RNAポリメラーゼIIの伸長複合体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:22 UTC 版)
「RNAポリメラーゼ」の記事における「RNAポリメラーゼIIの伸長複合体」の解説
コーンバーグらはDNAと合成したRNA両方と結合したRNAポリメラーゼIIの撮影にも成功した。単独でクランプモジュールは開いて外から活性中心に近づけたが、伸長複合体のクランプモジュールは閉じ、鋳型鎖と転写産物を覆う。後述するように、転写中のDNAは内部で折れ曲がらなければならない。しかし、転写が開始する前のDNAは比較的強固なまっすぐな構造をしている。最初にDNAを入れるときは開いているが、途中からDNAが酵素から離れないように閉じるのである。メタルAは、最近付加された2つのリボヌクレオチド間のリン酸に結合できる位置にある。活性中心の近くには溝にまたがったブリッジヘリックス (bridge helix) が観察される。まっすぐに伸びた状態では基質のリボヌクレオチド三リン酸が入れるようポア1は開いている。一方で、Thr831とAla832の付近で曲がる状態もあり、活性中心は閉ざされる。 内部のDNAは入口の所でその先にある壁のために無理やり曲げられる。酵素表面でほどかれた鋳型鎖はRNAと二重らせん形成するが、この長さはラダー (rudder, 舵) と呼ばれるタンパク質が障害物となり9bpに制限される。それ以上付加されると、塩基対形成している最後のリボヌクレオチドがDNAから離れ、RNAの出口から抜け出す。DNAも別の出口で脱出し、鋳型鎖と非鋳型鎖は二重らせんに戻る。RNAポリメラーゼの進路、DNAの下流を前とするなら、後ろの壁から上にRNA・DNA出口が、下にポア1が開いている。
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