ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第24番 嬰ヘ長調「テレーゼ」
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第24番 嬰ヘ長調「テレーゼ」 | Sonate für Klavier Nr.24 Fis-Dur Op.78 | 作曲年: 1809年 出版年: 1809年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 1.Satz Adagio cantabile-Allegro ma non troppo | 7分00秒 | |
2 | 第2楽章 2.Satz Allegro vivace | 3分00秒 |
作品解説
冒頭のわずか4小節の序奏の美しさが、彼のピアノ作品の中でも比肩することのない情緒を湛えている。二楽章構成の私的な雰囲気を残す中期の作品。同じ年には《皇帝》が発表されているが、この頃のベートーヴェンの室内楽曲は1808年中ごろまでの《運命》《田園》に代表される管弦楽作品が次々に生み出されていた時期を終え、続く同《7番》《8番》を発表する間に位置している。主題の展開などの研究につとめていた時期でもあり、この作品から続く3つのピアノソナタを俗にカンタービレ期とする分類も見られる。第一楽章の展開部で聴くことの出来る第一主題の細やかな扱い方や、第二楽章のソナタ形式とロンド形式が同居したような展開は耳を惹く。前楽章の半分にも満たない規模であるが、デリケートな軽やかさに貫かれていて心地よい。いわゆる「中期ベートーヴェン」から想像する雄雄しさとはまた違った側面が感じ取れる。
献呈されたテレーゼ・フォン・フラウンシュヴァイクはベートーヴェンがおそらくは生涯を通して友情を育んだ女性である。彼女から送られた肖像画をベートーヴェンは死ぬまで誰にも見せることなく、後に遺品の中からかの「不滅の恋人」へ宛てた手紙と共に発見されたことから長い間「不滅の恋人」本人であると考えられていた。この作品を捧げた時期には婚約の間柄にあり、「生命が豊かに湧き上る想い」(ロマン・ロラン)がふたりを支配していた。
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