アドバンスピコ・ビーナ
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アドバンスピコ・ビーナ
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メーカー | セガトイズ |
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種別 | 電子知育玩具 据置型ゲーム機 |
発売日 | ![]() |
CPU | ARM7TDMI 32bit 81MHz[1][2] |
対応メディア | 絵本ソフト(ロムカセット) |
対応ストレージ | 本体内蔵メモリ SDメモリーカード[注釈 1] |
コントローラ入力 | タッチペン(有線) ボタン(本体据付) |
外部接続 | マイク入力端子 拡張ポート |
売上台数 | ![]() |
最高売上ソフト | ビーナタウンへようこそ![注釈 3] |
互換ハードウェア | ビーナLite |
前世代ハードウェア | キッズコンピュータ・ピコ |
次世代ハードウェア | イーピコ |
アドバンスピコ・ビーナ(Advanced PICO Beena)は、セガトイズ[注釈 4]が2005年8月6日に日本で発売した電子知育玩具。略称はビーナ。当時のメーカー希望小売価格は専用ソフト1本が同梱され税込13,440円。
概要
テレビゲームの技術を知育玩具へ転用したキッズコンピュータ・ピコの後継機として開発・発売された。ただしピコとの互換性はない。タッチペンによるテレビと絵本の連動やお絵かき遊びなどピコの特徴はそのままに、画像や音声の表現能力を向上させ、本体によるセーブデータ管理や時計機能などを追加した。これらはセガトイズとアプローズテクノロジーズが共同開発したLSI「AP2010」の搭載により実現した[5]。対象層は従来の未就学児を中心にその家族、小学生低学年、高齢者層にまで広げた。
本体のみでは動作せず、絵本状のページが取り付けられたロムカセット「絵本ソフト」を本体へ差し込んで使用する。絵本ソフトは主にページをめくる動作と、本体へ取り付けられたタッチペンによるページやタブレットへのタッチ動作により操作する。タブレットの両端へ取り付けられた丸い大きなボタンと小さな4つのボタンはミニゲームなどで補助的に用いる。ピコと同じ簡単な操作方法のため、すでにピコに慣れている子供たちやその家族にも違和感なく操作でき、ピコに触ったことのない人でも簡単に扱うことができる。
セガトイズはロングセラー玩具となったピコの後継機として期待し、2005年度中で25万台出荷の販売計画を公表した[6]が、2006年11月公表の販売数は15万台超に留まり[7]、在庫調整が行われた。セガトイズは販売不振の原因として小学生低学年など年齢層の拡大失敗、幼児層への訴求不足と他社のゲーム機など競合製品の登場によるシェア喪失を挙げている[8]。
2008年7月17日には略称のビーナを正式名称とし機器ロゴを刷新するとともに、廉価機ビーナLite(ビーナライト)を発売した[4]。
2011年7月に新作ソフトの供給を終え、2013年をもって修理サポートを終了した。ハード末期となる2011年6月時点の販売数は45万台であった[注釈 2]。
ハードウェア
- ユニバーサルデザイン
- 左利きのプレイヤーがタッチペンを持ったまま違和感なく操作できるよう、タッチペンの取り付け端子は本体左右へ2か所用意された。タッチペンを本体に2本接続することもできる。ただし排他利用となり同時にタッチしたりお絵描きすることはできない。
- 同様に操作ボタンもタブレットの左右両端へ対になるよう取り付けられた。このボタン配置は2人同時プレイにも対応する。
- 音の出る絵本として単体起動
- テレビに接続せず、ビーナ本体と絵本ソフトのみで音の出る絵本としても使用できる。この機能を利用するには専用AVケーブルを本体から抜き取り電源を投入する。タッチペンでページに印刷された文字やイラストに触れるとそれらの読み方や名前・キャラクターのセリフなどを再生する。ソフトによってはしりとりや名前当て・音階当てなどの簡単なゲームも用意される。
- 電池駆動
- テレビ接続時・単独使用時ともACアダプタのほか、単3乾電池4本でも駆動する。音の出る絵本としての単体使用を想定した機能。ACアダプタ使用時は電池を入れる必要はない。
- ユーザー設定
- ユーザーの名前・性別・誕生日に加え、名前の後に「くん」または「ちゃん」を付けて呼ぶかどうかを設定する。これらの情報は本体メモリに保存され、ソフトのイベントに反映される。
- セーブデータ機能
- ソフトのセーブデータを本体メモリへ保存する。最大8タイトルまでのセーブデータを保存可能。
- 時計機能
- 本体に駆動用とは別の単3乾電池2本を入れることでこの機能が利用できる。ソフトにより実際の時刻やユーザーの誕生日などと連動したイベントが用意される。
バリエーション
- グリーンケアビーナ
- 日本ケアサプライより発売。高齢者を対象としたアドバンスピコ・ビーナ本体セット[9]。緑色を基調とした本体に脳トレソフト『みんなで楽しむ脳力トレーナー』を同梱。
- ビーナLite
- 税込9,975円で発売された廉価機。本体性能に変更はない。従来の本体セットからACアダプタとソフトを省き、付属品をAVケーブルのみとした。上部のハンドルを削除し、タブレット部外側とタッチペンは先代機のピコをイメージさせる黄色に変更するなど、外装を一新した。カラーバリエーションは絵本ソフト挿入部側やタブレットシートの色が異なるブルーとピンクの2色。
- ビーナLiteとソフトとのセット品も複数発売されており、これらはセット限定の名目でACアダプタも同梱されている。
仕様
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ソフトウェア
専用ソフトは遊びと学習を融合させた「知育シリーズ」と、より学習要素の強い「学習シリーズ」に分けられており、パッケージは前者が青色、後者は黄色を主体としている。
ビーナ用絵本ソフトの外形や端子部はピコ用絵本ソフトと異なり、ピコ本体でビーナ用のソフトを使うことも、逆にビーナ本体でピコ用ソフトを使うこともできない。
タイトル一覧
発売日は()内。No.6までがローンチタイトル。
- ビーナタウンへようこそ!(2005.8.6)アドバンスピコ・ビーナ本体標準セットに試用ソフトとして同梱。セガトイズから部品扱いで購入する場合の価格は送料・税込3,000円[10]。主人公はビーナのイメージキャラクター「グリーンミント」。
- Partner in TV おうちにわんちゃんがやってきた♪(2005.8.6)
- それいけ!アンパンマン はじめてかけたよおぼえたよ ひらがな・カタカナ(2005.8.6)
- ふたりはプリキュア Max Heart(2005.8.6)
- GO!GO!アドバンスドライブ 6つのマシンにちょうせんだ!(2005.8.6)
- ディズニー たのしいおべんきょうシリーズ(1) マイクでかんたんABC♪(2005.8.6)『スティッチ!〜いたずらエイリアンの大冒険〜』の放送に合わせ再販版を2009年11月19日に発売[11]。
- 甲虫王者ムシキング 〜森の民の伝説〜 みんなでたんけん!甲虫のもり(2005.10.1)
- ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンすうじバトル!!(2005.10.1)
- ドラえもん たのしく おけいこ ひらがな・カタカナ(2005.11.4)
- 家族みんなの脳力トレーナー(2005.11.4)グリーンケアビーナにはグラフィックなど一部内容を変更した『みんなで楽しむ脳力トレーナー』を同梱。
- ゲームがいっぱい きかんしゃトーマス(2005.11.10)
- それいけ!アンパンマン すききらいないこ げんきなこ!(2005.11.18)
- 名探偵コナン 完全推理!数と図形の謎(2006.2.11)
- ナルミヤ メゾピアノ おしゃれ&レッスン♪(2006.2.11)
- ドラえもん たのしいえんせいかつ ようちえん・ほいくえん(2006.3.25)
- オシャレ魔女 ラブ and ベリー キュートにオシャレ(2006.4.22)
- ビーナ トミカで遊ぼう!(2006.4.27)
- ふたりはプリキュア Splash Star(2006.4.27)
- 轟轟戦隊ボウケンジャー かずとかたちをおぼえよう!(2006.4.27)
- にほんごであそぼ(2006.8.5)
- シナモロール カフェ・シナモンでおてつだい(2006.8.5)
- それいけ!アンパンマン カードでたのしく♪ABC(2006.8.10)
- ポイント学習 かきじゅん(2006.8.26)
- ポイント学習 10マスけいさん(2006.8.26)
- ポイント学習 とけい(2006.8.26)
- 甲虫王者ムシキング ネブ博士とかず・かたちにチャレンジ!(2006.9.2)
- ドラえもん 知能大開発!わくわくゲームランド(2006.10.28)
- パシャッとへんしん ビューティーアカデミー(2006.11.18)
- しまじろうのえいごアクティビティえほん ABCパークであそぼう!(2006.11.18)
- 電車大集合!カードであそぼう(2006.12.2)
- 知育ドリル オシャレ魔女♥ラブandベリー もじ・かず・ちえあそび(2007.2.17)
- 太鼓の達人 おんがくレッスン(2007.4.14)
- ポケットモンスター ダイヤモンド・パール もじ・かず・ちえあそび(2007.4.21)
- ぷるるんっ!しずくちゃん あそんでたのしく 脳力アップ(2007.4.21)
- おでんくん おでんむらのたのしいなかまたち(2007.4.21)
- アンパンマンのわくわくゲームおえかき(2007.7.19)
- 獣拳戦隊ゲキレンジャー ニキニキ!かず・かたちにチャレンジ!(2007.7.19)
- 思いやりをはぐくむ語りかけ絵本 ミッフィーとあそぼう・うたおう(2007.7.19)
- クッキングビーナ 〜おりょうりできちゃった!〜(2007.8.11)
- Yes!プリキュア5 あそんでおぼえよう!ひらがな!(2007.8.30)
- 古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー ディノスラッシュ!恐竜バトル!!(2007.10.25)
- ディズニーたのしいおえかき おみせやさんをつくっちゃおう!(2007.11.15)
- 1日10分でえがじょうずにかけるビーナ(2008.2.28)
- ハローキティのひらがな・カタカナ おなまえかいてみよう!(2008.4.3)
- 炎神戦隊ゴーオンジャー マッハでおぼえる!あいうえお!!(2008.4.24)
- Yes!プリキュア5GoGo! love☆loveひらがなレッスン(2008.4.24)
- おしゃれビーナ おみせで きせかえ・メイク・ヘアカット(2008.7.17)
- それいけ! アンパンマン ときどき! レスキュードライブ〜カーナビつき〜(2008.8.7)
- 仮面ライダーキバ ひらがな・すうじ・ちえバトル!!(2008.8.7)
- アンパンマンをさがせ!(2009.2.26)
- 侍戦隊シンケンジャー バトルがいっぱい!いざ参る!(2009.4.23)
- いっしょにへんしん フレッシュプリキュア!(2009.5.28)
- ポケットモンスター ダイヤモンド・パール ポケモンをさがせ!めいろでだいぼうけん!(2009.9.17)
- それいけ!アンパンマン おみせがいっぱい!TVでおりょうりつくっちゃお(2009.11.12)
- ドラえもん わくわく世界一周ゲーム 〜あそんでおぼえる地図・国旗〜(2010.4.1)
- ゲームがいっぱい きかんしゃトーマス(2010.4.22)
- 天装戦隊ゴセイジャー スーパーバトル大集合!(2010.4.29)
- おしゃれにへんしん★ハートキャッチプリキュア!(2010.7.22)
- シューティングビーナ トイ・ストーリー3 ウッディとバズの大冒険!(2010.8.28)
- Meet BUB バブとえいごたんけん(2010.10.21)
- ポケットモンスター ベストウイッシュ 知能育成 ポケモン大運動会(2010.12.4)
- それいけ!アンパンマン わくわくえいごゲーム!(2011.3.31)『それいけ!アンパンマン カードでたのしく♪ABC』の同梱カードとカードリーダーによるスキャン機能を廃した改変版。
- スイートプリキュア♪ハッピーおしゃれハーモニー☆(2011.5.26)
- カーズ2 レーシングビーナ めざせ!ワールドチャンピオン!(2011.7.28)2025年時点、最後に発売されたソフト。
周辺機器
- ビーナ専用SDカードリーダー
- ビーナの拡張端子へ接続し、お絵描きやペーパークラフトなどの画像データをSDメモリーカードへ記録・保存できる。「SD対応ソフト」の表記があるソフトでのみ使用可能。使用可能なSDメモリーカードは容量1GBまでのものに制限される[12]。
アーケード
セガとセガトイズはトレーディングカードゲーム方式のアーケード筐体機「ビーナーランド」を共同開発し、この筐体では『きかんしゃトーマス』『ドラえもん』『お茶犬』を起用したゲームを稼働した。
脚注
注釈
出典
- ^ アプローズテクノロジーズ『株式会社アプローズテクノロジーズ、マルチメディアLSI「AP2010」発表―8月発売の株式会社セガトイズの新製品「Advanced PICO BeenaTM」に搭載。-』(PDF)(プレスリリース)2005年4月5日。オリジナルの2010年3月24日時点におけるアーカイブ 。2025年7月1日閲覧。
- ^ アプローズテクノロジーズ (2005年9月). “AP2010” (PDF). 2010年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月1日閲覧。
- ^ セガトイズ『Beena専用ソフト「カーズ2 レーシングビーナ めざせ!ワールドチャンピオン!」2011年夏注目のアニメ映画が知育ゲームになって登場!数、形、アルファベットが遊びながら学べます!』(PDF)(プレスリリース)2011年6月28日 。2025年7月3日閲覧。
- ^ a b セガトイズ『知育・教育玩具「ビーナ」がお求めやすい価格になって登場!! 『Beena Lite(ビーナ ライト)』 7月17日新発売』(PDF)(プレスリリース)2008年6月18日 。2025年7月3日閲覧。
- ^ “アプローズテクノロジーズ、マルチメディアLSI『AP2010』の販売を開始――セガトイズが『Advanced PICO Beena』に搭載”. ASCII.jp. 角川アスキー総合研究所 (2005年4月5日). 2025年7月1日閲覧。
- ^ セガトイズ『食育、安全などの“五育”を取り入れ、エデュテイメント事業を推進「遊びながら学ぶ」が進化する『Advanced PICO BeenaTM』(アドバンスピコ ビーナTM)8月発売』(PDF)(プレスリリース)2005年4月5日 。2025年7月3日閲覧。
- ^ セガトイズ『ビューティーカメラでおしゃれに へんしん! 「パシャッとへんしん ビューティーアカデミー」 発売!』(プレスリリース)2006年11月30日 。2025年7月3日閲覧。
- ^ セガトイズ『平成19年3月期(2006年度)決算発表 会社説明会 資料』(PDF)(レポート)2007年5月2日、9-10頁 。2025年7月1日閲覧。
- ^ 河合基伸 (2005年12月21日). “高齢者の脳を鍛える玩具,日本ケアサプライがセガトイズと共同開発”. 日経クロステック. 日経BP. 2025年7月3日閲覧。
- ^ “お客様相談センター Beena(ビーナ)こんな時は”. セガトイズ. 2007年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月1日閲覧。
- ^ “ディズニー たのしいおべんきょうシリーズ(1)マイクでかんたんABC♪”. セガトイズ. 2013年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月1日閲覧。
- ^ “SDカードリーダー”. セガトイズ. 2012年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月3日閲覧。
関連項目
- ココパッド - セガトイズが販売したリープパッドの日本版。セガトイズはビーナとともに音の出る絵本の知育玩具を並行販売したことになる。
外部リンク
- Beena(ビーナ)|セガトイズ - ウェイバックマシン(2013年12月4日アーカイブ分)
- アドバンスピコ・ビーナのページへのリンク