊ぶようになり、最終的には植民者の人種や民族までをも「優れた存在」と錯視する心性が生まれるとしている。 そのため、ネグリチュード運動などに見られる植民地主義の文化面における拒絶や、一見したところ「本物の」地域文化を守り通すことが、ポスト・コロニアル世界にあっては支配に対する必要不可欠な抵抗と見なされる。同様の理由により、旧植民地勢力からの文化的要素を採り入れるのは一種の新植民地主義と言ってよかろう。
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