RNA介在性神経筋疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/15 17:12 UTC 版)
「脊髄小脳変性症31型」の記事における「RNA介在性神経筋疾患」の解説
RNA介在性神経筋疾患(RNA-mediated repeat expansion neurological disorder)に含まれる疾患はSCA31の他に、筋強直性ジストロフィー(DM1、DM2)、SCA8、SCA10、SCA36、FXTAS、HDL2(Huntington disease-like2)などが含まれる。繰り返し配列が転写されスプライシングを受けた後にRNAの形で核内などに凝集することが示されている。これらの原因となる繰り返し配列は疾患ごとに異なるが、凝集体形成の各過程で各疾患に固有の変異配列に結合するRNA凝集体と共存すると考えられている。このためRNA結合蛋白が本来果たすべき機能が障害されることが発症につながると考えられている。例えばDM1ではDMPK遺伝子の3'非翻訳領域内に存在する伸長CTGリピートとして転写され核内に凝集する。その過程で一本鎖CUG結合蛋白(CUG-BP1)の発現亢進とmuscleblind-like1(MBNL1)の隔離が起こり、その下流の遺伝子であるトロポニン、インスリン受容体、筋特異的Clチャネルなどのスプライシング異常がおこり、筋力低下、耐糖能障害、ミオトニアなど様々な症状が起きると考えられている。
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