The_Open_Group_Architecture_Frameworkとは? わかりやすく解説

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TOGAF

(The_Open_Group_Architecture_Framework から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 03:49 UTC 版)

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TOGAF Architecture Development Method (ADM)の構成図[1]

TOGAF: The Open Group Architecture Framework)は、2020年時点でもっとも多く利用されている[2]エンタープライズアーキテクチャフレームワークであり、エンタープライズ分野において情報技術のアーキテクチャを設計・計画・実装・管理する包括的アプローチを提供する。TOGAFは設計の概観を与えるもので、通常はビジネス・アプリケーション・データ・テクノロジーの4段階でモデル化される。TOGAFはモジュール化標準化の考えかたや、実績のある既存の技術・製品に大きく依存している。 TOGAFの開発が始まったのは1995年で、The Open Groupによりアメリカ国防総省のTAFIMとキャップジェミニのIntegrated Architecture Framework (IAF)をベースに開発された[3]。2016年時点で、The Open GroupによればDow Jones Global Titans 50の80%、およびフォーチュン500の60%の企業がTOGAFを利用している。[4]

アーキテクチャとアーキテクチャ・フレームワークの定義

ANSI/IEEE Std 1471-2000 によれば、(ソフトウェア中心のシステムの)アーキテクチャとは「システムの基盤であり、コンポーネント群、コンポーネント間の相互関係と環境との関係、設計と改良を管理する原則により構成される」ものである。

しかし、TOGAF ではアーキテクチャを「システムの形式記述、あるいはシステムのコンポーネントレベルの実装を補助する詳細な計画」または「コンポーネント群の構造、それらの関係、設計と改良を常に管理制御する原則とガイドライン」であるとされている。

アーキテクチャ・フレームワークは、広範囲の各種アーキテクチャを開発するのに使えるツール群を意味する。アーキテクチャ・フレームワークは以下のような特徴を備える。

  • 情報システムを構成要素群で定義するための方法論を記述する。
  • 構成要素がどう組合わせられるかを示す。
  • ツール群を含む。
  • 共通語彙を提供する。
  • 推奨標準のリストを含む。
  • 構成要素の実装に使用可能な製品のリストを含む。

TOGAF はこのような特徴を持つアーキテクチャ・フレームワークである。

エンタープライズアーキテクチャの領域

TOGAF のサポートするアーキテクチャ領域は以下の4つである。

  1. エンタープライズ・ビジネス・アーキテクチャ: ビジネス戦略、管理、組織、主要なビジネスプロセスを定義する。
  2. アプリケーション・アーキテクチャ: 展開すべき個々のアプリケーションシステムの青写真を提供し、アプリケーションシステム間の連携、その組織の主要なビジネスプロセスとアプリケーションシステムとの関係を定義する。
  3. データ・アーキテクチャ: 組織の論理的および物理的データ資産の構造を記述し、それに関連するデータ管理リソースを記述する。
  4. テクノロジー・アーキテクチャ: 中心となるミッションクリティカルなアプリケーションの配備をサポートするためのソフトウェア基盤を記述する。

アーキテクチャ構築手法

アーキテクチャ構築手法(Architecture Development Method、ADM)は、その組織のビジネスや情報技術の必要性に応じたエンタープライズアーキテクチャを開発するのに適用される。その組織の必要性に応じて調整され、その後アーキテクチャ計画立案活動を管理する際に使用される。

アーキテクチャ開発の流れの概念図はArchitecture Development Cycleにある。

このプロセスは反復的で周期的である。各段階で要求仕様が検証される。フェーズCはデータ・アーキテクチャとアプリケーション・アーキテクチャの一種の結合に関連する。

BとCの間で、追加の明確化を挿入することができ、それにより完全な情報アーキテクチャを提供する。

パフォーマンスエンジニアリングの手法が要求分析フェーズ、ビジネス・アーキテクチャのフェーズ、情報システムアーキテクチャのフェーズ、テクノロジー・アーキテクチャのフェーズのそれぞれに適用される。情報システムアーキテクチャのフェーズでは、データ・アーキテクチャとアプリケーション・アーキテクチャの両方に適用される。

企業連続体

企業連続体(Enterprise Continuum)とは、ある組織で利用可能な全アーキテクチャ資産の「仮想リポジトリ(virtual repository)」である。それには、アーキテクチャ的モデル、アーキテクチャ的パターン、アーキテクチャ記述などの生産物が含まれる。それらはその組織内に存在する場合もあるし、広くIT業界全体に存在する場合もある。企業連続体とは、企業の様々なレベルでのアーキテクチャ群などを一貫性を持って扱うということを示している。

企業連続体は、アーキテクチャ連続体とソリューション連続体から構成される。アーキテクチャ連続体は再利用可能なアーキテクチャ資産を意味し、その企業が利用可能な情報システム(群)の規則・表現・関連などを含む。ソリューション連続体は再利用可能なソリューション構成要素を定義することにより、アーキテクチャ連続体の実装を説明するものである。

The Open Group

TOGAF は The Open GroupArchitecture Forum が開発し、1990年代半ばごろから改良し続けてきたものである。最新版 9.2は TOGAF 9.2 にある。同フォーラムは TOGAF 9 に取り組んでいる。TOGAF 9 に向けてのテーマは次の通りである。

  • 企業、文化、権利保有者
  • アーキテクチャ創造
  • アーキテクチャに基づく転換
  • アーキテクチャの具体化
  • アーキテクチャ管理と制御

The Open Group は TOGAF の非商用目的での組織内での利用については無料で TOGAF を提供している。

出版物

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Stephen Marley (2003). "Architectural Framework," at aiwg.gsfc.nasa.gov, NASA /SCI. Retrieved 10 December 2008 (webarchive.org).
  2. ^ N. Dedic, "FEAMI: A Methodology to include and to integrate Enterprise Architecture Processes into Existing Organizational Processes," in IEEE Engineering Management Review, doi: 10.1109/EMR.2020.3031968.
  3. ^ Wout, Jack van't; Waage, Maarten; Hartman, Herman; Stahlecker, Max; Hofman, Aaldert (17 June 2010). The Integrated Architecture Framework Explained: Why, What, How. ISBN 9783642115189. https://books.google.com/books?id=VZLUNrvjdcYC&q=IAF%2C+TOGAF&pg=PA157 
  4. ^ TOGAF Worldwide

関連項目

外部リンク


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