SF大将
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/11 16:09 UTC 版)
| SF大将 | |
|---|---|
| ジャンル | SF漫画、ギャグ漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | とり・みき |
| 出版社 | 早川書房 |
| 掲載誌 | S-Fマガジン |
| レーベル | ハヤカワ文庫(文庫版) |
| 発表号 | 1994年7月号 - 1996年12月号 |
| 発表期間 | 1994年 - 1996年 |
| 巻数 | 全1巻(単行本) 全1巻(文庫版) |
| 話数 | 全30話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画 |
| ポータル | 漫画 |
『SF大将』(エスエフたいしょう)は、とり・みきによる日本の漫画作品。短編SFギャグマンガ。『S-Fマガジン』(早川書房)にて1994年7月号から[1]1996年12月号まで連載された[2]。単行本は同社より全1巻。1998年、第29回星雲賞コミック部門を受賞した[3]。
タイトルは日本SF大賞をもじったもので、とり・みきは星雲賞受賞の際に「これでSFタイショーで星雲賞をとる…とゆー4年越しの冗談が完結いたしました」とコメントしている[4]。
概要
『アルジャーノンに花束を』『鋼鉄都市』『幼年期の終わり』などの名作SF小説をパロディ化した短篇集の作品である[5]。各話それぞれ4ページの構成となっている[6]。
2009年に発売されたムック『SF本の雑誌』(本の雑誌社)に「SF大将特別編 万物理論」が掲載された[3](4ページ分)。その後、2010年12月に、後編4ページを追加した全8ページの「SF大将特別編 万物理論[完全版]」として、大森望責任編集『NOVA3 書き下ろし日本SFコレクション』(河出文庫)に収録された[7]。
2016年に早川書房の漫画作品が電子書籍化された際には、文庫版が電子化のラインナップに加えられ[8]、各誌で掲載された「SF大将」「SF小僧」を、刊行時点での完全収録となった。
収録作品
文庫版には表題作のほか、以下の2作品が収録されている[5]。
- 大星雲ショー - 『GURU』(翔泳社)1994年3月号 - 12月号。コンセプトは『SF大将』とほぼ同じ。
- SF小僧 - 第1話「東京危うし!の巻」は『SF大将』単行本描き下ろし(1997年)。以後、『S-Fマガジン』1998年2月号(第500号)、2006年4月号(第600号)、2010年2月号(創刊50周年)、2014年7月号(第700号)、『早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー〔SF篇〕』(2016年)、2020年2月号(創刊60周年)、2025年2月号(創刊65周年)、と記念号ごとに掲載。
パロディ元作品一覧
SF大将
『S-Fマガジン』連載分
- 接続された女(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア)
- 鼠と竜のゲーム(コードウェイナー・スミス)
- へびつかい座ホットライン(ジョン・ヴァーリイ)
- 翼のジェニー(ケイト・ウィルヘルム)
- ブラッド・ミュージック(グレッグ・ベア)
- スターシップと俳句(ソムトウ・スチャリトクル)
- 冷たい方程式(トム・ゴドウィン)
- 刺青の男(レイ・ブラッドベリ)
- リングワールド(ラリイ・ニーヴン)
- タイム・パトロール(ポール・アンダースン)
- スタータイド・ライジング(デイヴィッド・ブリン)
- デューン砂の惑星(フランク・ハーバート)
- ドクター・アダー(K・W・ジーター)
- この人を見よ(マイクル・ムアコック)
- タイムスケープ(グレゴリイ・ベンフォード)
- アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(フィリップ・K・ディック)
- テレパシスト(ジョン・ブラナー)
- 鋼鉄都市(アイザック・アシモフ)
- 重力の使命(ハル・クレメント)
- レベル3(ジャック・フィニイ)
- 溺れた巨人(J・G・バラード)
- 闇の左手(アーシュラ・K・ル・グィン)
- 九百人のお祖母さん(R・A・ラファティ)
- 幼年期の終り(アーサー・C・クラーク)
- 宇宙船ビーグル号(A・E・ヴァン・ヴォクト)
- 時は準宝石の螺旋のように(サミュエル・R・ディレイニー)
- 鉄の夢(ノーマン・スピンラッド)
- 火星人ゴーホーム(フレドリック・ブラウン)
- カエアンの聖衣(バリントン・J・ベイリー)
- ソングマスター(オースン・スコット・カード)
『おすすめ文庫王国』他掲載分
- 虐殺器官(伊藤計劃) - 『おすすめ文庫王国2010-2011』(本の雑誌社、2010年)
- 万物理論(グレッグ・イーガン) - 『SF本の雑誌』(本の雑誌社、2009年)、『NOVA3 書き下ろし日本SFコレクション』(河出文庫、2010年)
- 果しなき流れの果に(小松左京) - 『おすすめ文庫王国2012』(2011年)
- 都市と都市(チャイナ・ミエヴィル) - 『おすすめ文庫王国2013』(2012年)
- クラーケン(チャイナ・ミエヴィル) - 『おすすめ文庫王国2014』(2013年)
- 火星の人(アンディ・ウィアー) - 『おすすめ文庫王国2015』(2014年)
- ゼンデギ(グレッグ・イーガン) - 『おすすめ文庫王国2016』(2015年)、ここまで電子書籍版収録
大星雲ショー
- アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
- 海底二万里(ジュール・ヴェルヌ)
- ソラリス(スタニスワフ・レム)
- タイム・マシン(H・G・ウエルズ)
- モナリザ・オーヴァドライヴ(ウィリアム・ギブスン)
- 愛に時間を(ロバート・A・ハインライン)
- 虎よ、虎よ!(アルフレッド・ベスター)
- 地球の長い午後(ブライアン・W・オールディス)
- 宇宙大作戦
書誌情報
- とり・みき『SF大将』早川書房、1997年12月発行[9]、ISBN 4-152081015
- とり・みき『SF大将』早川書房〈ハヤカワ文庫〉、2002年9月発行[10]、 ISBN 4-150307008
- とり・みき『SF大将 enlarged and revised edition』早川書房〈ハヤカワ文庫〉電子書籍版、2016/08/15
単行本は祖父江慎が装幀を担当しており、本の前後に縦書き右綴じの『SF大将』が収録され、その間に横書き左綴じの『大星雲ショー』が挟まる、という複雑な構成になっている。この凝った造本のため、刊行が大幅に遅れることになった[11]。文庫版では『大星雲ショー』は縦書き右綴じになるように組み直されている(単純な左右反転ではなく、コマごとに反転したり元のままだったりしている)。
脚注
- ^ “SFマガジン = SF magazine. 35(7)”. 国会図書館サーチ. 2021年5月17日閲覧。
- ^ “SFマガジン = SF magazine. 37(12)”. 国会図書館サーチ. 2021年5月17日閲覧。
- ^ a b “「SF本の雑誌」に、とり・みき「SF大将」の特別編”. コミックナタリー (ナターシャ). (2009年7月3日) 2021年5月14日閲覧。
- ^ 「第37回日本SF大会「CAPRICON1」レポート」『S-Fマガジン』第39巻、第11号、早川書房、7頁、1998年11月。
- ^ a b Inc, VOYAGE MARKETING. “SF大将(漫画)”. マンガペディア. 2021年5月13日閲覧。
- ^ 『おすすめ文庫王国』掲載のシリーズは各話2ページ。
- ^ とり・みきの短編SF漫画、ネットで無料公開中
- ^ “高橋葉介「夢幻紳士」など、早川書房のマンガが続々と電子書籍に”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年5月9日) 2021年5月14日閲覧。
- ^ “SF大将 1997”. 国会図書館サーチ. 2021年5月14日閲覧。
- ^ “SF大将 2002”. 国会図書館サーチ. 2021年5月14日閲覧。
- ^ 「とり・みきのSF小僧 500号記念大SF漫画」『S-Fマガジン』第39巻、第2号、早川書房、298頁、1998年2月。『SF大将』文庫版収録
- SF大将のページへのリンク