WBCの成り立ち
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「ワールドシリーズとワールド・ベースボール・クラシックの両方で優勝を経験した選手一覧」の記事における「WBCの成り立ち」の解説
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は2006年3月に第1回大会が開催された。当時のナショナルチームによる国際大会としては、国際野球連盟(IBAF)主催のワールドカップやインターコンチネンタルカップが存在していた。しかしこれらは、いずれも当初はアマチュア向けの大会として創設されたものだった。1990年代後半に入り、これらの大会へのプロ選手参加が解禁されたものの、MLBはマイナーリーグの選手しか出場させなかった。また、野球は夏季オリンピックにおいても、1992年バルセロナ大会から実施競技となっていた。しかしこちらでもMLBの対応は同じだった。国際オリンピック委員会は、世界のトップ選手であるメジャーリーガーが参加しないことなどを理由に、2005年7月の総会で野球を実施競技から除外することを決めた。 MLBは、その総会直後のオールスターゲーム開催に合わせ、メジャーリーガーが出場する初の国際大会として、WBC創設を正式に発表した。大会はIBAFではなく、MLB機構と選手会の主導で設立された運営会社が主催し、16の国・地域が招待されて第1回大会に出場することとなった。日本野球機構やキューバ代表など、非MLB系列組織の大会参加が一時は危ぶまれたが、関係各所との折衝の末に出場することで決着した。主要国の代表チームには、デレク・ジーターやアルバート・プホルス、ヨハン・サンタナにイチローなど、これまでオリンピックやワールドカップには出ていなかったMLBのスター選手たちが名を連ねた。こうして挙行された第1回大会は一定の成功を収め、3年後の2009年3月には第2回大会が行われた。それ以降は、4年に一度の周期で開催が続いている。 第3回大会からは予選が導入され、前回大会の1次ラウンド最下位4チームと新規参加12チームの計16チームが、4つの本大会出場枠をかけて争うこととなった。これを受けてIBAFはWBCを世界選手権大会として正式に認定し、WBCは名実ともにナショナルチーム世界一決定戦となった。ただ、野球以外のスポーツ界では、WBCを世界選手権というよりMLBの私的大会とみなす風潮が根強い。また、故障への懸念やそれにともなう保険適用の問題のため、特に故障の危険性が高い投手を中心に、WBC出場を辞退する選手が多いのも課題である。
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