RER A線とは? わかりやすく解説

RER A線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 05:36 UTC 版)

A線
リヨン駅に停車中のA線
基本情報
フランス
所在地 パリイル=ド=フランス地域圏
種類 地域急行鉄道網
路線網 RER(イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)
起点 セルジー・ル・オー駅
ポワシー駅
サン=ジェルマン=アン=レー駅
終点 ボワシー=サン=レジェ駅
マルヌ=ラ=ヴァレ・シェシー駅
駅数 46駅
開業 1977年12月18日 (47年前) (1977-12-18)
全通 1994年8月29日
運営者 パリ交通公団(RATP)
フランス国鉄(SNCF)
使用車両 MI 09フランス語版
MI 2Nフランス語版
路線諸元
路線距離 109km
軌間 1,435 mm(標準軌)
複線区間 複線
電化方式 RATP区間:直流1500V
SNCF区間:交流25000V
駅間平均長 2,360m
A線の路線図
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RER A線(エールウエール・アーせん、フランス語: Ligne A du RER、通称: RER A)は、パリ交通公団(RATP)とフランス国鉄(SNCF)によって運営されているフランスの首都パリとその大都市圏(イル=ド=フランス地域圏)で運行されている地域急行鉄道網RER(イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)の路線である。パリ近郊西部のセルジー・ル・オー駅、ポワシー駅、サン=ジェルマン=アン=レー駅の各駅から、パリ中心部を経由し、パリ近郊東部のボワシー=サン=レジェ駅マルヌ=ラ=ヴァレ・シェシー駅までを東西に結ぶ。1977年に開業。

概要

並行するパリ・メトロ1号線と共に、パリの東西方向の交通の大動脈である。

歴史的な経緯のため、A1の全線、サン=ジェルマン=アン=レー (Saint-Germain-en-Laye) からパリ市内と東側はZの運営、支線の一部ナンテール・プレフェクチュール (Nanterre Préfecture) から北西はフランス国鉄(SNCF)の運営。

開業当時はRERの運営はRATPが行うことになっていたため、SNCFの既存の路線であった部分も譲渡されて、市内新設区間とともにRATPが運行している。 しかし、後にSNCFがRERの運行をすることになったため、後に開業したA3とA5はSNCFの運営である。 そのため、RATPの区間は直流1500V、SNCFの区間は交流25000Vと電化方式が異なっていて、交直両用車両が使用されている。

1日当たり平均乗客数は100万人を数え、世界の都市鉄道で最も乗客数が多い路線の1つである。そのため、既存の色燈式信号に代えて運転時隔を90秒にできる車内信号2階建車両の導入などの対策が講じられているが、RER E線の延長が実現すれば混雑は軽減されると予想されている。

A線の路線図

路線

西へは、A1が都心部からラ・デファンス (La Défense) を通り、ナンテール・プレフェクチュールでA3を分岐し、サンジェルマン・アン・レーに至る。A3はナンテール・プレフェクチュールでA1と分かれたあと、メゾン=ラフィット(Maisons-Lafitte) でA5を分岐してセルジー・ル・オー (Cergy Le Haut) に、A5ポワシー (Poissy) に至る。

東へは、A2パリ・リヨン駅 (Gare de Lyon) でSNCFのターミナルに接続した後、ヴァンセンヌ (Vincennes) でA4を分岐しボワシー・サン・レジェール (Boissy-Saint-Léger) に至る。A4はヴァンセンヌからディズニーランド・パリのあるマルヌ・ラ・ヴァレー・シェシー (Marne La Vallée Chessy) に至る。

歴史

何年もの事前調査の後、1961年7月6日にA線が起工された。

路線の西部区間では、サン・ラザール駅からサンジェルマン=アン=レーへ向かう在来路線を再利用、架空電車線方式により電化された(それまでは第三軌条方式だった)。パリ都心部の乗り入れは従来のサン・ラザール駅に発着するのではなく、パリ市内を東西に横断する新たな地下線が建設され、ナンテール (Nanterre)、ラ・デファンス、新駅オーベール (Auber)(この駅は建設当時、世界最大の地下構築物だった)を経由し、パリの中心に位置するシャトレ-レ・アル (Châtelet - Les Halles) 駅へ至った。

路線の東部区間では、バスティーユ駅からボワシー・サン・レジェへ向かうヴァンセンヌ (Vincennes) 線を改良した。ナシオン(Nation)を経てリヨン駅に向かう地下線が新たに建設され、従来のターミナルであったバスティーユ駅は廃止された。

1977年、この西部区間と東部区間は、パリ市内を横断する地下線の全通により直結されて、RER A線となった。その後、東方の新都市マルヌ=ラ=ヴァレ (Marne-la-Vallée) およびディズニーランドに通じる支線、および西方のアシェール (Achères) を起点とし、新都市セルジーポントワーズ (Cergy-Pontoise) に通じる支線が、それぞれ開通し、ポワシーへの支線の運行も開始された。

駅一覧

  駅名 ゾーン コミューン 接続
  A3 セルジー・ル・オー駅 5 セルジークールディマンシュ トランジリアンL線
    セルジー=サン=クリストフィー 5 セルジー トランジリアンL線
    セルジー=プレフェクチュール駅 5 セルジー トランジリアンL線
    ヌーヴィル=ユニヴェルシテ駅 5 ヌーヴィル=シュル=オワーズ、エラニー トランジリアンL線
    コンフラン=ファン=ドワーズ 5 コンフラン=サントノリーヌ トランジリアンJ線、L線
    アシェール=ヴィル駅 5 アシェール トランジリアンL線
A5       ポワシー駅 5 ポワシー トランジリアンJ線
        アシェール=グラン・コルミエ駅 5 サン=ジェルマン=アン=レー
      メゾン=ラフィット駅 4 メゾン=ラフィット トランジリアンL線
    サルトルーヴィル駅 4 サルトルーヴィル トランジリアンL線
    ウイユ=キャリエール=シュル=セーヌ駅 4 ウイユ, キャリエール=シュル=セーヌ トランジリアンJ線、L線
A1       サン=ジェルマン=アン=レー駅 4 サン=ジェルマン=アン=レー
        ル・ヴェジネ=ル・ペック駅 4 ル・ヴェジネ
        ル・ヴェジネ=サントル駅 4 ル・ヴェジネ
        シャトゥー=クロアジー駅 4 シャトゥー, クラアジー=シュル=セーヌ
        リュエイユ=マルメゾン駅 3 リュエイユ=マルメゾン
        ナンテール=ヴィル駅 3 ナンテール
        ナンテール=ユニヴェルシテ駅 3 ナンテール トランジリアンL線
        ナンテール・プレフェクチュール駅 3 ナンテール
    ラ・デファンス駅 3 ピュトー トランジリアンL線、U線
1号線
T2
    シャルル・ド・ゴール=エトワール駅 1 パリ8区16区17区 1号線2号線6号線
    オーベール駅 1 パリ9区 E線
トランジリアンL線、J線
3号線7号線8号線9号線
    シャトレ=レ・アル駅 1 パリ1区 B線D線

1号線4号線7号線11号線14号線

    パリ・リヨン駅 1 パリ12区 D線
トランジリアンR線

1号線14号線
TERブルゴーニュ
TGV

    ナシオン駅 1 パリ11区12区 1号線 2号線6号線9号線
        ヴァンセンヌ駅 2 ヴァンセンヌ
        フォントネー=スー=ボワ駅 3 フォントネー=スー=ボワ
        ノジャン=シュル=マルヌ駅 3 ノジャン=シュル=マルヌ
        ジョアン=ヴィル=ル=ポン駅 3 ジョアンヴィル=ル=ポン
        サン=モール=デ=クレテイユ駅 3 サン=モール=デ=フォッセ
        サン=モール公園駅 3 サン=モール=デ=フォッセ
        シャンピニー駅 3 サン=モール=デ=フォッセ
        ラ・ヴァレンヌ=シュヌビエール駅 3 サン=モール=デ=フォッセ
        シュシー=ボンヌイユ駅 4 シュシー=アン=ブリ
A2       ボワシー=サン=レジェ駅 4 ボワシー=サン=レジェ
    ヴァル=ドゥ=フォントネー駅 3 フォントネー=スー=ボワ E線
    ヌイイ=プレザンス駅 3 ヌイイ=プレザンス
    ブリ=シュル=マルヌ駅 4 ブリ=シュル=マルヌ
    ノワジー=ル=グラン=デスト 4 ノワジー=ル=グラン
    ノワジー=シャン駅 4 ノワジー=ル=グラン
シャン=シュル=マルヌ
    ノワジエル駅 5 ノワジエル
    ローニュ駅 5 ローニュ
    トルシー駅 5 トルシー
    ブシー=サン=ジュルジュ駅 5 ブシー=サン=ジュルジュ
    セリ=モンテブラン=ヴァル=ドゥーロップ駅 5 セリ
モンテブラン
シェシー
  A4 マルヌ=ラ=ヴァレ=シェシー駅 5 シェシー TGV, ユーロスター, Ouigo

車両

脚注

関連項目

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