R&Bとジャズの動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 01:19 UTC 版)
「ポピュラー音楽」の記事における「R&Bとジャズの動向」の解説
黒人たちの音楽では、リズム・アンド・ブルースから発展したソウル・ミュージックの中に、ゴスペルを基盤とする熱唱系の歌や、ハードバップに起源がある強烈な16ビートを特徴とするファンクなどが現れる。熱唱系の代表はアレサ・フランクリン、ファンクの代表にジェームス・ブラウンやアース・ウインド&ファイアーがいる。 一方、ジャズはロック人気に押され、商業的な危機を迎えたため、ジャズ・ミュージシャンの中にはソウルミュージシャンの音楽を手本にする動きが出てきて、フュージョンが生まれる。これは当初はファンク・ジャズやソウル・ジャズと呼ばれていた。代表者はまたしてもマイルス・デービスである。エレキ・ギターなどの電子楽器を導入しての斬新なサウンドは、古くからのジャズファンは眉をひそめたが、ジャズと言うジャンルの延命をもたらした。 その他、ジャズの分野ではコード進行を無視したような過激な即興を特徴とするフリージャズやモード・ジャズが行われているが、クラシック音楽の現代音楽同様、技法的には新しいもののあまり多くの人に受け入れられたとは言えず、ジャズは以後伝統回帰と多様化の時代となっていく。フリージャズの開拓者にオーネット・コールマンがおり、モード・ジャズはまたもやマイルス・デービスが切り開いた。 アメリカのすぐ近く、カリブ海に浮かぶジャマイカは1962年にようやく独立を果たすが、伝統的なカリブ海の音楽がアメリカのソウル・ミュージックなどの影響を受け、レゲエが生まれる。レゲエはやがて60年代後半にアメリカに持ち込まれ、ソウル・ミュージックが失ってしまった精神的なメッセージの純粋さにより世界の若者をとりこにするまでになる。ボブ・マーリーが代表。同様に、プエルトリコで生まれたサルサは70年代初めにアメリカを席巻する。
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